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[掛け合い台本?]対話


 魔王と勇者の最終決戦。
 剣を交わうだけが戦いじゃない。生きる意味と生きたい気持ち。
 人間として、動物として、生きるための行動を考える。


キャラ設定


魔王≫全ての動物が動物らしく死んだり殺したりする世界を望んでいる。
勇者≫魔王を倒せば世界が平和になると思い込んでいる。
ナレーターは勇者の心の声


『対話』


魔王「なあ、お前はなぜ戦う。」

 ここは魔王の間。最後の戦いの場所。
 大きな窓の前に人間の形にドラゴンのような緑色の美しい羽のついた魔王がいた。
 俺はコイツを知っている。少しだけ旅に同行していた魔術師だった。

勇者「お前は、、、、。いや、お前だったのか。」

魔王「お久しぶりですね。勇者さん。思い出話もいいですが、そんな呑気なことできませんよね。
改めて問う、お前はなぜ戦う。」

勇者「何を言っている。お前ともう話すことなんてない。」

魔王「何故だ?」

勇者「話したところで意味はない。どうせどちらかは死ぬんだ。」

魔王「変わらないなら話したっていいだろう。言葉の通じる相手なら話して解決する方が合理的じゃないのか?」

勇者「話して解決するようなことじゃない!俺の両親も仲間もお前たちに殺された!それだけで正当な理由だろう!何度も何度も現れて迷惑なんだ!世界平和の為にお前たちを滅ぼす!!!」

魔王「そうか、、、。私も人間に実の親や仲間を殺されたよ。」

勇者「え?」

魔王「食料を取りに外に出たときに『恐ろしい見た目』を理由に殺された。
その後は竜の鱗が装飾にいいんだとかで多くの仲間が殺された。元々生息していた場所を追いやられ殺され、今は隠れながら暮らしてる。私は種を残す為、それに反抗しただけだ。」

勇者「噓だ。頭のいい魔物は人間をだますと聞く。」

魔王「これは本当の話だ。人間をだますのは生きるための知恵さ、君たちと同じ。」

勇者「何が同じだ。俺らは人間を食べたりしない。傷つけたりしない。」

魔王「君たちは豚を、牛を、鳥を、魚を食べているだろう?私たちを装飾品として加工しただろう?
君のその防具は何で出来ている。君が持っている剣は何で出来ている。君の飲もうとしたポーションは何で出来ている。
君はもう既に、多くの命の上で成り立っている。何が違うという。」

勇者「俺は、、、俺たちは、、。」

魔王「君たちの旅に同行した時は驚いたよ。人間の国同士の戦争に参加だなんてね。
でもそれでわかった。意見を違えれば、人間同士でも戦い合うんだ。
私達は『同じ』だ。」
魔王「私は今も戦う気はない。生きればそれだけでいい。言葉が通じるものとしてただ、事実を述べた。それを聞いたうえで、お前はどう思う。」

勇者「俺は話をするつもりはない。人間として世界平和を叶えるだけだ。」

魔王「お前の中では人間の命がそれほどまで大きいのか、考えるのを放棄したのか。
さっきも言ったが俺は戦う気が無い。かと言ってお前は私を倒せない。
ここにいる時点でお前には考える以外に道がない。お前の言う『世界平和』とはなんだ。何故俺らは生きてはいけないのだ。」

勇者「うるさい!!」

握っていた剣に力を込める。でもどんなに振りかざしても傷をつけることすらできない。

勇者「なんでだよ!!当たれよ!!」

魔王「力の差に気付いているだろう。戦ったって意味がない。改めて君に問う、君の言う『世界』とはなんだ。」

勇者「俺は、俺たちは、、。人間が幸せに、何の不自由の無いように、戦って、、。」

魔王「なら、もう一つ問う。人間同士が争うのは何故だ。お前たちは何故争いを続けるんだ。お前の言う『平和』とはなんだ。」

勇者「人間は、自分の正義の為に、欲の、、、ために、、、。」
勇者「平和なんて。夢物語だ。
俺は周りに言われるがままに戦ってきた。誰かが望むから魔族や動物を狩ってきた。
自分の名誉の為に、アイテムの為に、自分の欲を正当化させるために。気付いたら戦闘を楽しんでいたんだ。」
勇者「きっとおまえを倒しても、俺は戦闘をやめない。
『世界』にも戦闘は無くならない。『平和』になんてならない。
俺が求めたものはなんだ。」

 俺はその場にうずくまることしかできなかった。

魔王「人間は脆いな。多くを思考ができる故に壊れてしまうなんて。
そういう私ももう壊れているのかもしれないな。」

 うずくまる俺を見ながら悲しそうにつぶやく。

勇者「お前は壊れてなんかない。」
勇者「何故、俺と会話をしようと思ったんだ。なんかしら少しでも方法があると思ったんじゃないか?共存を望めると思ったんじゃないか?
それに俺には今、お前が悲しんでいるように見える。」

魔王「そうか。」
魔王「もしも、人間の大半が話ができる友好な人間であればと夢を見ていたのかもしれない。勇者が私達と手を取り、どんな種族も等しく生きれる世界を作れると思っていたのかもしれない。
でも無理だね。考え方を違えれば人間同士でも争うんだ。食うわけじゃないのに。
無駄に命を散らす人間はどうせ勝手に滅んでいく。
ならば待っている方が正解だろうとそう考えてしまったんだ。諦めてしまったんだ。」
魔王「壊してしまうのも面倒になって、いま生きている。ただそれだけでいいと思ってしまったんだ。」

 魔王は俺に背を向け窓から見える景色を愛おしそうに見つめている。目を逸らせない程に美しく、冷たく、恐ろしい。

魔王「でもね、そんな事君がここに来る前には気付いてたんだ。こうやって話したかったのは、、、。」

 彼はそう言い、翠色の羽を静かに広げ

魔王「ただ君と、話してみたかっただけなんだ。」

 灰色の空へ飛び立ち二度と会うことは無かった。


フザキ テル



フザキの語り。

と、言うことで書き上げましたが、掛け合いより朗読の方が向いてそうな台本にしあがちゃいました、、、。

これを作成した理由は『世界平和って何だろう』という素朴な疑問でした。
皆さんにとっての『世界平和』って何ですか?
一度でも考えた事がありますか?
正解なんて無いので考えるだけ無駄かもしれないですけどね、、、。

この話に出てくる魔王はゲームに出てくるような世界を自分のものにしようとしているようなものではなく、ただ同じ世界に生まれ、人間に嫌われただけの動物。
私たちの世界で想像するならば熊や蚊等の害獣、害虫に近いものだと思ってくれれば分りやすいと思います。
私のかいた世界は、魔物の保護団体なんてなくて、
悪だ、厄災だといわれ。
素材にいいといわれ。
滅ぼすべきだ、狩りつくすべきだといわれ。
生息地を無くしていった動物です。

皆さんがそんな動物に何を思うのか知りたいなと思ってしまった故に出来た物語で、完全フィクションです。
現実の害獣、害虫を守れなんてことを言っているわけではないということだけご了承ください。
害獣や害虫を含む動物たちの多くは専門家の下で適切に保護されています。適度に居ないと環境が大きく変化してしまい、人間もその他動植物が生きれない場所になったりします。
安易に増やしたり減らしたり素人知識で手や口を出していいものではありません。



使用注意

  • 無料で使用ができます。

  • 一人称や語尾の変更は意味の変わらない程度でお願いします。

  • 場合によって、使用注意が変わる可能性があります。使用時都度、最新版を確認し、使用してください。

  • 使用媒体は原則『REALITY』と『YouTube』のみでお願いいたします。
    (それ以外での媒体、リアルイベント等で使いたい場合、XのDMにて確認、連絡をお願いします。)
    X) https://x.com/Teru_elixir?t=70NS-PBCxphsNiCbMp77Zw&s=09

  • 使用時は必ず『フザキテル』の名前の表示をお願いします。
    例)REALITYでは配信ボード、YouTubeでは概要欄等すぐ見える場所にお願いします。

  • 出来ればでいいので何らかの形で使用する旨を教えてくれると喜びます。
    (私も見に行きたいのです(/ω\))



長くなりましたが、読んで頂きありがとうございました。
皆さんが楽しめるような台本や作品を作成出来るように、また読みやすい投稿ができるように、精進してまいります┗( 'ω')┛ムキッ
応援よろしくお願いします!!!!

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