米国株 高配当ポートフォリオ 10選
前回の "米国株投資はじめました" で、私が米国株高配当投資をはじめるに至った経緯をお話ししました。
今回は肝心のポートフォリオをどのように組み立てたか?について解説していきます。私、投資家ドン・キホーテは根っから素直なタイプなので、バフェット太郎さんの本に従い、"最強のマネーマシン" を作る 3ステップでポートフォリオを作成しました。
[STEP1] 銘柄数の決定
[STEP2] 景気循環別、銘柄数の決定
[STEP3] 個別銘柄の決定
[STEP1] 銘柄数の決定
前回解説により、分散投資によるリスク低減 と 個人が管理できる銘柄数のバランスから 8-16銘柄くらいがほどよい銘柄数という事がわかりました。私は投資比率を直感的に把握しやすい10銘柄とし、各銘柄10%の均等比率でポートフォリオを組むことにしました。
[STEP2] 景気循環別、銘柄数の決定
景気循環という言葉を聞かれた事はありますでしょうか?
景気循環とは、経済全体の活動水準である景気において、循環的に見られる変動のことである。
4局面分割では正常な水準から出発して、好況(拡張・拡大)、後退、不況(収縮)、回復の各局面を経て、再び正常な水準に戻るまでを1循環とすることが多い。 (Wikipedia)
長期にわたり投資をするには、景気の良い時期(拡大局面)と悪い時期(後退局面)を何度も乗り越えて資産を運用していく必要があります。株を長期保有されている方は、景気の局面によって上昇しやすい株や反対に不調な株があることを何となく体感されているのではないでしょうか。
"バカでも稼げる「米国株」高配当投資" では、4つの景気局面に強いセクターとして以下の例が提示されています。
「回復」:ハイテク株、金融株
「好況」:資本財株、一般消費財・サービス株、素材株
「後退」:エネルギー株
「不況」:生活必需品株、ヘルスケア株、通信株、公益株
前述したポートフォリオですが、単に10銘柄に分散投資すれば良いという訳ではないのです。もしあなたが好況局面の10銘柄に集中投資した場合、不況局面では非常に脆いポートフォリオとなってしまい、十分なリスク低減効果が得られない可能性があるのです。
4つの局面でも、「回復」と「好況」、「後退」と「不況」局面の境目を明確に把握することは難しいですから、ざっくりと景気拡大局面と景気後退局面のバランスが取れた配分を考えれば良いと思います。
・景気拡大局面:「回復」「好況」
・景気後退局面:「後退」「不況」
実際に日本の内閣府も景気動向指数を用いて2局面に分割することで、景気循環を表しています。
以上で景気局面による配分の考え方について、理解できたかと思います。私はこの段階で局面ごとの銘柄数を決めず、STEP3で実際に興味をひかれる銘柄を見ながら、STEP2の景気局面に強い銘柄の分散に偏りが出ないようにポートフォリオを調整する方法を取りました。
[STEP3] 個別銘柄の決定
さてSTEP3ではいよいよ具体的にどの銘柄でポートフォリオを組み立てるか?を決定する必要があります。世の中に数多くある高配当銘柄からどうやって10の銘柄に絞り込むか悩まれる方も多いと思いますが、バフェット太郎さんが黄金銘柄30選を提示されています。
黄金銘柄30選のポイント
・永続的なキャッシュフローが期待できること
・安定した配当が期待できること
この30選の選択基準を少しかみくだくと以下のようになります
・安定した配当を長期に渡り減配することなく継続しようと思うと、当然安定したキャッシュフローがないと経営が厳しくなります
・安定したキャッシュフローが期待できる会社というのは、つまりは "儲かる会社" かつ 大きな設備投資を必要としないフェーズの会社ということになります(利益よりも事業の拡大を優先するフェーズにある中小型グロース株銘柄はこの時点で選択肢から外れることになります)
・"儲かる会社" とは競合他社との競争によって利益が損なわれにくい構造 = 参入障壁のある事業を展開する会社ということになります
長期にわたって高配当を維持する実績があり、参入障壁があって儲かる会社とはどんな会社か?となりますが、リストを見てもらうと一目瞭然かと思います。いずれも多くの人が知っている "大きくて" いわゆる "いい会社" ばかりです。
それでは、さっそく黄金銘柄30選を見てみましょう
バフェット太郎さん 黄金銘柄30選(2020/07時点 基礎データ)
基礎データはいずれも私が米国株投資をはじめるタイミング(2020/07)で調べたものです。
私はこの中から以下の10銘柄に投資することに決めました。
ドン・キホーテ 高配当株ポートフォリオ 厳選10銘柄
さてこの厳選10選を、先ほどのSTEP2にあてはめてみましょう。景気拡大局面に強い銘柄が4つ、景気後退局面に強い銘柄が6つとややディフェンシブなポートフォリオとなります。
厳選10銘柄の選定理由
ドン・キホーテが10銘柄を選択した理由をそれぞれ簡単にご説明したいと思います
MSFT:マイクロソフト
言わずと知れたITのエクセレントカンパニー。私は外資系IT企業に勤務していますが、同じIT業界の中でもマイクロソフトはブランド力が圧倒的に高いです。クライアントOSからOffice 365、Web会議のTeamsやドキュメント共有のSharePointまで何でも揃っています。Active Directoryによるシングルサインオンにより顧客はマイクロソフトの世界に一度足を踏み入れるや、なかなか抜け出すことはできないのです。2014年にサティア・ナデラ氏がCEOに就任して以来 業績が急伸。Linkedin や GitHub などの買収も好感を持てます。また、クラウドのAWS一強時代がずっと続く事はなく、Azureが必ずや巻き返してくるだろうと予想して購入を決意しました。
MMM:スリーエム
グローバルに展開する産業部材の会社で、世界有数のコングロマリット(多国籍複合企業)です。オフィス用品、ヘルスケア、エレクトロニクス、自動車、交通インフラ、通信など合わせて55,000の産業製品を世に出しています。みなさまは "15%カルチャー" をご存知でしょうか?会社の設備を最大限利用して、自分の好きな研究テーマに勤務時間の15%を費やせる制度です。ポストイットもこの 15% カルチャーから生み出された製品なんです。2018年から株価はやや低迷気味でしたが、このようにイノベーションを生み出すカルチャーを大切にする企業は必ずや復活をとげると思い、ポートフォリオに組み込みました。
CAT:キャタピラー
建設機械の世界シェアNo.1企業。特に大型建機の製造には莫大な設備投資が必要となるため、もともと参入障壁が高いです。キャタピラー社のすごいところはシェアNo.1 に慢心する事なく、「CAT CONNECT SOLUTION」のサービス提供により顧客の囲い込みと売り上げを拡大する仕組みを構築している点です。これは、IoT を活用して建機の故障を事前に予知したり、建設現場で効率的なオペレーションを実行するサービスで、これにより故障する前に顧客に利益率の高い補修部品の提供が可能となり、さらなる顧客満足度の向上に繋がっています。キャタピラーはこのようにして競合他社の追随を許さない圧倒的な優位性を確保しているのです。
MCD:マクドナルド
世界的なファーストフードチェーンでフランチャイズ方式を採用することで、高い利益率と安定したキャッシュフローを実現しています。不況に強い胃袋産業であること、たとえコロナ禍においてもドライブスルーなどにより売上低下は限定的に抑制され、リオープニング銘柄としても今後の上昇に期待できる銘柄として購入を決定しました。
XOM:エクソン・モービル
かつての時価総額1位の石油メジャー最大手です。最近ではクリーンエネルギーがもてはやされていますが、石油需要は少なくとも2030年のピークに向けて増加すると見られています。また、2020年7月時点でXOM株価は44ドル程度と、コロナ前の70-80ドルのレベルへの回復には程遠い状況でした。需要が増える環境下で株価がかなり割安に放置されていること、また、年率7% と高い配当利回りが見込めることからXOM購入を決定しました。
PG:プロクター & ギャンブル
世界最大手の生活用品メーカーのひとつである P&G は、世界最大のマーケティング・カンパニーとしても高い評価を受けています。日本国内でも「アリエール」「ファブリーズ」「SK-II」「ジレット」「パンパース」などお馴染みのブランドを展開しています。ウォーレン・バフェット氏が P&G が買収する前のジレット社の大株主であったことは有名な話です。
KO:コカ・コーラ
言わずと知れたバフェット銘柄であり、世界最大の清涼飲料メーカーです。 "コーラvsペプシ" の攻防はビジネススクールのケーススタディでも度々取り上げられるテーマです。実際の購入にあたり、コカ・コーラかペプシコのどちらにしようか本当に悩みました。最終的には、営業キャッシュ・フロー、低PER、配当利回りの観点でコカ・コーラを選択しました。
JNJ:ジョンソン・アンド・ジョンソン
ジョンソン・エンド・ジョンソンは世界60か国、250以上のグループで展開する世界最大級のヘルスケア企業です。JNJ の強みは分社分権経営による効率的な経営と世界トップクラスの研究開発投資です。JNJ は巨大企業でありながら、各地域、各分野に分けてグループ会社を増やし、マネジメント可能な規模に最適化することで、経営スピードを高めています。また、研究開発費を惜しみなく投じており、新製品が売上高に占める割合は約25%を占めています。
ABT:アボット・ラボラトリーズ
厳選10銘柄はほぼ昔から知っている会社ばかりですが、唯一アボット・ラボラトリーズは銘柄選定の際に初めて知った会社でした。
アボット・ラボラトリーズの事業は医療機器部門、診断関連部門、栄養補助食品部門、後発医薬品の四つの部門から成り立ち、心臓血管領域で優位性のある企業です。150ヶ国以上で事業を展開し、売上構成比は先進国58%、新興国42%と比較的新興国に注力していて、今後の成長余力を感じさせます。また、大型買収や事業売却など、事業の選択と集中により堅調な成長を続けてきた経営陣にも期待できると思い、購入を決意しました。
VZ:ベライゾン・コミュニケーションズ
参入障壁が高く、配当利回りの高い通信業界は1社はおさえておきたいと考えていました。5G通信の整備が急務である中で、ベライゾンがより早くサービス開始に向けて動いているというニュースがあったこと、また EPS、PER がいずれも AT&T と比較して良い数字だったので、VZ をポートフォリオに採用しました。
以上でようやくドン・キホーテのポートフォリオ(厳選10銘柄)が決定しました。
果たしてドン・キホーテのポートフォリオは S&P500 の市場平均を超えることができるのか!?気になる収益実績につきましては、機会をあらためて皆様にお伝えしていきたいと思います。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。次回もぜひご期待ください!
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