「執着」で結婚に失敗した話
私の最初の結婚は2年ほどで破綻してしまった。
他の記事にも書いたように、元夫のDVが主な理由だったが、今回は私自身の問題点についても書いてみる。
元夫とは、復縁して結婚したのだった。初めて出会った頃は大恋愛で、たくさん良い思い出もある。でも当時も何か噛み合わずに揉めたりして別れた。
年月を経て、やっぱりこの人がいいと、復縁して結婚した。復縁した時は、お互い深い喜びがあったが、早々にやっぱり違う感が出てきた。しかし、せっかくヨリを戻したし、結婚式もしてしまったし、問題には目をつぶったり、先延ばしにしたりした。
以前二人でいた時は幸せだった。今の自分は当時の自分と比べると幸せではない。昔、幸せをくれた相手とまた一緒にいるのに、なぜ幸せな感じがしないのか。いや、幸せに決まっている、たとえ今そうでなくてもいずれは幸せになれる。
こんなふうに。
お互いこんな感じだったから、とにかく何をしても上手くいかない。
次第に、人格否定されたり、いきなりキレられるといったことが増えてくると、私の中にある普段は出てこないダークな部分が共鳴して大きくなっていった。
攻撃を受けると、それまで経験したことのないような激しい怒りの感情や、どうしようもなく憎いといった、ドス黒い感情が生まれてきた。
そして相手の攻撃に対抗するために、自分の口から今まで口にしたことのないような、酷い罵りの言葉や、汚い言葉が出て来るようになり、自分でも驚いた。
そんなことが続き、短期間に感情が大きな振り幅で愛情と怒りの間を行ったり来たり。元の愛情が大きかった分、同じ振り幅で怒りや憎しみの方へもエネルギーが行ってしまったのだ。
愛している「はず」なのに、相手に対する怒りや、自己嫌悪などの感情が常時入り乱れて、文字通り「愛憎渦巻いて」いた。体調もおかしくなっていった。
相手から傷つけられるだけではなく、自分自身がこんなに醜い部分を持っていた事実に、自分で傷つき、ショックを受けていた。そしてこんなのは自分じゃない、在りたい自分と現実の自分のギャップがどんどん大きくなった。
籍を入れる前から、DVの片鱗は見えていたのに、それにも目をつぶり、結婚したのは自分。
不幸になったのは、私自身が過去と現在の自分を比較し、さらには自分以外の人間に幸せを運んでもらおうとした報いだったのだ。
結局は「過去の相手への執着」、そしてなによりあの頃の自分をもう一度体感したいといった「過去の自分への執着」が元凶だったのだろう。
心身ともにおかしくなって、離婚という形で執着を手放すことになった。
そして、執着を手放したらきちんと代わりの幸せはやってきた。年月が経ち、やっとこの経験の意味を受け取っている気がする。
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