【体験談】35歳未経験でエンジニアになった話
非情報系学部で、食品会社勤務だった私がエンジニアになった体験談。
よく「今〇〇歳ですが、今からエンジニアになることはできますか?」という質問をTwitterやQuoraで見かけるので、そういった方たちの参考になればと思い書いた。
結論からいうと、エンジニアにはなれる。エンジニア就職は可能。
だけどエンジニア就職するのはあくまでスタート地点であって、その後どうなるのか、どういったキャリアを積んでどういう努力をしていくのか見据えていくのが大事だよ、というお話。
非情報系学部でエンジニアを目指した
私は農学部の修士卒で、食品会社に就職した。その後変遷を経て、化学系の開発部門にいた。プログラミングの「プ」の字も知らず、エンジニアを目指した。
目指した理由
あと自分はネガティブな人間で、家に帰るとずっと会社や上司の愚痴を言ったり考えたりしていた。それがとても不毛なものに思えて、どうせ頭を使うなら勉強でもしたほうがよい、そして勉強するなら勉強することで給料が上
がる仕事がよい、と考えてエンジニアを選んだ。
他にも細かい理由としては、仕事がたくさんある(ようにみえた)ので、職場を変えやすいこと、技術があれば30過ぎの未経験でも転職できそうに見えたことがあげられる。
例えば公務員試験だと年齢だけで受験資格を失ったりするので、それよりは分がいいように思えた。
目指した理由として、エンジニアは情報がネット上にあり独学が可能であること、当時(2020年くらい)はエンジニアスクールが乱立、エンジニアが賞賛されておりその空気感に後押しされたこともあった。
不純な動機だらけである。
エンジニアを目指した過程
まずみんなおなじみProgateから始めた。ここで少しプログラミングが面白いと感じた。次に東京フリーランスの30daysトライアルに参加して、web制作の楽しさと辛さ、慣れを学んだ。
その後テックアカデミーのフロントエンドエンジニアコースに申込、4週間コースに通った。途中で挫折した。2020年当時なので、今はどうなっているか分からないが、当時はメンター間での情報共有ができていなかった。
月曜日質問して途中まで解決した問題を、火曜日はまたイチから説明する必要がある。
質問に答えるメンターが日替わりなので、そういうことが起きた。
テックアカデミーが終わった時点で、「自分は向いてないかもしれないなぁ」と思い、少し離れた。
その後1か月ぐらいして、またプログラミングがやりたくなり、今度はMENTAというサイトで個人的にメンターを雇うことにした。この方はとても丁寧で、返信も早く、情報量や理解も圧倒的だった。
当初はHTML.CSS.JSを勉強していた。プログラミングすることで画面が変化するフロントエンドを主に学んでいた。
途中から転職することを意識してPHPを学び始めた。PHPの求人が地方では多いからだ。PHPを学ぶと、フロントエンドほど派手さはないが、自分には合っているように思われた。
エンジニアとして就職ができた
エンジニアとして就職ができた。
WEB制作の会社ではなく、自社開発の会社だった。
エンジニア就職にエージェントや転職サービスは使わなかった。地元の会社を調べ、HPの採用ページから直接応募した。そうすることで、会社側の負担を減らすことが目的だった。
自分が考えるエンジニア就職に必要な努力
自分がどんな会社から求められるのか? を客観的に考える努力が必要である。バリバリのwebアプリ開発、最新技術を使っています、という会社に入るためにはやはり技術力やどれだけ早くキャッチアップできるか、といった部分はベースとして話し合いになるだろう。
僕はPHPを勉強してweb制作のバックエンドとして働くことを目標としていたが、結果として違う会社に就職した。就職できた理由は「最初の製造業の経験を買われた」からだ。
単なるエンジニアであれば、やはり企業も若者を採用したいと考える。新卒のほうが技術的にも、仕事でも吸収が早い。それに人生にすれていることもない。
なので未経験からエンジニアになるために、「今までの経験を生かすことができる」というフィールドを探したり、アピールすることが大事だ。
単なる技術力で戦ってしまうと、時間と体力・集中力がある若手と競争になり、それはだいぶハードである。それに第一社会経験がもったいない。
「自分はこんな社会経験があり、こんな課題を見つけた。その課題を解決するために自分でこんなシステムを作ってみたところ、社内で好評だった」ぐらいの話ができるといいのではないかなぁと思う。
あと、「コードが書ける」というのはあくまで、基本的な話であって、サッカーでいえばドリブルができる、野球でいえばキャッチボールができる、くらいの話。上手な人はもちろんすごいが、基礎の基礎の基礎で、それを何に役立てるか。そして、「コードを書くために考えなければならないこと」「話し合う必要のあること」が山ほどあって、そっちのほうが重要だということ。
社会人経験者であれば、このコードを書く部分じゃなくて「話し合いや折衝は経験しました」――のほうがよほど求心力があるのではないか、と思った。