Surra-Escorrendo Pelo Ralo
2019年、いつものようにNew Wave Of Old School Thrash Metalのチャンネルの動画をチェックしていたらこのジャケットが目に止まった。なんと素晴らしいアートワークだ!と思い再生すると、あまりのサウンドの激烈さに衝撃を受けてそのまま過去作までほとんど購入してしまった。
ブラジルのスラッシュコアバンド、Surra(スーハと発音するらしい)。
色々調べてから書こうと思ったんだけど、情報がポルトガル語しかない上に公式のFacebookも閉鎖してしまって実態がよく分からない。前身のバンドがLike A Texas Murderで活動歴は15年くらいでなかなかのベテランであること、歌詞のテーマはPoliticalな内容ということしかよく分からないので、ここではそのサウンドの素晴らしさについてのみ語りたいと思う。
一応ジャンルはMetallumにはクロスオーバー/スラッシュメタルと書いてあるがそれ以上に色々なジャンルの要素が含まれている。曲はほとんどが1~2分台のショートナンバーで、めまぐるしい展開と凄まじいBPMで駆け抜けていく。そしてとてもヘヴィなサウンドなのだが、なんと3ピース!複雑なリフを弾きながら歌いこなしているライブ映像はとてもカッコイイ。
メタルらしいザクザクなリフと2ビートが曲の骨組みだが、グラインドコアやハードコアらしいリフや展開、そしてハードコアパンク由来のビートダウンを挟んでこちらの首を折りにかかる。
第一印象としてはとにかく暴力的かつ衝動的なサウンドだと感じた。まるで暴動の最中に投げ込まれて血が沸騰するような思いがした。特にボーカルの声からは抗争の怒号のような、鬼気迫るものを感じる。そして暴れたくなるような何かがビートに紛れ込んでいて、聴いていると勝手に身体が動き出している。
類似する音楽はあまり思いつかないが、やはりRatos De Poraoなのかなと思う。Violatorもそうだが、ブラジルスラッシュにはRatos De Poraoの影響をどこか感じる部分がある。
初めて聞くなら目下最新作のEscorrendo Pelo Raloがオススメ。CDを売っているのは見たことがなく、僕はBandcampで全て購入した。Tシャツは国内で売っていたので買ったのだけど。もし彼らに詳しい方がいらしたらバイオグラフィーなど教えていただきたい。
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