見出し画像

14歳じゃなかったけど

 高3の秋頃、丘の上の学校まで登校するバスに乗っていた。遅刻すれすれの時間で人影まばらな車内。なんとなく学校に行きたくなくて学校前のバス停で降りずにそのまま乗り過ごした。
 2つ位先で降りて、ただ歩いて。周りは住宅街、何もない場所。お小遣いもないし、結局2時間目に滑り込むように登校した。
 担任から次の休み時間だかに呼び出された。
「何かあったのか。家に電話したぞ」みたいなことを言われて
「バスで寝過ごしました」咄嗟に嘘をついた。
いわゆる『優等生』だったと思う。それ以上は何も問われなかった。
 親にも同じ嘘をついた。親も何も問わなかった。
 あのまま学校に戻らなかったら、どうしたんだろうか。どうなっていたんだろうか。そんなことをふと思った。