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かき氷を食べる体力

オリンピックが終わるとともに暑さが穏やかになった。年々暑くなっている夏は、それでもエアコンをつけるか迷っているうちに過ぎる。

さすがに暑かったので、出かけるとお茶休憩でかき氷を食べた。そうなると気になって美味しそうなかき氷屋さんの写真を探してしまう。かき氷目的で買い物がついで、って時もあった。

子どもの頃のかき氷は夏祭りの屋台で、自宅で「みんなで楽しいかき氷~」の色は違えど味は同じというシンプルなものだった。最近のかき氷はケーキのよう。丼サイズにふわりと盛られた、手作りの桃のソースに生の桃たっぷりの豪華なやつ。お値段も豪華。テイクアウトのふんわり盛りながらもエスプーマの載ったのはケーキ1個位のお値段。どれも美味しくいただいた。

が、まんまるに盛られたやつ。あれは強敵だった。丸く盛られた氷。ソースをドレッシングのボトルのようなもので側面に回しかけてゆくのが見えた。1周…2周目。形は崩れない。上に生クリームのエスプーマ。少し後悔する気持ちになる。チャイ味のそれが目の前に置かれた。ストローが載っている…なぜ?「温かいお茶を置いておきますね」3分の1食べて舌の感覚がなくなってきた。お茶を飲むというより舌を温めて間隔を戻す。食べる、舌を温める、の繰り返しになってきた。お茶が足りないかもと思い始めた。真ん中に到達すると冷え冷えになった生チョコが出てきた。もはや甘さは感じずねっとり感が増しているだけのものになっていた。それでも残る細かな氷は底のソースと一緒になりフローズンチャイと化していた。カフェオレボウルサイズのフローズンチャイ…ストローの意味を理解した。

いくらでも食べれた成長期の、若い時の消化力は、もう私の胃にはない。食べる体力が失われつつあるのは気づいていたけれど、痛感した夏だった。