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待機する涙。

わけもなく涙が出そうになる。
なぜだかわからないけれど突然涙が溢れそうになる。
目の奥が熱くなって、鼻の奥から喉にかけてぐっと重くなる。
そんなときは決まって口の中がズタズタで、いつの間にか歯を食いしばってたんだと気付く。

自信も野心も失ってしまって、毎日をひらひらと過ごしている。
それはそれで身の丈に合っている気がしているし、辛いことではない。

これまでが奇跡の連続だっただけ。
何をしてても過大評価され、「これぐらいはできるだろうからやらなくてよい」と、本当はできもしないことをやらずに終わってきた。
結果、何もできないんだ。

自信と野心は丁寧に摘み取られ、二度と芽生えないようにそれこそ、丁寧に丁寧に叩かれた。
一人の人間を空っぽにするには充分だったよ。

あぁ、完治はしないのかなぁ。
時間が左に回らないように、元に戻りはしないのかもしれない。
こればっかりは辛いし、哀しい。

今の僕にしかできないことがあるとすれば。
今を今として受け入れていくことだ。
当たり前なんだけれど。

頑張らなくていいって、難しい。
どうしても気になってしまう。
そんなとき、待機する涙がするりと落ちる。

まいったなぁ。
この涙は何の味もしないよ。

いただいたサポートは楽器関係、創作活動に使います。決してアルコールには使いません。でもアルコールが音楽や文章に必要と判断される場合はその一滴を力に変えます。よろしくお願いします。