#28 PCT出願を考える
特許を取ったのはいいけれど、せっかく特許を取ったのだから、使ってほしい。そんな欲が出てきた。
この発明、日本国内では特許を取得したものの、
劇的に効果を発揮すると期待されるのはインドやアフリカのような熱帯乾燥地域だ。
ところが特許という仕組みは、申請した国内でのみ有効となる。
では特許を申請していない他国ではどうなるのか・・・?
特許として後悔したものは、「公知」となるので、他の人が特許を申請することはできないものの、他国の特許情報を検索し、特許が申請されていない国内では自由に使うことができるのだ。
逆に特許権を主張しようと思ったなら、対象とするすべての国で特許を取得しなければならない。だがすべての国で土台現実的な話ではない。それをやりやすくするための「PCT国際出願」という仕組みがある(ことを遅ればせながら勉強した)。
https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/seido/kokusai1.html
この仕組みは、ざっくり言うと特許を申請した日から一年以内にPCT国際出願をしておけば、申請日から30ヶ月の間は猶予期間が与えられるのだ。この間に特許を広めたい国に出願して、特許を取得できれば相手国でも有効となるというものだ。
弁理士先生にそうだんしてみた。
するとPCT出願自体は難しい事はないけれど、他の国に出願するにはざっと100万以上はかかるとのこと。たとえ申請してみたところで、その国で活用してくれる企業を探さなければ元も子もない。
それを30ヶ月以内にできるか・・・どう考えてもむずかしい。ということでPCT国際出願は泣く泣く断念することに。
(次回に続く)