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#16 「ブルーゾーン」の秘密

2008年に全米ビジネス書でベストセラーとなった、『The Blue Zones~世界の百歳人(センテナリアン)に学ぶ長寿の9つのルール~』(ダン・ビュイトナー著)のセカンド・エディションが今年出版された。

「ブルーゾーン」とは、100歳以上の長寿者の際だって多い、世界5大長寿地域のことで、日本の沖縄、米国カリフォルニア州のロマ・リンダ、コスタリカのニコヤとギリシャのイカリア島が挙げられている。

本書で長寿地域の共通点として強調されているのは次の9つの特徴だ。
「適度な運動を続ける」、「腹八分で摂取カロリーを抑える」、「植物性食品を食べる」、「適度に赤ワインを飲む」、「はっきりした目的意識を持つ」、「人生をスローダウンする」、「信仰心を持つ」、「家族を最優先にする」、「人とつながる」である。

このうち前の4つは、食生活の工夫としてよく言われていることで、特に驚くことではない。

あとの5つは生き方に関するものだ。「目的意識」、「スローダウン」、「信仰心」、「家族」、「つながり」といったキーワードから想像するに、周囲との強い繋がりを持ちながら、大きなものに包まれて、あせらずに人生を楽しむ感覚をもつことが、長い人生を幸福に生きる秘訣なのかも知れない。。

そういえば、これらの5つの地域の内、4つの地域に共通するのは明るい陽光の差す暖かい海に囲まれた島である、ということだ。そこでは当然人と人との繋がりは強くなる。

そして残るカリフォルニア州のロマ・リンダ・・・私はこの本出版された2008年に、たまたまロマ・リンダからほど近いサンディエゴに半年ほど住んでいたのでよくわかる。島ではなくとも、一年中温暖で太陽の降りそそぐ、くよくよ悩んでいるのがばからしくなるような明るい場所だ。

こうした生き方-周囲との強い繋がりを持ちながら、大きなものに包まれて、あせらずに人生を楽しむ感覚-は、日本の多くの地域で実現可能であり、たとえ長生きしなくともうらやましい生活感ではないだろうか。