Transparent; 旅人の持たないもの
(旅のHow to記事ではありません、念のため)
旅人たちの集まりに、たまに参加します。
私にはありがたくも、偶然出会ったゆるい旅好き仲間たちがいて、若干テーマの違うふたつのグループに顔を出させていただいています。
(簡単にいうと「世界一周集団」と「Another sky グループ」とでもたとえましょう)
そのどちらでも、帰り際にはあふれんばかりのエネルギーで満たされます。
根本的に、人が苦手な自分です。3人以上は苦痛でしかなく、気を使うポイントがさっぱりわからず、周りを見すぎて疲れ果てたり、逆に稀に「ああいうのは違うかもよ」と柔らかに指摘されたり、ともかくあらゆることがうまく回らないのです。
そのくせ振る舞いは明るいので、「全くそんな風に見えない」と言っていただくのでややこしい。
世界的にある程度信頼の置かれている、ある性質診断で読んだのですが、人には「人といることでエネルギーを充電するタイプ」と「人といると疲労困憊するタイプ」があるらしく、心から納得したのを覚えています。
(むろん例外的なシーンやシチュエーションはありますが、基本的な性質のことです)
120%後者の私ですが、「旅」を人生の大切なキーワードとして生きている人たちの中にいるときだけは、これがきれいに前者に生まれ変わるのです。本当にまったく不思議です。
ちなみに、「旅行好き」と「旅人」の温度差、明確に区別するのは難しいですが、「旅行好き」は完全に旅時間が日常の他の時間と区別されているように思います。そして、その旅行には明確な「目的」があります。買い物するとか、〇〇を見る、とか、「リラックスする」もあるでしょう。
それが後者になると、「旅」は人生で大切な自分時間の延長であり、真の時間であり、旅路の間も日常と同じ温度で生きています。もちろんある程度の目的はありますが、その枠はゆるく、「目的達成」を旅の理由にはしません。英語でいえば後者は “Journey” のニュアンスが強いのかなと思っています。
長くなりましたが、ともかくこの性質を持っている方達というのは共通の空気があり、そこに入ると心身がふっとラクになり、ゆるんでいく。
その隙間にエネルギーが充電される感じですね。風通しがいい、というのが字のごとく一番近い形容詞かもしれません。
それは、彼らが持つ何かの性質ではなく、むしろ生きる上で持たないことにしている何かの「重さ」なのだと思うのです。
旅は、軽いに限ります。生きる旅路も、然り。