Salon Pencake works| ワインと美術の探究室
美術、もっといえばそれを支える歴史文化を愛してやまない私たちが一緒にワインを飲んだその日から、終わらない話は始まりました。
全部を知ろうとしたら絶望してしまう、それでも近づきたい膨大な世界の美しさ。終わりのない世界を知ることには興奮を覚えるけれど、同時に無力感にも襲われる。どんなに知りたくても、届かない。この無力感を乗り越え、完璧主義を捨て、まずは一歩から…と何度思っても、その起点が定められない。
光がさしたのは、Pencake works デザインスタジオでの、ある方との夏のアペロでした。
ワインという、身近で、いつでも見方でいてくれて、それ自体を切り口に研究テーマになりえるものを、世界の美を識る「起点」にできると気づいた時、文字通り、目の前に光の道が見えました。
ワインを起点にその周辺の歴史文化を味わっていくこと、あるいは史実のエピソードにワインをみつけていくプロセスは、いわばマリアージュに近い感覚。ボルドー という土地を表した言葉にも、こんなものがあるくらいです。
歴史文化はより鮮やかに浮かび上がり、ワインにはいろいろな味を感じるようになる。これはまさに相乗効果で、境界も臨界もない膨大な世界を、今までより少しだけ、立体的に識ることができる気がするのです。
美術、歴史文化を知ることになによりも人生の愛と意味を感じる人間が、ヨーロッパ文化の傑作というべきワインとチーズをキーツールに、世界を探求していったらどうなるか。 それぞれ ワインエキスパート/フランス語講師/元アートギャラリースタッフ の私たちが、テーマをもとに月次開催されるこのプライベートサロンで追っていきます。
私たちの仲間
Dessert by CAFE MIKUNI'S
初回から、この探求会を締めくくってくれていたのが、煌くデセール。四ツ谷 オテル・ドゥ・ミクニのパティスリーシェフの創り上げるアントルメです。その甘美な単語の響き。
記念すべき第1回目、夏の宝石のアントルメについては、後述をお楽しみに。
Fromagerie Alpage
チーズ好きには知られた、神楽坂は「アルパージュ」のフロマージュ。テーマに沿って、たまに少し飛び出して、パートナーが用意してきてくれるチーズは、毎回天をあおぐ滋味深さです。
The Theme
探求の出発点、毎回設定するテーマ。そこにルールはなく、その時夢中になっている世界だったり、季節だったり、まわりに散らばる、話題だったり。でもこれも実は暫定で、そのテーマのもと集まったワインや食材や発見したエピソードで、毎回未知の世界を知っていく。
これはいわばワインとチーズと美術、三者の即興マリアージュ。そしてゴールのない探求会なのです。