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【最愛文具と暮らす#1】「これだけでいい」と思えるものと暮らすために
今回から、新連載「最愛文具と暮らす」を始めます。
はじめに
お気に入りのペンや万年筆、書き心地のいいノート、ずっと使い続けたい手帳。
愛らしく、心ときめく数々の文具との暮らしを、多くの方が送っていることと思います。
一方で、その時は気に入って買ったものの、手つかずで放置している文具や、しまい込んだままの文具もあるのではないでしょうか。
たくさん集めるのが至福、使わなくてもコレクションとして収集している方ももちろんいると思います。
しかし私は、一冊の本と出合い、ものに対する考え方が変わりました。
ドミニック・ローホーさんの「シンプルだから、贅沢」です。
ものだけでなく、時間、人付き合いなど、上質な暮らしのスタイルが詰まった本書には、忘れられない一文がありました。
「これだけでいい」と思えるものしかいらない
これだけでいいと思えるもの。
すなわち、最愛のものと暮らすのです。
これを文具に置き換えると、どうでしょうか。
本当に好きなもの、必要なものだけを使うことができたなら、その文具と過ごす時間が長くなる。
そんな「最愛文具」との暮らしは、年齢を重ねて、やがて年老いても続けていきたい、理想の風景を思い起こさせました。
同時に、気づけば長いこと触れていない道具、ほとんど使わないのに置いてある大量の色ペン、使い切れなくて白紙だらけの手帳やノートを溜め込んでいる現状に疑問を覚えました。
大して使わないのに、このままずっと持っているのか?
新しいものが出るたびに、刹那的な感情だけで買っていくのか?
使っていない文具にかけたお金が戻ってくるなら、もっと別のことに使えるのではないか?
そう考えると、いてもたってもいられなくなったのです。
そこで、本連載にて主宰のおおやまが実際に自分の机周りを片づけ、「最愛文具」との暮らしを実現させるまでの過程をお届けすることにしました。
本連載は、片づけ、断捨離、捨て活、ミニマリスト、シンプリストの要素を含みながらも、いずれにも該当しません。
テーマはただひとつ、「ものとの付き合い方」です。
片づけ、整理、収納の過程でものと向き合い、「これだけでいいと思えるもの」を残す
なるべく捨てずに、フリマアプリ・リサイクル・譲る・寄付・使うなど、「ものの行方」に責任を持つ
ものの買い方・付き合い方の基準を設け、保つ
これらを、実際の片づけの模様と、付随したノウハウと一緒にお届けします。
・もの(文具)が身の回りに過剰に溢れている
・使いきれないものを整理したいけど、方法が分からない
・机周りの整理や収納のヒントを得たい
このような方は、本連載がものとの付き合い方を考えるきっかけとなれば幸いです。
「使われていないもの」の責任を取る
文具や手帳を買う行為自体が楽しい。
コレクションするだけで満足。
おそらくほとんどの方がそうであるように、私も同じ気持ちを持っています。
なのになぜ、徹底的にものと向き合い、使っていないものを切り捨てるような行為に及ぼうとしているのかをお話しさせてください。
私には反面教師としながらも、ずっと目を背け続けてきた現実がありました。
実家の至る所に積み上げられた「使われていないもの」です。
生活スペースは確保されており、ごみはその都度きちんと片づけています。
掃除や皿洗いも実家の家族が行っています。
だけどどの部屋も、もう使われていないものが積もり積もっているのです。
読み終えた本や雑誌、賞味期限切れのお菓子。
いつ買ったか分からない服や、たまにしか使わないバッグ。
そして私が地元を出てから、不要になったものを送りつけたダンボールの山。
長年こうしたものが「風景化」してしまった実家を知りながら、親の「こっちで片づけるから、心配しなくていいよ」という言葉に甘えていました。
しかし年明けに帰省した時、既に私が身の回りを片づけ始めていたためか、とうとう実家の現状に耐えられなくなりました。
実家は実家で、親の指示を仰ぎながら、年に数回片づけを進めていくことにしました。
「ものを買うより、減らすほうが難しい」とよく言います。
ものを持つことには、責任が生じます。それをよく表している一文です。
私は実家のものの量を反面教師とし、溜め込んだ後の「責任」をだんだんと意識するようになりました。
一方で、私もやはり、使えないものを多く抱えてしまっていたのです。
現在の机周り
話を戻し、実際の机周りがどのようになっているのかお見せします。
机
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全体はこのような感じ。
作業スペースは確保されていますが、ものの量は多いです。
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机正面。
中央にペンが立ててあり、右はノートやシステム手帳のリフィル、左はワイヤーバスケットにシールを立ててあります。
ちらほらとキャラものも。
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机右側。
ブックスタンドに色々立てすぎて、キャラグッズ(「原神」の鍾離先生)が埋もれています。
置きっぱなしのガラスペン、スペースがなく上に置いてあるMDノート、変形している収納バッグ……整理されているとは言えません。
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机下のチェスト。
一番下の引き出しが閉まりません。
上にも穴あけパンチや、買ったばかりの色画用紙、もらいもののお菓子の箱が。
引き出しが閉まっていないのは由々しき事態です。
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机の頭上の壁。
「やることに意義がある」は錦鯉の長谷川まさのりさんの言葉です。
一番上にあるのはビジョンボード。
ほかにいただいた詩や、お気に入りのポストカード、妹と一緒にもらったTHE YELLOW MONKEYのポスターも。
そろそろ模様替えしたいです。
机横の引き出し
昔、漫画道具の「スクリーントーン(模様が印刷された低粘着のシート)」を入れていた引き出しです。
過去記事で中身を紹介しています。
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相変わらず多いマスキングテープ。
この段のほか、引き出し3段分あります。
たまにフリマアプリに出品しているのですが、なかなか減らせず。
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下段になると、箱に入っているシールやクッキングシート(マステを貼って切り取ると簡易シールになる)など、忘れかけているものばかり。
ちなみに穴あけパンチは分厚い紙を挟んでしまい、壊れてしまいました。
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最下段は紙ものを収納しています。
クリアファイルに分けているものの、取り出しづらく使用頻度は低くなるばかり。
減らすだけでなく「使えるように」してあげないといけないものもあります。
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引き出しの上は、セリアのポリプロピレンのボックスを使いフレークシールを収納しています。
横のスペースはKindle本で描いていただいた絵をプリントして飾っています。本当はちゃんとした所に置きたい。
キャラものの置き方にも課題ありです。
引き出しの隣にあるカラーボックス周辺
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カラーボックスの上に無印良品の引き出しを置き、さらに色々ディスプレイしてあります。
やはりキャラものが点在。
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引き出しの中はレターセットや古いシール、色画用紙、過去の手帳など。
この中で今でも使うものは1割です。
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3段のカラーボックス。
上段…マイノートとジャーナリングのノート、引き出しは細かいふせんや封筒が入っています。
猫の缶はアロマオイル入れ。
中段…ノートパッドやルーズリーフバインダー、貼りものノート。
かごの中はシステム手帳のリフィル、レターセット、デザインペーパー、ファイリングしたKITTAなど。
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本来は下段に、過去の手帳やノートを入れたダンボールをしまっていました。
しかし現状はこの通り。
いらないものをそのまま捨てる訳にもいかず、かといってシュレッダーにかけるのも面倒くさい。
これを風景化するのはもういやです。
◇
実家の積み重なった大量のものや、いつも机の上に雑多にものを置いていた昔の友だちを見て、「絶対こんな風になるものか」と内心思っていました。
しかし私も決して、隅々まで整理が行き届いている訳ではありません。
まずは現状をそのままお見せしました。
今後の方針
次回はまず、いるものといらないものを分けます。
その際どういった基準で分けるのかも併せてご紹介します。
また、片づけるにあたり整理収納アドバイザー2級の資格を取ることにしました。
自己流でなく、プロの方法を基本として身につけたいのです。
机周りに限らず、家全体、さらに実家の片づけにも役立つと見込んでいます。
2級の資格は講習を1日受けると取得できるようです。
既に日にちが迫っているので、頑張ってきます。
初回のため長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
片づけた先の風景を、一緒に見届けてください。
今後も手帳・文具を楽しむための記事を予定しています。
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