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ドル円、円買い介入警戒感で150円手前の膠着状態続く。
【10/24相場概況】
東京時間、ドル円は仲値で本邦実需の売り観測や日経平均の下落を受け149.50円まで下押し。その後、日経平均が回復しだすと149.70円台まで買い戻された。欧州時間、時間外の米10年債利回りが4.80%前後まで低下幅を拡大させるとドル売りが先行し、ドル円は149.32円まで下落。NY時間、米10年債利回りが4.88%台まで上昇し、米PMI速報値が予想を上振れると、ドル円は149.92円まで上昇。
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【10/25相場観】
ドル円は、米10年債利回りの低下を受け失速となるが、米PMI速報値の予想上振れで150円手前まで反発。その後は、政府・日銀による円買い介入警戒感で上値が抑えられた。来週のBOJ/FOMCがメインイベントではあるが、今週は、10/26の米四半期GDP個人消費/コアPCE・米失業保険継続受給者数や10/27の米9月PCE/PCEデフレーターなど注目される経済指標がある。ドル円相場は動意薄ではなく、売り買い拮抗とみるので、経済指標のサプライズ発表による149円台のレンジブレイクには要警戒。
日足一目均衡表では、「三役好転」継続で上昇トレンドを示唆。補助線(転換線・基準線・遅行線・先行1・先行2)に大きな変化はなく、基調転換の動きもない。テクニカル的には150円台を上値抵抗線としたアセンディングトライアングル(上方三角形)形成となっており、いつ上振れてもおかしくない。
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筆者は、ドル円の150円突破は時間の問題と見ているが、現在150円手前で上値を抑えられており、リスクシナリオとして、10/3の高値150.16円を天井と想定した下落目途をフィボナッチリトレースメントで計測。計測値は、A= 127.21-150.16・B= 137.23-150.16・C= 144.43-150.16。
大きな抵抗帯が2つあり、①9/1の安値144.43前後で、このレベルはギリギリ調整の範囲内で①を割り込むと完全に上昇トレンド終了と考えており、②7/14の安値137.23レベルの下落はあるのではないかとみる。あくまでリスクシナリオなので、急落時の目途としていただきたい。
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20231025執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保