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短歌

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夢もうつつも一緒くた
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2023年8月の記事一覧

【短歌】芒1首

【短歌】芒1首

中空の藍をくすぐる逆光のすすき夜風に恋のゆらめき

*南町田グランベリーパークの2階、南に開けた空をバックに、人の背丈よりも高いススキが繁る中庭の階段を見る。子連れには常に騒がしいBGMが付きまとうが、落ち着いた月見を堪能したいカップルにはうってつけの場所かもしれない。

【短歌】ひたむき1首

【短歌】ひたむき1首

無口なる男の子やマスクに声も無く目にて語りきその目ひたむき

*何かに打ち込んでいる子の目に惹かれ、
余計なちょっかいを出すけしからんオバサン(私)。

【短歌】帰省

【短歌】帰省

 家族で私の実家へ。久々に全員集合し、アルコールの回った兄や弟の口からは、私の子供時代の悪行の数々がこれでもかというほど出るわ出るわ。

   やんちやといふ言葉は
    息子をスルーして
     娘に憑きにし母こそあはれ

 もし自分のような娘を持ったら育てる自信ないなぁと思っていたが、たまたま男ばかり生まれたので助かった。

   われのごとたち悪き娘を持たずして
         幸ひな

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【短歌】盥2首

【短歌】盥2首

戦中より使はれしごとき金だらひ逆戻りなき定めに朽ちて

泣く子らの頭にぽんと盥のせ河童に変へしコーチの手品

*スイミング教室の若きコーチ、子どもの扱いに慣れているなぁと思ったら子持ちだった。