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青春18きっぷ活用戦略2024夏 切符の買い方から使用方法・裏ワザまで 18きっぷに代わるお得な切符も解説

皆さん、こんにちは!

今回は、一部で廃止が噂されるも無事に販売された「青春18きっぷ」について解説していきたいと思います。夏休みの計画を立てるついでに、18きっぷの使い方や攻略法を理解し、楽しく充実した旅にしましょう!

18きっぷは安価で非常に便利な切符ですが、旅の目的地や移動手段によっては、18きっぷが向かない場合や、それ以上にお得な切符が存在することもあります。この記事では、青春18きっぷのメリット&デメリット、活用法に加え、JR各社が販売しているフリー切符についても、たくさん紹介していきます。

写真1 青春18きっぷ


青春18きっぷの解説

発売・利用期間

2024年夏季の青春18きっぷの発売期間と利用期間は以下の通りです。青春18きっぷ自体は9月10日まで利用できるものの、販売は8月中に終了してしまうので要注意です。

発売:2024年7月10日~2024年8月31日
利用:2024年7月20日~2024年9月10日

料金は12,050円で、おとな・こども同額です。

発売箇所・購入方法

発売箇所は、全国のJRの主な駅や、JRの旅行センターおよび主要旅行会社となっています。一般の駅では、みどりの窓口と指定席券売機で購入することが可能ですが、窓口の混雑を回避するためにも、指定席券売機での購入をオススメします。

指定席券売機では、「おトクなきっぷ」のうち、「乗り放題タイプ」や「フリーパスタイプ」などと書いてあるボタンを選択すれば、1枚から購入できます。この時、使用人数を選ぶ画面が表示されますが、システム上では1人1枚が想定されており、2枚購入すると10回(日)分になります。

支払い方法は、現金かSuica・PASMOなどの交通系ICカード、クレジットカードのいずれかとなります。この時、領収書も貰っておくとよいでしょう。

写真2 券売機での切符購入

利用方法

写真2のように、青春18きっぷには、日付印を押してもらう部分が5ヵ所あります。1枚のきっぷを1人で5回利用したり(期間内であれば連続で使用する必要はない)、5人グループで日帰り旅をしたりすることができます。

3人グループで日帰り旅行をした後、残った分を用いて2人組で日帰り旅行に出かけることもできますが、複数人の場合は、原則、全員が同一行程で利用する必要があります(同じ駅で同時に乗車して同じ駅で同時に降車しましょう)。

青春18きっぷのマルス券(緑色の切符)は、自動改札機に通すことができません。改札に入る場合、有人駅では駅員に切符を見せて、確認してもらう必要があります。繁忙期は、有人改札に長蛇の列ができることも珍しくありません。時間に余裕をもって計画を立てましょう。

もし、無人駅で自動改札機しかない場合には、インターフォンで最寄りの有人駅に連絡をして、改札を開けてもらいます。また、改札のない無人駅(地方はこのケースが多い)から乗車したい場合は、一旦そのまま乗車し、車掌さんか下車時に運転士から日付印を押してもらいましょう。降車駅が有人駅であれば、駅員に説明すると日付印を押してもらえます。

写真3 高山駅(岐阜県)の改札前

乗車できる列車とできない列車

基本的に、青春18きっぷでの移動は、JR線の普通・快速列車の普通車自由席がメインとなりますが、BRT(バス高速輸送システム)とJR西日本宮島フェリー(別途、宮島訪問税100円が必要)も利用可能です。

ただし、私鉄はもちろん、道南いさりび鉄道や青い森鉄道といった第三セクター鉄道、東京臨海高速鉄道などのJR線と直通運転している路線、JRバスも青春18きっぷでは利用できません。

2024年3月16日の北陸新幹線延伸(金沢~敦賀間)に伴い、JR北陸本線の同区間がIRいしかわ鉄道およびハピラインふくいに経営移管され、18きっぷの対象エリアから除外された点は注意しなくてはなりません(このように青春18きっぷで行ける範囲が年々縮小しています)。

また、万が一特急や急行列車を利用する際には、青春18きっぷとは別に普通乗車券、特急券、急行券、グリーン券などが必要になりますが、快速・普通列車のグリーン車自由席(上野東京ライン、常磐線、総武線、横須賀線など)は青春18きっぷに加えて、グリーン券を用意するだけで乗車可能です。少しでも移動を快適にしたい場合には、こういった手段も有効かもしれません。

ただし、以下の区間については、特例的に普通車自由席(普通車自由席の設定がない列車は普通車指定席の空席)に乗車できます。

・奥羽本線(青森~新青森間)
・石勝線(新得~新夕張間)
・室蘭線(東室蘭~室蘭間)
・佐世保線(早岐~佐世保間)
・宮崎空港線(宮崎空港~宮崎間)

加えて、以下の鉄道会社については、特例としてJR線への通過利用が可能です。例えば、青森からJR大湊線の大湊駅を目指す際に、青い森鉄道の走行区間(青森~野辺地間)を青春18きっぷのみで通過することができます(野辺地駅以外での途中下車は不可)。

・青い森鉄道(青森~八戸間)
・あいの風とやま鉄道(富山~倶利伽羅間)
・IRいしかわ鉄道(倶利伽羅~津幡間)
・ハピラインふくい線(越前花堂~敦賀間)

このため、北陸新幹線延伸に伴って、2024年3月16日以降、JR線が縮小したものの、JRの孤立路線である氷見線・城端線・七尾線・越美北線を利用できるよう、上記の区間もJR線への通過利用が認められています。

このようなルールや特例をしっかり把握すれば、行動範囲が広くなり、難所といわれる北陸エリアの観光も可能となります。


青春18きっぷの攻略法

オプション券・他の切符を併用利用

青春18きっぷの特徴にして最大の弱点なのが、普通列車にしか乗車できないということです。ただ、在来線での移動が不可能な津軽海峡横断の際には、別売りの「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(2,490円)を購入し、併用利用することができます。

この切符を利用すると、北海道新幹線の奥津軽いまべつ~木古内間(指定席の空席に着席可能)と、道南いさりび鉄道の木古内~五稜郭間(JRとの接続駅)に、片道1回乗車することができます。

奥津軽いまべつ駅および木古内駅に停車する新幹線は、上り線・下り線それぞれ1日7本程度と少ないため、計画を立てるのがやや難しいですが、一つの手段として有効的です。

写真4 北海道新幹線

さらに、以下のように、青春18きっぷと併用して利用できるお得なフリー切符を販売している鉄道会社もあるので、切符を併用するという考え方もアリかもしれません。

トキ鉄18きっぷ
(えちごトキめき鉄道の全区間/1,000円)
おれんじ18フリーきっぷ
(肥薩おれんじ鉄道の全区間/2,100円)

新幹線やフェリーでワープする

普通列車での移動がどうしても困難な場合には、別途、乗車券や特急券を購入して、特急や新幹線に乗車するという戦法もあります。JR東日本のえきねっとトクだ値など、JR各社のキャンペーンを利用すれば、通常よりも安く切符を買うことができる場合もあるので、是非、色々と調べてみてください。

また、北海道へ上陸する際に、青春18きっぷと北海道新幹線オプション券を併用して、新幹線を利用するのも良いですが、船酔いの心配がなければ、フェリーという選択肢もあります。

青森港、函館港ともに駅から遠いのが難点ではあるものの、青函フェリーと津軽海峡フェリーの2社が両港間を4時間弱程度で結んでいます。運賃は変動しますが、3,000円以下で乗ることができます。

フェリーは物流の要であり、トラックやその運転手を運ぶ役割を果たしています。そのため、深夜便も多く、夜眠っている間に北海道に上陸するというタイムスケジュールもできるかもしれません。昨年には、津軽海峡フェリーが青森-室蘭間の航路を運航開始したので、こちらも注目です。

写真5 フェリーで北海道を目指す

青春18きっぷ以外の選択肢

JR北海道

北海道フリーパス
料金:27,430円
期間:繁忙期を除き通年利用可
⇒北海道内の普通列車と特急列車(指定席は6回まで)に7日間連続で自由に乗車することができるお得な切符です。広大な北海道を特急で快適に移動できるのが魅力です。

北海道&東日本パス
料金:11,330円
販売:2024年6月20日~2024年9月24日
期間:2024年7月1日~2024年9月30日
⇒JR北海道およびJR東日本の普通列車に7日連続で乗車できるお得な切符です。青春18きっぷと異なり、複数人で分けたり、間隔をあけて利用したりすることはできないものの、1日・回あたりの単価は、こちらの方が安いです。また、特定特急券(4,000円)を購入すると、北海道新幹線の新青森~新函館北斗駅間に乗車可能です。

JR東日本

週末パス
料金:8,880円
販売:通年販売
期間:繁忙期を除く毎週末
⇒JR東日本の指定区間内の路線と会津鉄道をはじめとする14の鉄道会社線の普通列車が2日間(土→日、日→祝日の月曜日など)乗り降り自由の切符です。別途、特急券等を購入すると、新幹線や在来線特急にも乗車可能です。

JR東海

JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ
料金:8,620円
販売:通年販売
期間:繁忙期を除く毎週末
⇒JR東海の在来線全線と隣接する16の私鉄の普通列車が2日間(土→日、日→祝日の月曜日など)乗り降り自由の切符です。別途、特急券等を購入すると、新幹線(『ひかり』と『こだま』に4回まで)や在来線特急にも乗車可能です。

JR西日本

JR西日本では、JR線自由周遊区間の利用と観光・体験コンテンツなどがセットになった周遊パスが複数販売されいます。いずれも、KANSAI MaaSやtabiwaを利用したデジタルチケットとなっています。
・詳しくはコチラ
・tabiwa限定周遊パスはコチラ

JR九州

ぐるっと九州きっぷ
料金:ネット14,300円/窓口15,800円
販売:通年
期間:通年
⇒JR九州全線の普通車自由席に連続した3日間乗り放題の切符です。別途、特急券等を購入すると、九州新幹線や西九州新幹線、特急列車にも乗車可能です。

旅名人の九州満喫きっぷ
料金:11,000円
販売:通年
期間:通年
⇒JR九州はもちろん、地下鉄や路面電車、モノレールなどを含めた九州の全鉄道の快速・普通列車が1日乗り放題が3回(人)分セットになった切符です。青春18きっぷと同様に、複数人で利用することも可能ですが、新幹線や特急に乗車することはできません。


結論

青春18きっぷでの旅というと、どうしても普通列車での長時間の移動を強いられることから、ハードなイメージがあるかもしれません。しかし、今回ご紹介した裏ワザを活用したり、別のお得な切符を利用したりすることで、より楽しく快適な旅にすることもできます。是非、いろいろ比較検討しながら、旅行計画を立ててみてください。


【執筆者プロフィール】
TerraTrek(テラ・トレック)管理人
所属:
★大学4年生(執筆時/専攻は地理学)
経歴・資格:
★日本遺産普及協会(インターン)で活動中
・日本遺産ソムリエ
・NEALリーダー(自然体験活動指導者)
興味・関心:
★文化財活用(日本遺産、食文化)
・観光(インバウンド、聖地巡礼)
・地方創生(人材育成、地域産業)
連絡先:
→terratrek2024■gmail.com
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