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#1667 「見方・考え方」をもっと前面に打ち出すべき
現行の学習指導要領では、はじめて教科等特有の「見方・考え方」が規定された。
これは画期的なことである。
「見方・考え方」は概念的知識に関わるものであり、知識を構造的に理解することに寄与する。
カリキュラムオーバーロードの解消にもつながるだろう。
しかし、現行の学習指導要領は、はじめて「見方・考え方」が打ち出されたこともあり、その示し方が「やや弱い」と言わざるをえない。
現場の先生方を見ても、「見方・考え方」を授業で重視している様子はあまり見られない。
いまだに「コンテンツ」を教えることに終始している。
それは「教科書」にも原因がある。
教師用の指導書には、「見方・考え方」の文言があるが、子どもの教科書には分かりづらい表記となっている。
教師も子どもも、毎回の授業で「見方・考え方」を意識できるような構成になっていないのである。
なので、現場の先生方の授業は、いまだに「コンテンツベース」なのである。
これを改革し、「コンピテンシーベース」の学習にしていくためには、「見方・考え方」の意識を教師が明確にもち、それを子どもが働かせることができるようにしていく必要があるのだ。
そのためには、学習指導要領にはもちろん、教科書にも、教師用の指導書にも、そして現場の教師への研修内容にも、「見方・考え方」をもっと打ち出さなければいけない。
「見方・考え方」をもっと前面に打ち出すことで、教師たちは否が応でも、「見方・考え方」を意識しなければならなくなり、子どもにそれらを働かせるよう促すことができる。
研修内容について、「見方・考え方」を働かせることに重点が置かれれば、教師たちはもっと「見方・考え方」を意識できるようになるだろう。
これからの教育は、「コンテンツ」を網羅する学習ではなく、「見方・考え方」という概念的知識をもとに「コンピテンシー」を養っていく学習に変革していくことが求められるのである。
これからの教育改革に期待したい。
そして、私自身は「見方・考え方」を重視した教育実践を続けていきたい。