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「僕らの愛するハードコアを少し違う角度に」Sick of It All 物語②
2024年1月に7年ぶりの来日ツアーを開催するNew York Hardcoreの重鎮”Sick of It All”。来日直前のこのタイミングで、彼らがコロナ禍に出版した洋書、メンバーのKoller兄弟による正にSOIA物語な『The Blood and the Sweat: The Story of Sick of It All's Koller Brothers』をGETした、現在は通訳の仕事などをしている元nimベースのハヤトが、良かったらコレ和訳してみない?と話をくれたのが今回のキッカケです。
前回アップしたSOIA物語①も好評で何よりでした。彼らの活動初期にあたる、知られざるエピソードはNYHC史、ひいてはハードコアやパンクのクロニクルとしても貴重かと思います。今回②の内容は①の続きにあたりますので、引き続きお楽しみくださいませ。ちなみに本はAmazonなどで購入可能です。では宜しくお願い致します!
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▼ツアー後に癌が発覚したVo.LOUのドネーションは下記になります
和訳:Hayato(PMA ENGLISH LAB)
編集・校正:Erolin
Lou(兄、Vo.):
もしあの時、Craig(Ba.)に言われていなかったら延々とリハーサルスタジオで練習しているだけで終わったかもしれない。初ライブは僕、Pete(弟、Gt.)、ベースにMark Mcneely、ドラムはDave Lambだった。この頃からの曲でまだプレイしているのは「My Life」と「G.I. Joe Headstomp」だけかな。
当時のことはよく憶えている、Token EntryのメンツやSupertouchのMarkなどが観てくれていたんだ。明確に憶えているのはCause for Alarmのカバーを1曲やったこと。自分たちの曲のときは、客の反応がまばらな拍手があるかないかだったのに対して、必死で曲を覚えたCause for Alarmのカバーをやった瞬間は観客全員が爆上がりなんだぜ!それはもう激しかったさ。
Pete(弟、Gt.):
それからDaveとMarkは間も無くしてバンドを抜けてね。Daveは中国人だったんだけど、なぜか白人至上主義に目覚めてしまって・・・実際にヒットラーのポスターを部屋に貼ったりして、インターネットも無い当時に、新聞へ普及活動の手紙を送ったりしていたよ。そういった思想が俺たちには理解できなかったんだ。
Lou:
ただ、その数年後にBad Brainsとの初めてのカリフォルニアツアーでSpanky's Cafeでライブをしたとき、それまで急に音信不通だったDaveが、黒人の海軍を6人も連れて一緒に現れた時は驚いたな。一体何が起こったんだ?ってさ(苦笑)
Pete:
話は少し戻って、まぁ何だかんだで初ライブは終わったけど、ベースとドラムがいなくなっちまった。
Rich Cipriano(元 SOIA Ba.):
俺は彼らの初ライブにいたんだ。一緒に観ていた友人に「おい、ベース全然弾けてねぇじゃん」と言ったら、その友人が「だからお前に白羽の矢が立ったんじゃないか?」って言われて上がったよ。
Lou:
RichieとRest in PiecesのRob、それからCraigと、確かLudichristのChuck Valleが同じバンドに在籍していたんだっけかな、Smegma?ってバンド。そんな彼らもドラマー不在でどん詰まり状態だったから、RichieにSOIAでベースを弾いてくれないかと頼んだんだ。やる気は充分だったんだが、条件としてギターしか持っていないからベース本体を買ってくれたらなって言われた。
同時進行で当時Rest in Pieces在籍のArmandに、デモのレコーディング用でドラムを叩いてくれないかと頼み込んだら快諾してくれた。それ以降も、彼はそのまま残って叩いてくれた感じさ。そこから必死で曲を増やしていった。Peteが全作曲をして、僕が99%の歌詞を書いて、ArmandとRichieも少しずつ曲の断片を作り始めたんだ。
Rich Cipriano:
嘘みたいな話だけどDaveの在籍時、アイツは口笛で他のメンバーに曲を伝えて、作曲したりしていたんだ。「No Labels, No Lies(※No Labelsの原曲?)」はアイツの口笛で出来た曲さ。
Pete:
当時の数曲をレコーディングして、デモを作ってSome Recordsで売り始めた。そのレコード屋はCBGB'sのすぐ近所にあったんだ。日曜日にショウがあったりすると、バンドの合間に皆こぞってそのレコード屋に行っていた。
最初は10枚、日曜にマチネのショウがあったらその日で即完。そしてまた納品、それを繰り返して100枚納品にまで増やしても、すぐまた売り切れたんだ。NYHCのシーンが大きくなり始めたちょうどその時だった。シーンに入りたての奴らにとって、新しいバンドの俺たちはちょうど良い存在だったんだろうな。
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Lou:
そう、皆が興奮していた様に思う。それはただ僕らがフレッシュで新しいバンドだからという訳ではなく、NYの人々が好きだった音楽がアップデートされた音を鳴らしていたからなんだ。
Agnostic Frontの「Victim in Pain」の曲を聴いて僕らなりの解釈で出来たのが「My Life」なんだ。それは「Victim in Pain」っぽい音ではないけれど、当時は必死で真似をしようとした。僕らの愛するハードコアを少し違う角度にもっていった。それが皆んなを興奮させたのだと思う。
あと、デモテープのジャケットも気に入ってもらえたみたいだよ。当時アニメのCalvin and Hobbesが大好きで、世界のことが大嫌いだった。Calvinがバットを振っている絵を発見して、俺が地球に向かってバットをぶん回せたらなってとこから、ああなったんだ。
Pete:
もしかしたら俺たちが中流階級の家庭出身ということも、共感を得られた要因なのかも知れないな。それが"ストリートでタフに生き抜いてきた"ことを表そうとするイメージとは少し違うから。
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俺たちのファンはそんな同じ境遇の人間が多い。例えば「Survival of the Streets(Cro-Mags)」に心からは共鳴出来ないような。ただ世界の情勢とかに苛立ち、怒りを覚える感覚に共感をしてくれたんだと思う。
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■SICK OF IT ALL JAPAN TOUR 2024
![](https://assets.st-note.com/img/1705289866819-gwJ59FYJSC.png?width=1200)
::1/18 (THU) TOKYO DAIKANYAMA @ UNIT::
w/ NUMB / COCOBAT
OPEN 18:00 / START 19:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://www.unit-tokyo.com | 03-5459-8630
::1/19 (FRI) NAGOYA @ RAD HALL::
w/ FACECARZ / BEYOND HATE
OPEN 18:30 / START 19:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: http://rad.radcreation.jp/hall/radhall | 052-253-5936
::1/20 (SAT) OSAKA @ YOGIBO HOLY MOUNTAIN::
w/ T.J.MAXX / NODAYSOFF
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://selebro.co.jp/holymountain
::1/21 (SUN) TOKYO SHINJUKU @ ANTIKNOCK::
w/ LOYAL TO THE GRAVE / ETERNAL B
OPEN 17:30 / START 18:00
ADV 7,000YEN / DOOR 8,000YEN
Ticket: bloodaxefest.thebase.in | e+[eplus.jp]
Will Call for international customer: info@bloodaxefest.jp
Venue Info: https://www.antiknock.net | 03-3350-5670
■Total Info
https://bloodaxefest.jp/baxetour/sick-of-it-all-japan-tour-2024/