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B Side Approach シングル2作同時リリース記念ショートレビュー『Fuck Around The Clock』&『The Emperor Has No Clothes』

奈良/大阪 from SMDcrewのB Side Approachがシングルを2作同時(!)配信リリース、サックスのメンバーAyaka氏が正式加入して初となる音源になります。
リリースはB Side Approach×横浜BayonetsとのSprit盤『Bastard BluesもリリースしていたBack Yard Recordsから。
異常に細かな線描&点描で力のこもった意味深ジャケットは2作ともDaichang55氏。
B Side Approach以外にも多数のSMDcrew関連アートワークを手掛けています。

特筆すべきはサウンド面で、上記したBayonetsとのsplit盤でも顔を覗かせていたルーディーな大人のパーティーハードコア、その面がサックスの加入もあってさらに加速した仕上がりとなりました。
結成25年を目前に、ここにきて国内では唯一無二のスタイルになったのではないでしょうか。
あと10000歩くらい間違ったらメチャクチャ売れてしまうかもしれません。

▼『Fuck Around The Clock』

▼『The Emperor Has No Clothes』


B Side Approachは以前から一部のボストンハードコア(Blood For Bloodなど)をはじめとする、Oi/Skinsの感触などをもったバンドとして活動を続けていましたが、いわゆるメタリックなNY派生のハードコアスタイルからの卒業?脱却?を図るべく近年は模索を重ねている部分もありました。

思わず拳の上がる猛烈な勢いや、いかにも男臭いシンガロングパートなどは持ち味の一つでしたが、それらに加えてビールの似合うブルーカラーの週末パーティー感や背中で語る哀愁感、あと僅かなヌケ感というか良い意味でのロックンロールのポンコツ感のようなものも、ギターやドラムなど現在の編成に至るまでの緩やかな楽器隊メンバーチェンジを含めて徐々に兼ね備えていったように思います。

そういった過程でチャレンジともいえるサックスの導入、こちらは先述したBayonetsとのsplit盤に収録されている『Mankind』の後半パートにて大胆にフィーチャーしたパートを初披露しており、時を同じくしてライブでは既存曲にもサックスパートを取り入れる場面が多くなっていきました。

▼『Mankind』※Bayonetsとのsplit盤収録


ちなみに日本のハードコアバンドではColored Rice Menや一時期のNightmareなどにサックスのメンバーがいたことなどはありましたが、いずれもパーティーな感触というよりはPainkillerに近いようなアヴァンギャルドな取り入れ方をしていたように思います。
しかしとりわけNY派生のハードコアやメタリックなハードコアといったスタイルのバンドでは、かなり異色といっても過言ではありません。
有名なハードコアバンドではMurphy's Lawが管楽器のメンバーを取り入れて活動していますが、やはりこれも珍しい編成であるのは間違いないかと。

そういった中、今回のシングル2作では遂にそのサックスパートを全面的に導入。
あらためて楽器としてサックスのもつ中音~低音の響きが独特で面白いことや、バンド全体として立体感が増して奥行きの出た感触があること、さらに何より聴いていてワクワクするし楽しい!という、B Side Approachの根本的な魅力の部分がグレードアップされていて本当に最高だと思います。

そしてサックスにも耳を引かれますが、Conservative Military Imageなどを筆頭に、いま世界で静かな盛り上がりを見せている、ハードコアとも強く共鳴するネオなOi/Skinsやストリートパンクなどのシーンにもタッチしたサウンドへ進化しているのも推しておきたい点の一つです。
USやUKの分け隔てもなくいえば、古くはBlitzBusinessYouth Defense Leagueなどなどから脈々といったところですね。

過剰にメタリックなわけではなく、ただしかし絶妙にタフで熱い(あとガラの悪さも重要)。
USやUKをはじめとしてそれぞれ色はありますが、今の時代になると各地域のバンドが柔軟に様々な地方や年代のスタイルをミックスさせており新鮮だなと思って各方面の音源もチェックしています。

従来のハードコアラバーの皆さんはもちろん、新旧のOi/Skins、パンクスの方々、さらに老若男女のライブキッズたちをも巻き込んでブチ上げられる可能性をもって華麗にプチ復活したB Side Approachを是非チェックしてくださいませ!


■B Side Approach

Vo. Shoya
Gt. T
Gt. Boston-U
Ba. Masato
Dr. Oka
Sax. Ayaka

奈良/大阪発、NY経由ボストン行きホットロード爆走型ハードコアパンクB Side Approach from SMDcrew!
2000年代初頭から活動開始。
HARDCORE BREAKOUT~SMDcrewという関西におけるNYHCスタイルの系譜を継ぐ、数少ないバンドの1つでもある。

80~90'sのNYHCやボストンのHC / Punk / Oi /Skinsなどを軸に据えつつ、往年のJapanese Hardcoreが武器とする猛烈な勢いや、Thrash / Crossoverの要素もふんだんに注入し、骨太なビルドアップ感とドライブ感を黄金バランスで両立。
袖切りGジャン以上~鋲ジャン未満のサジ加減、マーチンのブーツの紐を硬く結び、サスペンダーを腕ごと振り回しながら粉塵を撒き散らしていくタイプのサウンドは、新旧のハードコアパンクスとスキンズたちをも巻き込む魅力でライブハウスを充満させる。
近年はサックスの加入など、これまでと違ったアプローチも見せており、単に明るいだけはない、パーティーハードな側面を新たに模索中。

For Fans of:Blood For Blood / Wisdom In Chains / Gang Green/ Poison Idea /Agnostic Front / Murphy’s Law / Sheer Terror / Breakdown / Lip Cream / Rocky And The Sweden / Conservative Military Image /
Stomper 98 / Liberty and Justice / HCBOcrew…

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