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「鮨 あい澤」相澤博久親方インタビュー
今回は、渋谷で評判の寿司店「鮨 あい澤」のオーナーであり、寿司職人の相澤博久さんにお話を伺いました。相澤さんは、長い修行を経て、2011年に自らの店を開店。その独自のスタイルと真摯な姿勢で、多くの寿司好きから支持を集めています。今回のインタビューでは、相澤さんのこれまでの道のりや、寿司への情熱、そして「鮨 あい澤」開店に至るまでの経緯についてお聞きしました。相澤さんの話からは、職人としての努力や精神が感じられ、寿司という世界の奥深さに改めて触れることができました。どうぞお楽しみください。
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イッコー: 今日は、寿司の世界で名を馳せている相澤さんにお話を伺いたいと思います。相澤さん、まずは自己紹介をお願いします。
相澤: はい、相澤博久です。東京の青梅市出身で、幼少期はかなり変わり者だったと思いますね。両親は銀行員で、家族も厳しかったんですが、私はその型にはまるのが嫌で。
イッコー: なるほど、ちょっと反骨精神があったわけですね。具体的にどんなことをしていたんですか?
相澤: 小学校の頃から、ランドセルを背負わずに通学していたり(笑)。流行っていたトレンディドラマに影響されて、中学からは私立に通い、アーチェリーを始めたんですけど、元々は弓道をやりたかったんですよ。
イッコー: 和の精神が好きだったんですね。それが後の寿司にも繋がっていくわけですね。
相澤: そうです。アーチェリーは弓道に似ているから始めたんですけど、途中でちょっと道を外れて、色々なことに関わるようになりました。親も最初は「まあ、そういう時期もあるだろう」と思っていたみたいですが、だんだん本格的に悪さをしてしまって…。
イッコー: それ、どうやって乗り越えたんですか?
相澤: 高校に進学するタイミングで、もう一度自分を見直して、友達と距離を置くことにしました。まぁ、勉強は全然ダメでしたけど(笑)、自分を取り戻すために少しでも真面目にやろうと思って。
イッコー: それで、最終的には大学に進学したんですか?
相澤: 大学受験をして浪人生活を送りました。その時、バイトとして飲食店で働くようになったんです。これがきっかけで、料理の世界に興味を持つようになりました。
イッコー: そのバイトで自分の中で「これだ!」と思った瞬間があったんですね。
相澤: そうですね。お客さんが食べてくれる姿を見て、すごく感動したんです。勉強では結果が見えないけど、料理は目の前で反応がある。それがすごく楽しかった。
イッコー: 料理の魅力にハマったんですね。そして、最終的には寿司に辿り着いたと。
相澤: はい。日本料理の中でも、シンプルに魚と米だけで成り立つ寿司に魅力を感じました。当時はイタリアンブームの時代でしたが、寿司の方がシンプルで、奥深さがあると思いました。
イッコー: 寿司の世界を選んだ理由がすごくシンプルですね。専門学校に通いながら、どんな気持ちでしたか?
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相澤: 専門学校に入るときは、もう寿司を作りたいという気持ちが固まっていたので、他の料理を学んでいる学生とは違うプレッシャーを感じていました。実習では、常に前に出て、一番熱心にやっていました。
イッコー: それはすごいですね。専門学校卒業後、いよいよ本格的な修行が始まりますが、どんな修行だったのでしょう?
相澤: 20歳で、学芸大学の「すし屋の芳勘」という寿司屋で修行を始めました。真面目な親元を離れての寮生活が凄く新鮮で。修行が厳しい分、やりがいも感じましたね。
イッコー: そこで、さらに自分を鍛え上げていったわけですね。
相澤: はい。最初は先輩にいじめられたりもしましたけど、それも覚悟の上で行ったので。むしろその経験が、今の自分を作り上げてくれた部分もありますね。
イッコー: 結局「芳勘」にはどのくらいいたんですか?
相澤: 10年いました。修業は10年でひと括りだと思っていたので。最初は修業先のような街場の寿司屋を開きたいと思っていたんですが、高級路線もいいなということで、その後は六本木の「鮨 なかむら」に入ります。
イッコー: ミシュランを獲得したお店ですね。そこで3~4年経験されてから独立されていますね?
相澤: はい。14年くらい修業してきたので、タイミング的にもそろそろかなと。
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イッコー: 独立は物件とお金を借りることが先決ですが、すんなりいったんですか?
相澤: 親が銀行員ということで役得もあって、融資のアドバイスはけっこうもらいましたね。
イッコー: 晴れて2011年4月1日、「鮨 あい澤」オープンですが、震災の年ですよね?
相澤: はい。ですが、色々考える時間ができて、自分としてはよかったです。考えた結果、今のスタイルになったので。
イッコー: なるほど。この場所って渋谷駅から少し離れているので、まさに「鮨 あい澤が食べたい」って人が来るようなターゲットですよね。やっぱりリピーターも多いですか?
相澤: そうですね。おかげさまで(笑)。だけど10周年を迎えた時に、またコロナ禍になってしまい、今後は10年に一度は何かあると思って、お金のことも考えていかないといけないと思いました。
イッコー: ありがとうございました。他に何か付け加えることはありますか?
相澤: いえ、僕を泳がすと余計なことしか言わないので、大丈夫です(笑)。
イッコー: 本日はありがとうございました!