トヨログ×TERIYAKI浜崎龍対談
#1 年間2000軒まわってるトヨログ流店選び
浜崎:こんにちは、TERIYAKIの浜崎です。今回は、TERIYAKIの新しい試みとしてテリヤキストの方へインタビューを行っていきたと思います。今回第一号は、年間2000店ほど食べ歩いているというトヨログさんに方に来ていただきました。
トヨログ:“トヨログさん”っていう言い方が面白いな(笑)よろしくお願いしますー。
浜崎:さっそくですけど、最近地方はどこへ行かれましたか?
トヨログ:もう毎週行ってるからどこっていうのが難しいけど、今年一番行ってるのは愛媛が多いかもしれないね。
去年までは47都道府県全部行ってたけど、別に全部行く必要あんまりないかなって。行きたいところ行こうと思って。
あと、あまり行ってないような市区町村へ行きたいなと思って。中心地じゃないところとか結構行ってるかもしれない。
浜崎:どうやってお店の情報って年間2000軒も行ってて調べたり管理したりとかされてるんですか?食べるのは気合いと根性だと思うんですけど(笑)
トヨログ:まあ浜ちゃんも一緒だと思うけど、結局勝手に結構情報入ってくるじゃん。いわゆるTERIYAKIのコミュニティもそうだと思うし、一緒に食べに行く人とかのコミュニティとかからご飯行ったりすると、「あそこ行った?」とか、LINEとかでも「新しいお店オープンするらしいよ」とか。
この前も浜ちゃんに連絡したけど「レセプションあったりするよ」とかで、新店情報とかは結構入ってくるかなっていう。
あとは地方とかだとそんなに食べてる人が少なかったりするし、東京、京都、大阪とかその辺りは結構食べる人も多かったりするよね。
情報網とかコミュニティ以外の都道府県となると、そこへ行って好きなお店見つけて、そこのシェフとか大将に聞いてっていうのが多いよね。
浜崎:なるほど。
トヨログ:一緒でしょ、浜ちゃんも。
浜崎:まあ僕もそうですね。
トヨログ:結構食べてる人たちってそこの情報が一番なんじゃない?
あんまりメディア見るとかって少なくない?入る前とか行く前に 一応メディアで一応確認はしておくけど。
浜崎:僕はもしやるとしたら、地方の時は特に地方の地方紙とか雑誌は買うようにしてます一応。
それに載ってるものって意外と見たことがないものがあるし、まあミシュランは色々と有名店が多いから、ゴエミヨさんとか見て「意外と地方でまだこんな店あったんだ」って時はあるから、たまにちょっとチラ見する。
まぁ、僕も基本は人からの紹介か、シェフからの紹介がほとんどかなと思ってますね。
トヨログ:どこで出会うかが大切だよね。自分の好きなレストラン行って、たまたま隣に来てたご夫婦ってさ「結構地元で色々行ってます」みたいな人がシェフと話てたりすると、結局三角形の会話になってさ。
「あそこのお店すごく良いのでぜひ行ってみてください」とか、はじめましてだけどそういう情報くれたりとかするから。
やっぱシェフとの関係を持ってるとお店に来てる人とかと繋がりもできたりして、やっぱり地元の人の情報って僕の中では強いかな。
メディアとか全国食べてますっていう人よりも、やっぱ地元にずっといる人からの方が意外と知られてないお店が出てくるね。
浜崎:地方はそうですね。だからパイオニア的な感じでどんどん食べ歩いてる人はいるけど、ほとんど食べ歩いてる人ってメディアを参考に色んなお店をポンポン行くことが多い中、何もないところをかき分けて行くようなタイプですからね。
勿論当たりの時もあれば、外れることもあるけども。
トヨログ:まぁそうだね、外れるっていうのは難しいけど、食べてるお店が増えてくると、そこの当たりっていうラインは上がってくるからさ。
だから地方ではすごい騒がれてるけど、やっぱり東京で食べてる人には物足りないとかあるし、逆に地方でしかない食べさせ方とかは郷土料理とかもそうだと思うけど、食材もそうだよね。
そういうのは、東京には無いなっていうのが面白かったりするから、洋食とかは意外とあるし、和食も伝統的な郷土料理とかも含めてだけど、そういうのはそこの土地に行かないと食べれないっていうのがある。
逆に東京に出てるのは意外とチープだったり東京にカスタマイズされちゃって、地方の良さっていうのが無くなっちゃってるっている事もあるからそれは面白いなと思う。
#2 生産者・漁師さん・大将の繋がりから得られるもの
浜崎:ちなみにもうちょっと具体的に地方で最近巡ってここ良かったなっていうお店はありますか?
トヨログ:愛媛の松山の「馳走屋河の」さん。
浜崎:まだ行ってないです。
僕は愛媛とか四国に行く機会が無くて、でも今年は後半行こうかなとは思ってますけど。
トヨログ:これも情報は結局は東京のレストランから。
西麻布の「蒼」の峯村シェフ から漁師の藤本さんのお魚がメニューに出てきて。
「めちゃくちゃ美味しいですねこの魚」って言ったら藤本さんを紹介されて。
もちろん藤本さんは色々なところで活躍されてる漁師さんで、そこから「愛媛松山にこんなレストランあるよ」って教えてもらって初めて訪問したの。
そしたら藤本さんも「トヨログ行くから今日漁頑張るわあ」って言ってくれて。
日によってブレはあると思うんだけどやっぱり生産者・漁師さん・大将が密接に繋がってたりすると場所を超えてそういう繋がりから「最高の魚出します」っていう漁師や「最高の料理出します」っていう職人とかがいて、なんか「初めまして」なんだけど「初めましてじゃない」っていうね。
やっぱり一見さんとして行くのもそれはそれで楽しみはあるんだけど、そういう繋がりがあったりすると「東京からわざわざ来るんだったらこういうの食べさせたい」って言ってくれたりするから嬉しいよね。
僕は一回目にハマっちゃって、もう4回行ってるのかな。ほとんど東京から連れってるしね。
浜崎:予約は取りづらいお店なんですか?
トヨログ:どうなんだろう。でも週末とかは地元の人が多かったりするし、僕が初めて行った時も「10年通ってます」っていう常連さんが隣にいたよ。
とりあえず松山でそこそこの金額の中で、食べ手に選ばれるお店だと思う。
東京とかのお店に比べたら予約は取りやすいし、今は2、3ヶ月に1回行こうと思ってるから、行ったら次の予約取ってみたりしてる。
まぁ半年後とか一年後ってそういうお店があっても良いと思うけど、季節によって春に行きたいなとか思ってても、「次に空いてるのは秋です」ってなっちゃう事もあるから。
浜崎:確かに。僕らは食べ続けてるから半年後の予約が入ってもあまりルーティーンで入ってしまうから問題ないけど、普通の人はそれって大問題だなって思うことが最近思う。
#3 グルメコミュニティから情報を得るメリット
浜崎:トヨログさんが言ってくれた通り、お店の情報はお店の大将と仲良くなって紹介してもらうのが一番濃い原液的な部分が貰えると思うんだけど、一般の人ってそこまでお金も時間も割けませんっていう人が多いはずだからそういう人ってどうしたら良いんですかね?
トヨログ:でもさ、近くには絶対これだけグルメとか流行っててTERIYAKIもそうだし食べログとかのメディアへの興味関心具合は上がってると思うんだよ。
となると周りに感度が高い人がいるからそういう人をいかに捕まえるかじゃないの?あとは、TERIYAKI美食俱楽部に入れば良いんじゃない?(笑)
浜崎:TERIYAKIアプリは今掲載してるお店が全国で4000店くらいあるのかな。まぁ美味しいものを求めてくるんだったら見てもらえれば。
トヨログ:まぁテリヤキストは食べてるけどさ、TERIYAKIの中に入ってる人で食事会とか行かせてもらうけどサロンメンバーの中にも実はすごい人いるじゃん。
そういう会に行くだけでも、1人繋がれれば好きなお店が一個でも同じだったらそこから会話が広がっていくっていうのが起きてると思うんだけど。
そういうお店に行きたいなって人はそういう人を捕まえるっていう。
別にテリヤキストじゃなくて良いと思うんだけどさ、そうすれば良いんじゃないかなと思うけどね。
浜崎:とりあえず初めての人とかはTERIYAKIなり、食べログなり、ミシュランでも何でも良いけど、お店の人と喋ってお店の人と仲良くなって、仲良く隣の人と喋って…をどんどん増やして仲良くなるしかないってことですよね。
トヨログ:まぁそうだね。本当に色々行きたい人はね。
別に色々行きたいって人とさ、好きなお店だけに行きたいっていう人とかもいると思うから、食の楽しみ方は人それぞれだと思うけど。
僕はどちらかというと飽きやすいっていうのがあるから。
もちろん好きなお店はずっと通ってるところはあるけどね。
月1くらい行ってるのは前に紹介した代々木公園の「礼讃」。
月1くらい行ってるお店もあれば、年に1回地方だから行けたらなっていうお店もあるし、逆に合わないなっていう店もある。
浜崎:ちなみに脱線するけど、昨日紹介した松見坂の「小林」は結局安かった?
トヨログ:結構飲んだから分からないんだけど、あれだけ飲んであの金額だったら安いって思う。
食材はもちろん。そこに対しての仕事の感じは僕はすごい好みだった。
あの金額帯で東京の中心に置くっていうのでやってるお店っていうのがすごいね。
浜崎:本来は流行ってもおかしくない店なんだけど、もうちょっとフォーカスされてもいいくらいだね。
トヨログ:どうなんだろうね。まぁ流行らせたいとか流行らせたくないとかは分からないんだけど、昨日来てたお客さんの客層とかはすごく良かったよ。なんで僕は新しいお店行くのかっていうと、行かないと分からないじゃん結局。
食べログとかTERIYAKIとか見てても、雰囲気はなんとなくわかっても大将の人柄とかさ、料理とかも写真だけだとどこまで仕事してるかとかは食べないと分からないし。
あと隣にいる人たちがどういう人が来てるのかみたいなところも結構見てる。
店の雰囲気や、地元で愛されてるのか、常連さんに愛されてるのか、食べ手のフーディみたいな人がいっぱい来てるのかとか。
昨日は行ってみてすごい感じも良かったな。
結構ご年配の方たちが常連さんで、もう帰りも来月とかの予約とかも取ってたし、そういう人たちで回ってるんじゃないって思うお店だと思う。
浜崎:まぁ良かったです。
トヨログ:まぁ渋谷からちょっと距離あるけど、渋谷で良いお店っていうのも結構聞かれることが多いけど、すごい悩むじゃん。
浜崎:あそこって最寄駅どこになるんだ?神泉とか?
トヨログ:神泉か駒場東大前じゃない?まあ神泉だよね多分一番近いのは。
浜崎:何もないエリアだからね。
トヨログ:そうそう。でも逆に住宅地というか、落ち着いたところで僕は味とかも含めて好みだった。
料理の感じとかの流れもそうだし。浜ちゃんもそうだと思うけど、〆のご飯とかこの時期とかって被るじゃん。どこかのとうもろこしとかさ。
浜崎:被りますね。大体食べる前に分かっちゃうみたいな。
トヨログ:でも昨日は結構違くてさ。僕結構好きだったな〜。
#4 今後オープンする店が流行るには?
浜崎:今のお店についてはどう思います?
トヨログ:あれでしょ、流行るお店と流行らないお店じゃないけどさ、集客とかってさ今やることって幅あるじゃん。でも何が正解か分からないみたいな。
TERIYAKI Bookingに載せることが正解なのか、OMAKASEに載せることが正解なのかさ、予約システム然りそうじゃん。
食べログもあるしさ。あとはインフルエンサーマーケ?
浜崎:インフルエンサーマーケもあるし、それぞれの持つ志のゴール地点が分からないと、HOW TOはいくらでもあるから、お店側のゴールを決めないといけない気がする。どういう店をやりたいのかとか。
で、仮にですよ、ミシュラン二ツ星、三ツ星を獲りたい、世界のベストレストラン50 とか、いわゆる「有名な賞を獲る」っていうのを目指しているお店がいるとしたら、どういう戦略を踏んでいったらいいんですかね?
今からオープンするとしたら。
トヨログ:分からないな。それはムズイな。逆に浜ちゃん教えてよ。一番近い、そこのゴールに近づくためのっていうことね。
浜崎:そう。例えば、「食べログの点数を4点以上にしましょう」っていう、どこまでこういう話に触れていいのか分からないけど、まぁ食べログのレビューを書いている人たちはさっき言ってた通り、食べ歩いている人は周りにいくらでもいて、その人たちを最初の段階で連れて行って呼んだりとかしてね。
そこで点数を思った通りのことを書いてもらうと、比較的上がりやすい傾向にはあるかなと思う。料理の話で言うと、テーマ性のあるレストラン。
「うちの店ではこういうものを作っているので良かったら味わってください」っていうお店としてのテーマ。プラス、スペシャリテっていうのが必要な条件かなって感じますね。
トヨログ:うんうん。記憶に残らないとね。
今言っていた後者のことで言うとね、やっぱり記憶に残らないと。
まぁミシュランとかなってくると色々とお店の接客やサービス部分の評価が出てくるから料理だけじゃないと思うんだけど、何かしらそのレストランに行っての体験とかがあったりして、わざわざ遠くからでも国をまたいでも足運んで行きたいなと思う光るものがないとやっぱり紹介はしづらいし、星も与えずらいと思う。
浜崎:まぁ一番最初にこれという一品を、それを作るのが難しいんだけど。
まぁミュージシャンで言うとヒット曲を作ることに時間と労力をかけた方が良いのかなと思うし、それがあるからミシュランからずっと三ツ星を獲得しているカンテサンスは評価された訳で、ババロアがあったり、デザートも美味しいしパンも美味しいしとか。結構アグレッシブなチャレンジするものがたまにあれば、王道なものも出てくるし、そういうのもあるから凄いなと思う。
トヨログ:うんうん。まぁわかりやすいゴールというか、一つのアイコンというか星とか食べログのゴールドとかシルバーとかというのは、やっぱり食べてる僕らとかはそこだけは勿論行かないし一般的には美味しいものを食べに行きたいなと思うと、そういうところが一番出るじゃん。
周りでも食べログの金とか銀とか百名店とかさ。やっぱり「百名店だから行きたい」とかそういった基準みたいなものがあるっていうのは強いよね。
浜崎:まぁそうですね。みんながみんな僕らみたいにアグレッシブに料理を突き詰めて年間何百食も食べてますっていう人たちじゃないはずだから。
その中で有象無象とある中で、イタリアンで選ぶとしても、点数が4点超えてるとかを選ぶのは普通ですからそれが。
トヨログ:そうだね。でもそういう星とかメダルを獲ってないけど常に埋まってるお店ってあるじゃん。
浜崎:あれってなんでなんですかね。
トヨログ:お客さんの質が良いでしょ、確実に。そう思う。
インフルエンサーマーケとかには良い所もあれば悪い所もあるなと思っていて。
「インフルエンサー」っていう定義が難しんだけどさ、結局常連さんが少ないながらも周りの友達を連れてきたりしてっていうのもインフルエンサーじゃん。
いわゆるインスタでバーっと広めてっていうのもインフルエンサーだし。
結構それは一長一短あると思うんだけど。
薄いフォロワーとか薄い紹介みたいな感じになると、一回はもしかしたら行ったりするかもしれないけど、その人たちが2回目行くかっていうとそうでもないし。
ちゃんとお店のことを愛してくれて、じゃあ若い大将だったら応援しようとか、ベテランでもこのお店のことを大事にしようとかっていうのって「自分の好きなお店」だから大事にしようっていうのはあるじゃん。
コロナ禍で助けたようなお客さんもいたと思うんだけどさ。そういう人を捕まえられるとさ、その人が連れてきた人が更にまた連れてきてその人ってどんどんリピートするから、席数とかお店にも寄るけど、何百人とかいればそれだけで回っていくし。
予約は1ヶ月先しか取ってないよって言えばそこの人たちだけで埋まっちゃって、新しい人たち入ってこないっていう。
それは良いか悪いかは分からないにしても、それでずっと続いてるお店、長く愛されてるお店っていうところは、僕はそれはそれで素晴らしいって思うし。
浜崎:はい。ここまで色々なお話をお送りしてきましたが、という感じで良いんですかね?
以上