#28.メロディをおいしく歌うと歌が生まれ変わる‼️
昭和歌謡の中には、素敵な曲がたくさんあります。お客様のカラオケで覚えた曲も、改めてレッスンで譜面を見ると、間違って覚えていたりして、「こんなにもいい曲だったのか!」と感嘆する事が多々あります。
生え抜きショークラブ現役シンガー、平山照理(ひらやまてり)です。
昭和歌謡の良さが見直されている昨今、メロディの美しさと日本語の伝わりやすさに、しみじみ感動します。
最近、生徒さんのレッスンでとりあげたのが「雨が止んだら」朝丘雪路さんのヒット曲。
幼心に「悲しい歌なのかな」となんとなく感じていた通り、別れたその時を歌っています。
この時代では、よくある曲構成となっています。A-A’-B-A’というメロディスタイルです。
歌詞をみてみましょう。
A
雨がやんだら お別れなのね
二人の思い出 水に流して
A’
二度と開けない 南の窓に
ブルーのカーテン 引きましょう
B
濡れたコートで 濡れた躰で
あなたは あなたは
誰に誰に 逢いに行くのかしら
A’
雨がやんだら 私はひとり
ドアにもたれて 涙にむせぶ
1番はたったこれだけです。
それなのに、場面がありありと見えてきます‼️
サビはBで、その中でも1番言いたいのは、終わりの
「誰に誰に逢いにゆくのかしら」です。
ここが1番伝えたいところ。
さらっと歌うとおいしくないし、伝わりません。
太文字になっているところに、アクセントをつけて歌いながら、クレッシェンドします。
「だれに だれに あいにゆくのかーしーら」
そのアクセントを圧力釜を使ってつけると、完璧です!
「ゆくのかー」が一番ボリュームがでるように。
さらっと歌ったものと比べてみてください。
とたんに、生き生きとしたメロディになったと思います。
このようにアクセントとボリュームでおいしく歌う方法に加えて、
ビートを出して歌う方法もあります。
Bのメロディの
「濡れたコートで 濡れた躰で」のところをビートを感じて歌ってみましょう。
「ぬれたコートでーー、ぬれたからだでーー」この「ぬれた」の部分を、「れ・た」と、コートの「ト」を短く切って歌ってみましょう。
「ぬーレ タ コートでーー」
次も同じように
「ぬーレ タ かーラ ダでーー」
こう歌うとおいしくなります。
昭和歌謡をじっくり聞くと、おいしく歌うテクニックが満載です。
アクセントと強弱、ビートを感じる歌い方を、意識して真似してみましょう。
思わぬ発見があるはずです。