京都企業を知ろう
京都ってどんなイメージですか? お寺に神社、春の桜に秋の紅葉、祇園祭に五山の送り火、といったところでしょうか。では、京都企業と言えば?
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
京都出身でもないのですが、ビジネスの観点で京都を見たときに感じる独特の雰囲気に以前から興味を持っています。
そこで、日本を代表する京都企業の顔ぶれから、その特徴を見ていきます。
時価総額トップ200に入る京都企業
日本企業の時価総額ランキング(2023年9月19日現在)で、京都府に本社を置く企業は200位までに8社入っています。
この8社は、多少の例外を無視してやや乱暴にまとめると、以下のように表現できます。
これを分解して見ていきましょう。
京都企業の特徴
30歳前後の技術者による起業
各社の創業者と創業時のおおよその年齢(創業年-誕生年)は次のようになっています。
SGホールディングスの佐川清さん以外はだいたい30歳あたりが中心で、皆さん技術者ないし職人です。
第二次大戦後に発展
次に、創業したのはいつごろでしょうか。
1945年に日本が敗戦を迎えてから20年以内に設立されている会社が多いことが分かります。
その前に設立されていた村田製作所やオムロンも、1945年当時はまだ中小企業。
島津製作所だけが別格で、戦前から日本にX線撮影を普及させたり、海外進出も果たすなど、存在感を示しています。
グローバル企業
佐川急便のSGホールディングスを除き、売上高の過半数を海外の顧客に対して計上しています。
村田製作所、ニデックは日本企業の中でも特に海外売上高比率が高い企業です。
この中では島津製作所の56%は見劣りしますが、日本企業平均38.5%(国際協力銀行調べ)に比べるとかなり高い比率になっています。
メーカー
SGホールディングスを除く7社は、ファブレスも含めると製造業。
日本の時価総額19位までの企業の顔ぶれを見ると(上位20社から、任天堂を除く19社)、19社中製造業は7社だけです。
製造業以外の12社の内訳は、三菱商事など商社が3社、NTTなど通信3社、金融がMUFGとSMFG、さらにファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、オリエンタルランド、リクルート。
京都へのこだわり
今度は日本の時価総額19位までの企業を先に見てみましょう。
19社のうち、首都圏以外にルーツを持つ企業は8社あります。
8社のうち6社までもが、首都圏に本社を移転するか、登記上の本社を残して実質的に移転しています。
結局、地方でがんばっているのは愛知のトヨタと大阪のキーエンスのみ。
これに対して、京都の8社はみごとに京都にとどまっています。
本社機能の一部を東京に移転することはあっても、あくまでも本社は京都。
京都へのこだわりが強いというべきか、あるいは京都から出ようものならとんでもない目に遭うのか…… ほかの京都企業でも、東京などに移転した会社が思い当たりません。
おわりに
本当は時価総額上位200社(あるいは150社)を全部分析し、さらに京都以外の地方企業(特に大阪企業)を詳しく見ないことには、京都企業の特徴を断定的には言えないですが、ここで書いたことと大きくは違わないと思います(おおざっぱですみません)。
京都企業がどうしてこうなのか、についてはいろいろ言われていますね。
京都大学、同志社大学など高等教育機関の日本有数の集積地であったことと、第二次世界大戦中の空襲被害が少なかったことがよく挙げられます。
ここで取り上げた8社のうち一番若い企業は1973年創業のニデック。
その後に京都発で時価総額200位に入るような企業が現れていないということです。
京都をスタートアップの街にするべくさまざまな活動が行われていますので、世界を席巻する新しい企業が登場することに期待しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま
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