【祝・合格🎊】会計士論文式試験合格者の皆さんに伝えたい3つのこと
論文式試験に合格された皆さん、おめでとうございます! 34年前に合格した私から、僭越ながら皆さんにアドバイスしたいことが3つあります。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。
今年、久しぶりに論文式試験の問題を見たんです。全科目、一通り目を通して確信しました。こんなの難しすぎて絶対に無理。
そんな試験に打ち勝ち、見事合格を勝ち取られた皆さん。すごいです。おめでとうございます。
てりたまが合格した朝
受験生時代、私は合格発表の朝をイメージしながら受験勉強のモチベーションにしていました。
こんなイメージです。
①監査法人から合格を知らせる電話を受ける
②当時つきあっていた彼女に電話で報告する
③彼女は「よかったね」と言ったまま感極まって泣く
インターネットなどない時代。合格発表は財務局に張り出されるのを見に行くか、官報を入手するか、しかありません。
財務局に見に行く受験生もいましたが、不合格時にメンタルが維持できる自信がないので行きませんでした。
バブル末期の当時は空前の売り手市場。受験生が意思表示さえすればどの監査法人にでも入れました。面接なんてありません。
受験生は、合格発表前に法人説明会に行ってどこに就職したいか心の中で決めておきます。そして合格発表の朝に監査法人からじゃんじゃん電話がかかってくる中で、意中の法人に対して「お願いします」と言うことになります。
さて、1989年、合格発表の朝。
前の日からなかなか寝られず、ぼんやりしていたときに電話が鳴ります。
想定以上に早かったので、そのとき思ったのは「紛らわしいときに、電話してこないでよ」。
電話を取ると「おめでとうございます!」。うわの空で電話の声に集中できないまま、頭に浮かんだのは「間違いなんじゃないの?」
その後は受話器を置くと電話がかかってきて応答するしかない状態が何社か続く。
ようやく電話が途切れたすきに彼女に電話。
「よかったね」のあと言葉につまって……とイメージしていたとおりになりました。
ちなみにその彼女が今の妻です。
合格者に伝えたい3つのこと
昔話はともかく、これから明るい将来の待っているあなたに伝えたいことが3つあります。
これまで私が新人スタッフに言ってきたことです。
一年目は無我夢中でよい
合格した今は、モチベーション高く、勉強したい、成長したいという意欲が高いと思います。
また、英語などを勉強しないと、と焦る気持ちもあるでしょう。
でも、大丈夫です。目の前の仕事や補習所での勉強から、目いっぱい吸収することで十分に成長できます。
どんな仕事でも、慣れないうちは体力を使います。
論文式試験合格者の場合はさらに補習所もあるので、一日が終わると相当疲れます。そこから勉強、と言っても能率は上がりません。
それよりも、仕事をしているときは目の前の仕事、補習所では今勉強していることに集中して、そこからできるだけの知識を獲得してください。
二年目からはもっと考えながら仕事をしていただきたい。でも、一年目は無我夢中で構いません。
同期を大切に
定期採用で監査法人に入社すると「同期」がいます。
そのほとんどが同時に合格して同じ監査法人に入社し、机を並べて補習所で勉強する人たちです。
監査法人にはたくさんの会計士がいますが、その中でも同期は格別の存在。分からないときに教えあい、愚痴を言いあいながら成長する、一番気の置けない仲間です。
今後、同期は監査を離れたり監査法人を退職したりして年々減っていきます。しかし、それからもつきあいは続きます。例えばあなたも退職して独立開業することになっても、先に独立した同期から教えてもらえることがたくさんあります。仕事を紹介しあうことになるかもしれません。
監査法人に長く残ったとすると、同期とともに法人の中で地位が上がり、助け合える範囲が大きくなります。
例えば、品質管理部門に異動した同期に会計処理の相談に乗ってもらったり、企画部門を兼務している同期に予算の取り方を教えてもらったり。
もし一般事業会社や小規模な監査法人に入社して同じ境遇の同期がいない場合でも、「補習所同期」がいます。
ぜひ補習所で仲の良い人を見つけてください。
今日を人生最高の日にしないように
論文式試験合格は、あなたの人生のハイライトの一つになると思います。
しかし、今日を人生最高の日にしてはいけません。
お楽しみは、まだまだこれからです。
あなたが会計士を目指した理由がありますよね?
手に職をつけたい、海外に行きたい、会計を究めたい。
税務に進みたい、独立したい。
ただ、もてたい。
理由が何であっても、これから実現することができるのです。
また、難関国家試験に合格することで、職業的専門家として社会に大きな貢献をすることも期待されています。
気負う必要はないのですが、あなたが活躍することが世のため人のためになります。
おわりに
もう何度言ってもいいですね。おめでとうございます。
これからの人生が、あなた自身にとって、ご家族にとって、仲間たちにとって輝かしいものでありますように。
心からお祈りしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはTwitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま