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「自分はいったい何で忙しいんだろう」と思ったら、やるべきこと

「今日一日、めちゃくちゃ忙しかったけど、何やってたんだっけ?」――そんな日が続いているようなら、時間の使い方を見直すべきときかもしれません。


監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めた「てりたま」です。
このnoteを開いていただき、ありがとうございます。

かのドラッカーは、次のように言っています。

知識労働者が成果をあげるための第一歩は、実際の時間の使い方を記録することである。(略)最低でも年2回ほど、3、4週間記録をとる必要がある。

P.F. ドラッカー「経営者の条件」ダイヤモンド社

私がパートナーになって加速度的に忙しくなり、日々仕事に追いまくられていたとき、この言葉を思い出しました。


⏰時間を記録する

そして、次のようなフォーマットで、記録をとりはじめました。(単純化のため、13時まで表示しています)

当初10分きざみではじめましたが、私にとっては細かすぎ、15分刻みに落ち着きました。

記録をとるだけでも負担ですが、せっかくやるんだったら計画も立てたくなります。

このように、左に予定、右に実績を書き込めるようにしました。
前日夜か当日朝に予定を書き込みます。

実際に予定を書き込んだイメージは、このような感じです。

A社に到着次第、監査役との定例ミーティングがあり、それが終わると監査調書をレビューして、チームメンバーと優雅に1時間の昼食をとることになっています。

ここに、実績を書き込んでいきます。

A社に少し早く着いてメールチェック、そして予定通り監査役とのミーティングを開始。

ここまではよかったのですが、監査役ミーティングを少し延長して終わったときに、B社の経理部長から電話があり30分話します。
B社が買収を検討していることが分かり、早速事務所に戻ってFASの人たちとミーティングをすることに。45分打合せした後、B社経理部長に短く電話。

そして、「昼食どうしよう」と思いつつも大量のメールをチェック。

これは架空の例ですが、結構リアルな一日(半日)の姿です。


⏰記録の使い方

記録をとりながら、いろいろなことに気づきます。
上の例で言うと……

  • 監査役とのミーティングでは、タイムマネジメントがうまくいかなかった

  • FASとのミーティングは、午後の予定を考えると自宅から入るほうがよかった

  • A社の調書レビューがまったくできなかったので、どこかで時間を見つけないといけない

もちろん、記録するまでもなく気づくこともありますが、そのまま忘れてしまいがちです。目に見えるほうが記憶に残りやすく、次のアクションにつながりやすくなります。

私の場合、一日の終わりに振り返ることはありましたが、一定期間ためておいて分析するようなことはほとんどできませんでした。
それでも、自分の時間の使い方が可視化されることで、業務の改善につながったと思います。

一度だけ、メールチェックの時間が長すぎて非効率になっているように思って、2週間くらいの時間を集計したことがありました。
その結果、メールにかける時間は意外と少なく、人と話している時間が予想以上に長いことが分かりました。


⏰時間記録をとる上での留意事項

このように記録をとる際に、注意していた点がいくつかあります。

できるだけタイムリーに記録する

実績を正確に記録するには、その都度書き込むことが理想です。
一日が終わってからでは、忘れてしまっていたり、思い出すのに時間がかかります。

そのために、すぐに記録できる環境を作っておくことが重要になります。
フォーマットを何枚も印刷しておいて、手書きで記入しました。チームメンバーなどのいるところでは気恥ずかしく、こっそり書いていました。

エクセルなどで記録する場合は、PCを開けていれば問題ないですが、そうでないときの入力方法を考えておかないといけません。
スマホでも同じファイルにアクセスして入力できればよいと思います。

完璧主義におちいらない

記入が遅れて思い出せなくなってしまっても、何か重大なことが起こるわけではありません。
そんなことは忘れて、前を向いて進みましょう。

なお、定期的に自分の時間の使い方を振り返ることが目的なので、ダラダラと1か月以上続けることもよくありません。

記録しやすいように工夫する

特に手書きの場合は、略語を駆使しましょう。
私の場合はオリジナルの略語をたくさん作りすぎて、たまにしか使わないものは忘れてしまうので、かえって非効率になりましたが。

また、「メールチェック」「電話」など記録するべきアクションのパターンはほぼ決まっているので、チェックマークを入れるだけでどのパターンか分かるようにしたこともありました。
こんな感じです。


おわりに

この記録をはじめると、思わぬ副産物がありました。
それは、「どの15分も空白にしたくない」という思いが強くなり、てきぱき動くようになったことです。
一つのメールに必要以上に時間を使ったり、ちょっと面倒な電話をするときに踏ん切りがつかずもたもたしたり、ということも少なくなりました。

私の業務改善には有効だったこの方法、皆さんの効率化のきっかけになれば幸いです。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはX/Twitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。

てりたま

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