英語で文章を書くときの便利ツール
英語で文章を書くのは時間も労力もかかりますが、サポートしてくれる便利なツールがいろいろあります。
今回はその中で、私が使っているものをご紹介します。
てりたまです。
監査法人で30年強、うち17年をパートナーとして勤めました。
今回、私が英語の文章を書くときに使っているツールをご紹介します。
結論から言うと、和文をChatGPTで翻訳し、Grammarlyでスペル・文法チェックを行い、DeepLで最終チェックして改正させています。
以下の例文を使って、英語に訳してみましょう。
専門的な文章を例文にしたかったため、CPAAOBの検査結果事例集からとりました。
個人的には身につまされる内容ですが、気を取り直して進めましょう。
❶ ChatGPTによる翻訳
まず、ChatGPTで翻訳します。GPT-4を使用しています。
ChatGPTのよいところは、プロンプトで前提を指定できるところです。
書き手をCPAAOB、読み手を海外の規制当局とします。これを、例えば「読み手は小学生」にするとまったく違う結果になります。
さて、どんな翻訳になったでしょうか…
一発目で、なかなか立派な訳にしてくれました。
秀逸なのは、最後の方の「事業計画の実現可能性等」を「the feasibility and other aspects of the plan」としたところです。日本語の「等」は厄介で、「etc.」と直訳するとぎこちないところですが、なめらかな訳になっています。
ちょっと気になるところが2点あるので、手で修正します。
・(修正前)the audited company →(修正後)the Company
・(修正前)signs →(修正後)indications
減損の「兆候」を「signs」としたところは、IFRSや米国基準に沿って「indications」の方がよいですね。
❷ Grammarlyによるスペル・文法チェック
Grammarlyをご存知ですか? かなり老舗の定番ツールで、単語のスペルや文法をチェックしてくれます。
GrammarlyはEdgeやChromeの拡張機能としてインストールできますが、英単語を入力するといちいちチェックが入るので、私は面倒で外してしまいました。今はGrammarlyのWebサイトにアクセスして使っています。
ChatGPTで正しい英語にしてくれているはずですが、念のため、この老舗ツールでチェックします。
上図の左半分にChatGPTの翻訳を貼り付けました。右端に結果が出ます。
右端を拡大してみましょう。
全体的なスコア(96点)の下に、Correctness(正確さ)、Clarity(明瞭さ)、Engagement(読者を引きつける表現)、Delivery(伝わりやすさ)の4つの結果が表示されます。
Correctnessがスペルや文法のチェックで、ここを誤ると恥ずかしいので一番重要です。
Clarityは、間違いではないがもっと明瞭に言い換えられる箇所を指摘してくれます。例えば「a number of」は、「more」の方が冗長にならずよいですよ、と提案してくれます。
EngagementとDeliveryは、場所は教えてくれますが(全体図の黄色の線)、課金しないと内容は分かりません。
さて、今回、CorrectnessもClarityも「Looking good」「Very clear」となっていて、このままで大丈夫そうです。
ちなみに、Correctnessに誤りがある場合の表示を出してみましょう。
ChatGPTの英訳で、2か所をわざと変更します。
・(変更前)undiscounted →(変更後)undiscount
・(変更前)considers →(変更後)consider
そうすると、下図のように赤い線で修正箇所が表示されます。クリックすると、修正案も表示されます。
❸ DeepLによる最終チェック
さて、これでスペルミスや文法の誤りはなくなったはずです。
しかし、内容が原文と違っていたら話になりません。
そこで念には念を入れて、DeepLで和訳してみて最終的に問題ないかチェックします。
いかがでしょうか? 一番最後の文章は、監査チームが言っていることなので、気をまわして「とのことです」という表現になっていますが、全体的に大丈夫そうですね。
もし誤りが見つかったら、英文を手で直し、Grammarlyでチェックした後、再度DeepLで和訳して正しく修正されていることを確かめます。
ところで、DeepLを使うのであれば、原文をそのまま英語に訳させたらよいのでは、と思われたかもしれません。
一度やってみましょう。
どちらの段落も、ChatGPTに比べて長くなり、回りくどいように思います。
また、最後に明らかに不要な二つの文(The audit team also concluded that the business plan is reasonable. The feasibility of the business plan has not been fully examined.)がなぜか追加されています。
これまで使ったところでは、ChatGPTの方がこなれた訳をすることが多いようです。また、ChatGPTでは、翻訳の前提(書き手や読み手など)を指定できたり、断片的なネタからまとまった文章の生成もできるので、最近はChatGPTを中心に使っています。
おわりに
いかがでしょうか? あくまでも私はこう使っている、ということですので、もしもっとよい使い方があれば教えてください。
どのツールもクラウドベースで動いていることもあり、機密情報の取り扱いにはご注意ください。また、会社の情報セキュリティのルールにより利用が禁止されている場合があります。
ちなみに、2週間ほど前にDeepLとChatGPTを対決させていますので、ご参照ください。こちらでは和訳を取り上げています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この投稿へのご意見を下のコメント欄またはTwitter(@teritamadozo)でいただけると幸いです。
これからもおつきあいのほど、よろしくお願いいたします。
てりたま
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?