帰る場所は家だけじゃない。
1週間ほど海外にいたため、その日は久しぶりに行きつけのスーパーへ。必要なものをカゴに入れてレジへ行くと、いつもの見慣れた店員さんは混雑する店内の中、相手が私だと分かると普段よりとても快活に接客してくれた。
そう、目と目で会話した、おかえり、と。
私も目で応えた、確かに帰ってきました、と。
直接なやりとりは交わしてない、
けど、なんだかとても安心した。
自分がここにいる実感を、確かに持てた。
(もしかしたら、ずっと見かけないから死んだとか思われてたのかもしれない。)
そんな気持ちはつい昨日も味わっていて、
長時間のフライト、空港から自宅までの移動と、移動に移動の疲れが溜まり、帰国して初めてのご飯にいち早くありつきたかった。
(成田から都内への移動は地味に体力を削られる)
何のご飯にする?
自炊は満場一致で却下。
コンビニやスーパーの惣菜も気分じゃなくて、誰かが作った、人の温かみを感じられるものが食べたくて、外食となった。結局、私たちはよく行くなんて事ない餃子屋に入った。
店内でいつも通り、
「焼き1、水餃子1、しそ、鶏そぼろ温玉ご飯1つ。餃子は全部ニンニク有りで。」
そう待たずして、水餃子が到着。
いつも通り卓上の調味料でタレを3種錬成し、
いただきます!「ぅー、これこれー!!!」
一口目を噛み締めて、店内を見回した。
欲しかった味は、以前から気になっていた駅前の洋食屋でも、ちょっと気取ったレストランでもなく、よく行くなんて事ない餃子屋だった。
もしかすると帰る場所って、家だけじゃないのかもしれない。
いつもの光景を見せてくれる、そんな場所があったらもうそこはあなたの帰る場所になっている。
何だかちょっと大人になった気がして、
嬉しくなった夜でした。
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