どんどん鈍感になっていく
偏差値70くらいの大学に入ったのに4年ほど経った今、高校生だった自分と比べると鈍感になっている。
使わなくなった数学の方程式はどこかに忘れ、難しい大人のフェイスブックの投稿を「意味不明、ぴえん🥺」で頭の中で自己解決している自分がいる。
私を東京に憧れさせた作品がある。
金原ひとみさんの「蛇にピアス」だ。この作品を見たのは中学生の時で、田舎のレンタルビデオやで中学校のジャージで鮮明な青のジャージをお尻で履いて、ティンバーのブーツを履くことをオシャレだと思っていた私には、大して歳の変わらない渋谷で遊ぶルイとアマに憧れていた。
コロナ禍になる前、友達とハチ公前で1日の4分の1の時間を過ごしたことがある、冬で寒かった。待ち合わせては、どこかへいく人たちをただ眺めていた。
人生で最も無駄であり、有益な時間だった。さまざまなことはさておき、私はこれがしたかったのだと直感した。雑多な都会を一傍観者となって眺めたかった。それは自分が観光客でもだめで、肩書きや職場が何もない状態では眺めることはできない。戻る場所があるから眺めることができるそんな街だと思った。
ルイとアマに少しずつ近づいていっているような気がして嬉しかった。
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