会えなくなるなら出会いたくなかった
いつからだろう。別れが怖くなったのは。
最近自分でもなんでこんなに人に固執しているのか、不思議思うことがある。
オンライン授業でたった10分弱グループで喋っただけの子とすら、もう会えないのかと落胆する。
この別れ恐怖症は、いつからなのだろうか。
大学に入ってから?
たしかにたった4ヶ月かそこらで教室にいる人がどんどん入れ替わっていくのが少し怖かった時もあったけれど、もっと昔からなはず。
東日本大震災にあってから?
昨日会って他愛もない話をしてた人が急にその日から会えなくなってしまった。ボランティアで来てくれた全国の人達とも一期一会だった。
震災前の小学生の頃はどうだろう?
教育実習生の大学生のお姉さんに毎月かそんくらいの頻度で手紙を書いていたのを思い出した。仲良くなった人と音信不通になるのが怖かったのかもしれない。
なんかもっと掘り下げて行くと、私が生まれ育った岩手県釜石市というところにその根本があると思う。
岩手県釜石市は、製鉄と漁業で栄えたまちで、昔から釜石の人なんていうのはあまりいない。都会的で仕事があった釜石に働きに来て、そこから永住してるパターンの人が多いだろう。私もそう。当時都会の美容部員たちは、みんな流行の最先端である釜石に来たがったとおじさんが言っていた。
私が小学生だった頃、震災前はおじさんたちが言う都会だった釜石の雰囲気を残していた。東北の片田舎で、あんなに飲み屋があるまちってあるのだろうかと思う。そんな都会だった釜石では津波や艦砲射撃、企業の事業縮小に伴う人の出入りが激しかった。そんな釜石で生まれ育ってきたことが私の別れに対する不安を広げているのかもしれない。
今日も明日別れるかもしれない誰かに絶望しながら。
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