寺嫁お京のお寺の仕事〜御仏飯をあげる〜
こんにちは、寺嫁お京です。
年々、春が一瞬で過ぎ暑さが到来する時期が早くなっている気がします。
本日はお荘厳のひとつである『供飯』についてお伝えします。
供飯とは
自坊では、住職との会話では「お仏飯をあげる(さげる)」と言っています。ちなみに、さげることを「下供」といいます。
お仏飯としてあげるお米は、春季彼岸会法要のときと秋季彼岸会法要の時に、御門徒さまから永代経供養米としてお米をお供えしていただいています。
以前の記事で、供養米についてお伝えしています。併せてお読みください。
お仏飯の実際
お仏飯は、私たちが食べるための炊飯器とは別の炊飯器を用いて、庫裡にて炊きます。祖母から教えてもらったこととして、お仏飯用のお米を研ぐときは直接人の手で触れてはいけないということで、こちらを使って研いでいます。
洗う物も全て仏様用で分けています。
朝のお勤めの前に、炊き立てのお仏飯を、仏飯器に盛ります。
坊守式で、お仏飯の形は、“蓮のつぼみ”のように盛ることを教えてもらいました。
蓮のつぼみを表現するのに、自坊では、これを使っています。
この木造りの仏飯器入れは、義理の祖父が作られたそうで頑丈で何十年たった今でも大活躍です。
盛られたお仏飯は、御本尊前→親鸞聖人→蓮如聖人→聖徳太子→七高僧の順に上供していきます。
平常時のお仏飯は、朝のお勤め前に上供して、正午までに下供します。
下げたお仏飯は、仏様からのお下がりとして昼食にいただいています。
自坊は400年の歴史があるのですが、供飯を毎日絶やすことなく上供してきた先代と供養米をあげてくださっている御門徒さん。
お寺のことを大切にする気持ちを代々引き継いできた重みと人の奥深さを感じます。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。