技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか

2009年に出版された本。今でもなお大事なことが書かれている。

ざっくり言えば、事業経営において、「オープン」と「クローズ」を使い分ける、三位一体である必要があるという本。
三位一体とは、そのまま引用すると、以下。
①製品の特徴に応じた急所技術の開発
②「市場の拡大」と「収益確保」を同時達成するビジネスモデルの構築
③独自技術の権利化と秘匿化、公開と条件付きライセンス、標準化オープン等を使い分ける知財マネジメントの展開

イノベーション≠インベンション、プラットフォームが強いよね、ということは言われているが、特に製造業において、どうすれば「他の部品や完成品を従属させるような準完成品(≒プラットフォーム)」に仕立て上げられるのかについて説明している。
製造業の話が多いが、今プラットフォームとして名を馳せているGoogle(検索、マップなど)などにも適用できる話である。

色々大事で面白いところがあったが、ディフュージョンの段階においてすべて製品は「準完成品」であるという考え方が面白いと思った。製品は、他の部品やソフトウェア、ユーザーの利用との組み合わさることによって、はじめて完成品になるということだ。インテルは台湾の企業にマザーボードを安価に作らせた。

色々書きたいが、ありえないくらい抽象化してこの本を教訓っぽくすると
・ゲームチェンジが起こったときにそれを察知し把握できるか
・ゲームチェンジは起きるものではなく、起こす(起こされる)ものでありゲームチェンジを自らも積極的に行えるか
ということだろうか。
ここまで抽象化すると、もはや組織とか個人の性格の話になってきてしまうが。「どんなゲームか?」を意識して生きていきたい。

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