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女子の発達障害(駱駝家杏月&寺島ヒロ ゆるゆる対談)第4回「就活について(涙ながらに)語ろう」

[寺島]こんにちはー!(以下「寺」)

[駱駝家]4回目の対談です。よろしくお願いします。(以下「ら」)

[寺]はい、「女子の発達障害」と題しまして、発達障害当事者2人があれこれとくだらないことをお届けいたします。よろしくお願いします。では最初に恒例の自己紹介でをどうぞ。

[ら]駱駝家杏月です。ADHD &アスペルガーでライターです。アルバイトですがフルタイムで出勤する仕事もしています。

[寺]寺島ヒロです。イラストレーターにして漫画家です。アスペルガーで睡眠障害もち。『実践障害児教育』という月刊誌で連載も持っています。noteでは『ボクの彼女は発達障害』の著者のくらげさんとも対談しています。こちらもすごく!面白いので!ぜひフォローしてください。日々の生活を描いたブログ(http://terasimahiro.blogspot.jp/)もやってます。

[ら]今回のテーマは「仕事」ですか。いや~なかなかハードなテーマが来ましたね。

[寺]何か喋りましょうと言ってもなかなか喋れないだろうなーと、この対談では最初にカードを引いて、決めたテーマに沿って語らうという形式をとっています。今回は「仕事」ですね。

[ら]みなさん、仕事についてどういうことを聞きたいんでしょうね?

[寺]うーん、就職できるか心配だとか、仕事をしている発達障害の人がどのような仕事についているか知りたいとか、事業所ではどんな仕事をするのかとか、そういうことなんじゃないでしょうか? あ、あと向いている職業とか?

[ら]未だに自分がどういう仕事に向いているのか分からないんですけど…

[寺]実は私もです(笑)

では、ちょうど大学生には就活の時期でもありますし、今回「就活・仕事選び」をテーマにしてみましょう。「仕事」だとくくりが大きすぎるような気もしますし。

[ら]わかりました。仕事の仕方とかはまた別の機会にと言うことですね。

[寺]たしか駱駝家さんは新卒で一般の会社に就職しましたよね?どうしてそこで働こうと思ったんですか?

[ら] 私はデザイン科の学生だったのですが、就職活動をする頃には「どうも自分にはさほどデザインの才能もないし、作業が遅いからデザイン事務所とかは無理だろうな」と思っていたんですよ。それで学校の就職課に行って募集板を見て、これならできるかな?と思ったのがその会社で。

[寺]あ、学校の就職課に募集が来てたんですね。

[ら]当時はいわゆる就職氷河期で、デザイン業界は不況がいち早くやってくる業界だったからか、もうほとんど専門職の募集はなかったです。そのなかでややスキルを生かせそうな呉服会社の展示会の設営をやる部署を受けました。

[寺]デパートにあるような、マネキンさんのディスプレイを作るの?

[ら]そういうのもあるし、POPやら、看板やら、展覧会をやるとなると必要になるビジュアライズの全てですね。でも社内人事の段階でその部署には行けなくなって、結局別の課に配属になったんですけど。

[寺]聞いていると結構大きい会社だったみたいですけど、試験とかはどんなのだったんですか?

[ら]試験はごく普通の筆記試験と面接、作品(持ち込み)でした。面接のときにはPOPの部署に行かせてくれるような話しぶりだったんですけどね…

[寺] 仕事を始めてみていかがでしたか?

[ら]それがめちゃくちゃ忙しくて凄く高い事務能力を必要とされる部署だったんですよ。私、役に立たなかったなあ…

[寺]忙しいとそれだけでパニクりますもんね~。

[ら]入ったばかりの頃はそうでもなかったんですが、しばらくしたら急に忙しくなりまして…そのペースについていけませんでした。また女性社員が多い会社で女同士の人間関係も難しかったんです。後から知ったんですがその会社って地域密着の企業で、事務職の女の子は男性社員のお嫁さん候補として採用されるっていう面があったらしいんですよ。

[寺]あ~!あったなあ!昔は地方ではそういうの結構ありましたよね。

[ら]自分はヨソ者の部外者です―!って言いたいけど、暗黙の話だから否定も出来ず新入社員の頃はそれはそれは怖い思いをしました(ぶるぶる)。空気読めないし、恋愛細胞も少ないからそんなつもりはなくとも人の恋愛駆け引きをずかずかと知らないうちに邪魔してしまって、陰で怒りを買ってたみたいです。

[寺] 今でも女子の集団にはトラウマ持ってますよね、駱駝家さんは。そこでの経験が響いてるんですねえ。

[ら]とにかく噂話の内容が怖くて、ロッカールームに人がいると入れませんでした。男性社員と話をしたら、なぜかその後しばらくその人の彼女に無視され続けたこともありました。100%仕事の話だったのに… 何が悪かったのでしょう…(目がウツロ)

[寺]おおっと!話がどんどんダークな方向に!こういう時はあの!魔法の呪文を!

[ら]あ、ああ、そうですね。あれですね。

[寺・ら] 女子力 女子力 女子力…!

(一陣の風が吹き抜け、あたりがほのかな花の香りで満たされた…)

[ら]…まあ、そんなこともあって、キャパオーバーになり辞めてしまいました。

[寺] 女子の人間関係って私たちの最も苦手とする分野ですもんねえ…では、それからずっとアルバイトをしながら文筆生活?

[ら]そうですね。本屋さんとか、公民館の臨時とか、寺島さんの漫画のアシスタントもですね。前回の洋服の話でも話したんですけど、外見をOLさんらしく整えるのが難しいと自覚したので、なるべく普段着で気楽に務められるところを選んできました。

[寺] どこも相当仕事自体はハードだと思うんですけどね(笑)

[ら]仕事がキツいのはそれほど苦にならないんです。寺島さんは?

[寺]私も学校の就職課です。私の頃ももうバブルは弾けてましたので、それ以前に比べたら厳しかったですが、駱駝家さんの頃よりは専門職の求人もあったみたい。デザイン職ばかり選んで3社受けました。試験は筆記とやっぱり作品審査。

[ら]デザイン事務所ですよね。選んだ基準は?

[寺]完全フレックス制のとこ(笑) 当時もう睡眠障害が酷いことになっていて、非24時間睡眠覚醒症候群っていうタイプの睡眠障害なんですけど、完全に1日25時間生活が定着していたんです。それで出勤時間の融通の利くところがいいな~と思って。

[ら]自由出勤と言っても自分の好きな時間に出られないですよね?仕事に体を合わせなきゃいけないので大変じゃないですか?

[寺]必ず朝元気に出勤しなきゃいけない方がツライ!それに、そういう現場ではみんなが寝不足なので、ちょっと合間に寝たりすることも許されるんです。割り切れば気が楽ですよ。ザ・現場ってかんじで女子女子した人も少ないですしね。

[ら]女子女子(笑)

[寺]変則睡眠ではあるけど、過眠ではないので、6時間寝たらシャキッと起きられますし働いていた時間はすごく長かったと思う。残業めっちゃついてたし(笑) でも長くは続けられないなあとは思ってました。慢性的に寝不足なので、外回り中に電車で立っていたのにバタンと寝落ちてしまって駅員さんのお世話になったこともあります。デザイナーとして独立したかったけど…

[ら] なぜか漫画家になっちゃったんですね(笑)

[寺]いつかは辞めるつもりだったので、祖母の介護の手が足りなくなったのをきっかけに田舎に帰ることにしたんです。でも辞表を出しての1カ月の間に祖母が亡くなってしまった!

[ら]あちゃー

[寺]まさにそんなかんじ(笑) でももう引き継ぎもしちゃったし、どうしようかな~と思っていたら「バイトしない?」と、高校の時の先輩に紹介されたのが漫画家の福田素子先生のアシスタントで。で、行ったらハマってしまった。

[ら]アシスタントはバイト?入社試験とかあったんですか?

[寺]福田先生のところは有限会社で、私はアルバイト枠ですね。固定給はなく時給です。試験は一応面接っぽい雑談と、あと〇を描くという課題がありました。

[ら]〇ですか?

[寺]綺麗に描けるか?ってことだったのかな?ペンが使えるか最低限のところを審査されたんだと思います。その場です~っと描いて出したら、じゃあ明日から来てね、と。

[ら]アシスタントの試験ってそんなのなんですね。

[寺]どこもそうなのかはわからないですけど。あーでも、最近はデジタルアシさんだろうから実技試験とかなさそうですよね。

[ら] 先生のお宅に行かずネット上でやりとりするアシスタントさんですよね。わたしちょっと興味あるんですけど。アシスタント料ってどうやって計算するんですかね?

[寺] ほぼ人物だけみたいな原稿が送られてきて、仕上げまでやって一枚いくらって言う計算みたいですよ。時給ではなく。

[ら]なるほど。背景も仕上げも一人でやるんですね。それで統一感のある画面になるんでしょうか?

[寺]基本的に1作丸ごと一人のアシさんに頼むから、ページごとのムラはないと思いますよ。複数人に頼む時も共通の背景とかは貼りこめるように最初に画像をくれるみたい。でもそのせいかな、最近のネットの漫画って仕上げがみんな似てるような気はしますね(笑)

[ら]平均的な仕上げのパターンというか、スタンダードスタイルがあるんでしょうね。簡単には参入できないかなあ。

[寺]そういう仕事はハローワークには出ないから、ネットで検索してデジアシ募集の掲示板や、クリエイター専門のマッチングサイトに登録してみてはいかがでしょうか。絵柄の似た先生がいれば採用してくれるかも。

[ら]そうですね。しかし、マッチングサイトですかあ。就職の形も随分違ってきてるんですね。

[寺]今回は新卒の時の話でしたけど、これから労働年齢人口はどんどん減っていきますし、誰でも複数回転職するのが当たり前、兼業するのが当たり前になるでしょうから、ぜひ回を改めて転職の話もしたいですね。在宅ワークや、クラウドソーシングの話も。

[ら]仕事についてはまだまだ語れそうですね。では、今回はこの辺で。

[寺]このnoteは投げ銭式です。全記事を無料で読めますが、200円投げ銭していただけるとちょっとだけオマケが読めます。

[ら]今回は寺島さんの担当ですね。

[寺]では意外と読書家でもあるわたくしが、適職診断に役立つ本を紹介いたしましょう。

[ら]え?本ですか?十八番取られちゃったな(笑)

[寺]駱駝家さんの本の話は、また今度、本編でガッツリとお願いします(笑)

[ら]ではまた次回も…

[ら・寺]どうぞよろしくお願いいたします!

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