自分はなんにもできてないと思ったら、この絵本を読んでみて。
まわりに比べて、私はすごく歩みが遅い。不器用で、焦りがちでもある。ああ、自分はなんにも満足にできてないなあと思ったら、ここ数日、泣けてしまうこともあったりして。
さて、しかし今日はいい天気。外の空気は、たっぷりと金木犀のかおりをはらんでる。昼はお弁当を買って、近所の小高い公園でのんびり食べることにした。
てくてく歩いて向かう。小さな丘をまるっと公園にした目的地だから、たどりつく直前に、階段がある。いつもみたくのぼりはじめると、あれっ、と思った。
その階段は、普通のよりもゆったりと作ってあったのだ。一段の高さはおさえめだけど、反対に段の奥行きはぐっと長い。
ちょうど、大人が平地を歩く歩幅にフィットするよう、設計されていた。勾配をのぼってるのに、ぜんぜん苦じゃなかった。
あー、そうねえ、これでいいんだよねえ。と、思った。
だって、みんな違うもの。同じ勾配を、段の高い階段を使って段数少なく、効率的にずんずんのぼっていく人もいれば、段数が多くても、ゆったりいつものテンポでのぼっていくのがいい人だっているよ。
たまたま私は、ゆったりタイプだっただけで。スピード出ないし、落ちてる木の実なんかに気をとられがちだけど、べつに進んでないわけじゃない。
大丈夫、大丈夫。ちょっとずつの、しずかな積み重ねが、みなを驚かすような業績になってたこともあるじゃないの。
ちょっとずつ、黙々と掘った穴が、みなを驚かす顛末になってた絵本もあるじゃないの。
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