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1095日の生き様 ⑱~戦場へ~

さて、、、更新する事とします。

出発

前回記事で紹介した通り、前夜には最初で最後コミュニケーションを経験し、決勝前の異様な雰囲気のまま私はバスに乗り込みました。

なんとなく先輩から決勝の日が色々と特殊だと話は聞いていたのである程度は身構えていたものの、これだけは実際に経験してみないとわからないものでした。

校歌

リンクへ向かう道中、キャプテンがいきなり口を開きます。

「窓を開けろ」と。

2,3年生は待っていたかのように早々にバスの窓を全開に開け、私達も遅れながらも必死に窓を全開にしました。
中には既に半泣きの先輩も・・・。

(・・・なにが始まるんだ?)

そう思ったのもつかの間、

キャプテン「駒澤校歌レディーゴッ!」
一同「しぃんじっんっ、たぁーてりっ!たてり!」

意味もわからず始まる大合唱。

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通常であればピクニックかな?というこのノリ。

1年生は最前列に座っているので先輩方の様子がわからないのですが歌ってる最中に鼻をすする音や鳴き声のような歌声が聞こえ、状況が把握できました。

(先輩達が校歌歌いながら泣いてる・・・)

チャレンジャー精神で臨むインターハイ決勝の舞台
次歌う時はきっと優勝した後になるでしょう。

その光景はまるで戦争に向かう兵士が軍歌を歌っているような光景。
神風特攻隊が如くでした。

そっか、これから日本一を賭けて最後の戦いにいくんだ。
ベンチ外の私にも届く「戦う」というチームの意思

そしてそれぞれがツラかった1年間を頭の中で振り返り、絶対に負けないという意思を再沸騰させる。

そんな効果があったんじゃないかと思います。

この校歌はリンクに到着まで繰り返されました。

到着と最後の儀

到着し控室にそれぞれが防具を搬入すると、

「1年も全員来い」

と言われ、試合に出ないメンバーも呼ばれます。

「天突き」

その声と共に、選手達は2列に向かい合わせで並びます。
私達も見様見真似で先輩達に習います。

せーののタイミングで左右の列が交互にワッショイの掛け声で天に向かってスクワットしながら両手を突き上げます。

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こんな運動です。

これもインターハイ決勝限定の儀式。

初めて見るその光景と独特の雰囲気で最後なんだと、特別な日なんだと、だからこそ負けられないんだと皆が涙をこらえたり、普通に泣きながらだったりで儀式をこなしていきます。

天突きが終わるとそれぞれが1年間を思い返しウォーミングアップしながら

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アップ後も一人でこんな表情しながら遠くを見て雰囲気醸し出す人もいれば、泣きながら自分ゾーン入ってますみたいなアピールで天を見上げながらウロウロして「ッシャ!!勝つぞ!!」みたいな今となっては黒歴史並みの、あぁ若き高校生の青春だなぁって感じです。

そうして試合前の一通りの儀式が終わった。・・・と思っていました。

最後の儀

ミーティングが終わって氷上に出るまでベンチ外1年生は色々とマネージャー業をやったりと、やってるフリをしたりして控室に入らない(正確には入りたくない笑)ようにしてます。

ただし、決勝の日は違いました。

ある程度、レギュラー陣の着替えが終わると控室内に全員が呼ばれました。

この3年生世代が特殊だったのですが、一般生より送られてきた歌を聞きます。大きな布に書かれた寄せ書きと一緒に送られてきた応援ソングです。

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当時ストリートミュージシャン最盛期(ゆずやコブクロ 、19 、うたいびとはね等々)だったのもあり、ギター片手に歌えるデュオ高校生なんてザラにいました。
(私ですらGLAYのBE LOVEDのイントロを少し弾けたくらいです)

そんな趣味をやってた一般生の3年生から送られた、決してふざけたような歌ではない真面目ですごく良い応援ソングでした。
挫けそうになったり逃げだしそうになったりして過ごしてきた3年生を3年間をしっかり理解しているんだなぁと心から思いました。
窮地を共有した仲間って素晴らしいしスゴイなぁと思って感動して聞いてました。
2004年にゆずの「栄光の架け橋」を聞いた時に、どこかで聞いた事あるなぁと思ったくらいあの歌にそっくりで良い歌でした。
ちなみにこの駒澤一般生の応援ソングが2001年の事なので栄光の架け橋の方が後リリースでパクったとしたらゆずがパクったという事になります。笑

さて、少し特殊なケースを紹介しましたが、通常はこの応援ソングはありません。

一通り応援ソングを聞き、皆が号泣。

一段落したら、先生(監督)が控室に入場

「1年2人、先生を押さえろ」という指示があり
「押さえろ・・・?」

2人で押さえている様子の良い素材写真が無かったので1人バージョンですがこのようにして1年生2人が両後方から監督を支えます。

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ちょっと大げさかもしれませんが監督はこれくらい、のけ反って1年間今まで聞いた事のない大声で選手達を送ります。

もう何を言っているのかわからないほどの大音量で叫びながら歌うので噂でしかありませんがあれは、その昔、神風特攻隊の歌「軍歌」であると聞いた事があります。

その軍歌を顔真っ赤にしながら、のけ反り歌う先生を後方から2名の1年生が押さえるという事でした。

無題

その気迫、あれを超えるほどの鬼気迫るという感覚は数億を賭けたギャンブルでもしない限り生涯経験しないでしょう。

その監督の大声援を受けて、声を出して泣く選手達。

初めての事ばかりで何が起きて何で泣いているのか、1年生は圧倒され泣くどころか戸惑うばかりです。
本当の意味を理解し特別感で泣くというよりも、先輩方が号泣している姿を見てもらい泣きをしている一年生。という方が正しい表現かもしれません。

こうして最後の儀を終え、監督が選手達をリンクに送り込んでくれます。


次回は本当に最終話!
1年目の有終の美についてです!

19話で完結しそうな長編(1年生編)となりましたが長期間に渡りご覧いただきありがとうございました。

最後、お楽しみに!!


てらを

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