捨てるから始めるショッピング
近年あちこちに増えてきている、自社販売製品を中心としたリサイクル活動について色々ご紹介する。
使用後の製品を、販売店に捨てるメリット
別に自宅のゴミ箱に捨てるのと、何が違うの?
と思う方もおられるかもしれないが、色々と良いことがある。
リサイクルがしやすい
製造者が回収するのだから、材料をどのようにリサイクルするのが効率的かはお手のもの。次のものが買いやすい
売り場で使用後のものと新しいものを比較して、新しいものを買い使用後のものをその場で捨てられる。新旧比較できるし、物も増えずになんとなく心象に良い。変なルートで悪用されない
特に、スマホ等の情報機器は、単純に廃棄したり中古販売に渡すとセキュリティ上かなり不安。また、貴重な資源を不当売買したり、不法廃棄したりする悪徳業者もいるため、「悪用されないできちんと廃棄されるだろう」という安心感は大きなメリットだ。
いくつ知ってますか?販売者/製造者が実施している回収活動
①衣服
まずは有名どころから。無印良品とユニクロは、自らが売った洋服を回収しているので、もう着ないものは店舗に持って行こう。
ユニクロはリサイクルボックスに入れる方式、無印良品はカウンターで渡して確認が必要なので少し手間だが、その分はアプリ上でポイントを付けてもらえるという小さなインセンティブがある。
ワコールは下着回収キャンペーンを年に1回行っている。これは、持っていくとオリジナルの切手がもらえるサービスをしており、可愛らしい切手をもらえるのも嬉しい。
また、女性用の下着は、捨てて変な人に拾われたくないものの筆頭であるから、前述の「変なルートで悪用されない」で、燃料として再生されると、消費者はダブルで嬉しいと思う。
バナナリパブリックは、不定期で「洋服ポスト」とコラボレーションして、店頭で受け取った衣服をバナリパ負担で洋服リサイクルに出してくれる。(ちなみにキャンペーンが終了しても、自己負担で洋服ポストに不要な洋服等を寄付することはできる)
②パッケージや保冷剤など、商品に付随するもの
ロフトでは、一部のコスメニティについて容器回収をしている。
無印良品では、保冷剤の回収を一部店舗で行っているので、ちょこちょこと溜まってしまう保冷剤をまとめて持っていくのも良い。
③文具
パイロットは、ロフト45店舗を含む全国の文具店で文具とその包装材を回収している。
ペンは細長い形状の物が多く、ゴミ箱に無造作に捨てると袋を突き破ることもあり危険だから、こういった専用回収ボックスに入れられるのは助かる方も多そうだ。(後述のように、個人的には1番利用させて頂いている)
④書籍/CD
無印は実験的に一部店舗で下記のようなCD/DVDや絵本の回収も始めている。
⑤スマートフォン/PCなど
知っている方も多そうだが、Apple社は自社製品はもちろん、他社製品もリサイクルを実施している。
インセンティブはApple社のポイント還元になるので、まあこれはもちろんApple社製品で使ってね!という買い替え促進キャンペーンなのだが、私は利用している。
捨てるから始めるショッピングは、少しだけ気楽
皆さんはいくつご存じだっただろうか。
これらの活動は、単に「ゴミ箱置いておきました」というものではなく、製品のライフサイクルをデザインしているとても意味のある活動だと思う。
寺子屋ひつじの中の人は、文具の消費量が並外れて多く、例えば「サラサ」や「ジュースアップ」などのゲルボールペンを、1週間に1本は消費してしまう。(別に飲んでいる訳ではなくて書いているだけだ)
ゲルボールペンはゴミが多く出てしまうために少々の良心の呵責を感じていたが、③でご紹介したロフトの回収ボックスに入れるようになり、少し気持ちが軽くなった。その場で、新しいリフィルも買う。ありがたい。もっともっと様々な商品でこういった「自分が販売したものを回収する取り組み」が増えて欲しい。