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鍵は「コミュニティ」
月曜日に、アメリカ在住で一時帰国中の幼馴染に会った。
お母さんの介護もあり、一時帰国でも少し長めに滞在する予定だという彼女に
ー自転車が借りられるところを知らないか
と、聞かれた。
観光協会が観光用のレンタサイクルをしていることは知っていたけれど、それ以外はわからないと応えたが、しばらくして、ふと思い出した。
そういえば、私が幼い頃から我が家がお世話になっていた自転車屋さんのお孫さんが寺子屋に来てくれていることを・・・。そこで彼に聞いてみた。
ーおじいちゃんのお店でレンタサイクルしていないかな。
と。すると
「あ、え、あぁ、大丈夫っちゃうかな」
と、意外な反応というか、どちらなのかがわかりにくい返事が・・・。ちょうど月曜日に彼のおじいさんのお店の近くで友人と会うことになっていたので、
じゃぁ、お邪魔して聞いてみるね、というと、「うん」との返事だったので、お店に伺ったところ
快く、貸してくださるとのこと。商売として貸しているわけではないけれど、お店にあるものを、お金を取らずに貸してくださるとのことだった。これが、生徒の意外な反応のわけだった。
そして、とても助かると喜んでいた友人が、帰り道、私に
「あなたはいいね、地元にしっかり根差していて」と言っていたけれど、
私じゃなくて、両親がしっかりと根を作ってくれたので、私は、それに乗っかっているだけだと思っている。
一方で、それが私が地元で仕事をしたかった理由でもある。父の後を継ぎたかった理由でもある。私は、17歳で初めてのアメリカ留学から帰国したときから、両親が私に残してくれているものを次につなげたいと改めて思った。もはや、私には、直接それを残す家族はいないけれど、それがだれか、私の大切な人たちに残っていけば・・・と願っている。
健全な社会の鍵は「コミュニティ」だと、私は高校留学で出会った2,400人の村の42人しかいない小さな高校で教えてもらったと思っている。そして、自分の所属するコミュニティは、いろんなところにたくさんある方がいいことを、それまでの生活と、その後の経験から学んでいる。
子どもたちのコミュニティは小さくてもいいから、多くあってほしい。そして、その1つが寺子屋であってくれたら、私は嬉しい。
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