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2023年を振り返る ⑥
「(娘が)離婚しても子どもを一人で育てられる資格を取って、働いてほしい」
という保護者の方の発言に、
ーり、離婚するには、まずは結婚する必要がありますね。笑
と、思わず突っ込んだ。すると
「いや、結婚はしてほしいと思っているので」
と、返ってきて、返事に困った。
この仕事をしていると、自分には思い及ばない人生設計、設計方法にときどき出合い、私は考えに沈む。
「結婚してもしなくても、たとえ離婚したとしても、生活には困らないように」だったら、わからなくはないし、そうしたいと思うことは、こんな先行き不透明な不安な世の中の今を生きる若い人たちには男女を問わず必要なのかもしれない。
そして、私は、寺子屋が、働く人たちにとってそんな仕事場であってほしいと思っている。
ここ20年ほど私の右腕として働いてくれているスタッフが、4年前に、とんとん拍子に進んでいく縁談に、マリッジブルーを発症したとき、
ーあなたは、今まで自分の居場所をきちんと作って生活してきたのだから、戻ってくる場所はある。なんとかなるから、安心して失敗してきていいから、一度行っといで。ダメだったら、いつでも戻っておいで。
と、笑って声をかけたけれど、彼女が最初から「離婚しても一人で生きていけるように」と一生懸命努力してきた人だとしたら、私は、そんな風に声をかけられたかどうかはわからない。
人生は、思い描いたようには進まない。
その中で、失敗や挫折、困難に直面したとき、大切なのは、多分、資格でも学歴でもなくー
人との関わりを大事にできる気持ちと言動だと私は信じている。
それさえあれば、自分ひとりで乗り越えられないとしても、誰かが助けてくれるはずだ。
自立は、一人で生きることではなく、人に助けられ、人を助けることが両方できるようになることだから。
資格や学歴にこだわってしまうのは、「自立」をはき違えてしまっているからではないかと思う。
そんなことを考えながら、保護者の方の発言を思い出して、今朝、
フッと、笑ってしまったー
離婚してもいいから、結婚して子どもを、、、というような想像力があったら、私も、結婚ができていたかも、なんて思いながら・・・笑
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