QBウィルソンのトレード
トレードの噂はたくさんあったが今回は本当らしい。
相手はデンバーブロンコス。守備はそこそこ強いのにマニング以来ロクなQBがいないせいでロクに勝てていないチーム。
対価は一巡2回、二巡2回、五巡、QBロック、TEファント、DTハリス。一巡ドラフト4回分相当するって言われてるけど実際そのレベルはあると思う。
シーホークスは下位に沈んだ割にはアダムスのトレードで一巡ピックが無い。キャップスペースはそれなりにあるがそれ以上に補強ポイントが多い。
底は脱したものの貧弱なOL。弱いパスラッシュ。1対1に弱いCB。これらのユニットは総合力が低いだけでなく軸となる選手がいないことが痛い。相手のエース級の選手を止める術が無い。
ウィルソンのトレードで広大なキャップスペースが空く。直近の仕事としてはFSディグスとOTブラウンの再契約。長期的にはメトカーフの契約延長も必要になるが、補強を含めても十分な額があるだろう。
ただウィルソンがいない中で契約延長に応じてくれるかは分からない。特にメトカーフは良いQBを求めて移籍しても不思議では無い。ロック(それか補強したQB)のパフォーマンス次第ではあるが。
NFLチームはいくつかに分類できる。
一つは再建中のチーム。ベテランをドラフト指名権に変えながら才能ある若手を発掘することを目指す。
もう一つは常にプレーオフ権を争うチーム。シーホークスは現実的にはここに入るだろう。実力は確かだが、トップクラスでは無い。スーパーボウル進出には若手のブレイクやプレーオフでの下剋上といった「運」が必要になる。もしくはブレイディのような実力に対して多くのサラリーを求めない選手が。
最後に「all-in」のチーム。成功したのがラムズとバッカニアーズで、失敗したのがカウボーイズ。若手の契約が残っている(=安く契約出来ている)うちに大型補強をしてスーパーボウル制覇を目指す。場合によってはラムズの様に指名権を有力選手に変えることも厭わない。当然だが契約が重なるタイミングからは一気に戦力が落ちる。
最近はラムズ、バッカニアーズの成功とシーホークス、パッカーズ、セインツあたりの停滞から「all-in」のチームが増えるような空気がある。ビルズ、チーフスあたりもこの流れに乗るかもしれない。「all-in」のメリットはコスパが良いこと。勝てるチーム、特にスーパーボウル制覇を狙えるチームに行きたい選手はたくさんいる。そうした選手は多少サラリーが安くても契約してくれることがある。そうした意味で短期的にはコスパが良い。
NFLチームが目指すのはスーパーボウル制覇である。プレーオフに何回出場しても一回のスーパーボウルに敵わない。その意味でシーホークスは明らかに実力不足だった。プレーオフこそ目指せるが、激しいパスラッシュと効果的な攻撃を持つ上位チーム(ラムズやパッカーズ)にプレーオフで勝てる実力は無い。
スーパーボウル制覇を目指すなら通らなくてはいけない道だったとは思う。もちろん低迷期に入る可能性もある。そうなればピートキャロル時代も終わり、また新しくチームを作る必要が出てくるだろう。
その結果を一ファンとしては見守るしかない。
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