J2第2節 群馬×水戸 試合まとめ
群馬 1 - 3 水戸
34分 水戸・中山
71分 水戸・中山
85分 水戸・ンドカ
88分 群馬・進
再開初戦の北関東ダービーは我らが水戸の完勝に終わった。自由に動く奥田を中心に中山、松崎らが絡む攻撃は迫力十分。被カウンター時の戻りも早く群馬に効果的な攻撃を展開させず。終盤の失点は完全に蛇足だが完璧と言っていい試合内容だった。
スタイルを作りつつある水戸守備陣
水戸は守備時は西ケ谷体制から大きな変化のない4-4-2。DFが高いラインを取り横方向も詰めて全体を密集させる守備システム。J2では町田、千葉がこのスタイルで有名だが水戸も基本的にはこの形で一貫している。攻撃時は奥田を一列下がらせた4-2-3-1的な形。FWの片割れを下がらせる形はそこまで珍しいものではなく、可変システムを採用した開幕戦よりシンプル。群馬が立ち上がりからプレスが弱く、ホームでありながら引き気味の試合展開だったためボールを握ることに成功。西ケ谷、長谷部両監督であれば前に蹴らせたシーンでしっかり繋ぎ、二列目の木村、奥田、松崎を中心に攻撃を構築。特に水戸では初出場の奥田はフィジカルを活かして前を向き、群馬の内田、宮阪を下げさせたことで守備面でも効果的だった。二列目+SBで上手くボールが回ることもあり安東、山田はそこまで高い位置を取らず。被カウンター時のリスクマネジメントで優位に立ち、チーム全体で好循環をもたらしていた。圧倒的に押し込みながらなかなか点が取れなかったがストライカー中山の2得点で勝負あり。再開初戦としてはこれ以上ない好ゲームだった。
走る人材の不在が響いた群馬
群馬はチーム全体が機能不全に。岩上はキックが持ち味の選手でありSBで使うのであれば彼を上がらせる時間やスペースが必要。二列目に入ったのは本職SBの平尾。スペースを食い合い機能不全に陥った。左サイドの田中、加藤はどちらもドリブラータイプでこちらもプレーエリアが被り気味。彼らのキープから大外を上がってきた高瀬のクロスは群馬が唯一流れの中で可能性のあった形だが、これは功を奏さず。足元で受けたいタイプの林を宮阪、内田が裏に走らせたが細川、ンドカ、松井の水戸守備陣に勝利出来ず。有能なパサーである宮阪は押し込まれる展開で輝きを放てず、内田も奥田に翻弄された印象。J2昇格に際して実績ある選手を多く入れたが上手くいっていない感。オシム的に言うなら「水を運ぶ」選手が不在。これは大前が戻ってきてどうにかなる問題でなく、チームの浮上には時間が必要と感じる。
水戸選手採点
GK 50 松井謙弥 5.5
宮阪のロングキックと失点シーン以外枠内シュートなし。セーブ機会がなかった。時折来るバックパスへの対処は問題なし。
DF 3 前嶋洋太 6.0
高瀬に深くまで入られるシーンもあったが徐々に適応し上手くスペースを埋めた。外山と流れの中で入れ替わるシーンも。
DF 24 細川淳矢 6.0
時々林を使った裏へのパスがあったが上手く対処。マッチアップした林・加藤に持ち味を発揮させず。
DF 4 ンドカ・ボニフェイス 6.0
群馬FW陣をを対地空上手く抑え群馬の攻撃を機能不全に陥らせた。そつのないビルドアップも優秀だったが手癖の悪さを匂わせるシーンが気になった。
DF 23 外山凌 6.5
高い位置を取り岩上、平尾を抑えることに成功。ビルドアップの中心として今までであれば前に蹴っていたシーンも繋ぎ攻撃を構築した。
MF 5 木村祐志 6.0
安定したキープ力で外山を生かしつつ守備面でも効果的なプレッシングを見せた。
MF 7 山田康太 6.0
あまり高い位置を取らず攻撃面では見せ場が無かったが、悪くない働き。
MF 8 安東輝 6.0
持ち味である競り合いの強さを見せ、相手の起点を潰していた。山田と同じく攻撃面では見せ場が少なかったが、セットプレーのキッカーも務めた。
MF 27 松崎快 6.5
上々のデビュー戦に。内に持ち込んで利き足である左足のシュートは可能性あり。それだけでなく縦に切れ込むシーンもあり引き出しの多さをアピールした。
FW 15 奥田晃也 6.5
フィジカルと技術を両立したプレースタイルは魅力十分。間で受けてのボールキープは本田圭佑を彷彿とさせた。スケールの大きさを見せた。横パスをさらわれたシーンは要注意。
FW 9 中山仁斗 7.0
シュートへの気持ちの強さとそれを実現する能力は荒田・高崎以来10年間水戸が望み続けたストライカーの才能。キャプテンとしてこれ以上ない働き。
交代選手
70分 MF 20 森勇人(←木村) 6.5
終盤押し込まれる展開の中で推進力を発揮し、フィニッシュまで持ち込む。昨年から輝いていた攻撃性能を今年は存分に見せて欲しい。
70分 MF 10 山口一真(←松崎)6.5
本人の入団時の希望とは異なり二列目での出場となったが、輝く才能を発揮。キッカーとしてアシストを記録しキック精度をアピールしただけでなく、狭いエリアでキラーパスを連発し視野の広さも見せた。今後出番があるはず。
80分 DF 28 乾貴哉(←前嶋) 採点不可
外山が右へ回り左SBに入った。押し込まれる展開ではあったが仕事は少なかった。
87分 DF 2 住吉ジェラニレショーン(←外山)採点不可
試合をクローズさせる流れの中で登場。守備陣内でやや混乱があり出場後すぐ失点となってしまったのは残念。
87分 FW 48 アレフ・ピットブル(←中山)採点不可
試合終盤に登場。見せ場は少なかったが群馬DFに競り合いで完勝したシーンもあり持ち味のアピールには成功した。
監督 秋葉忠宏
開幕戦から攻撃面でやや変化をつけ、これがチームに勝利をもたらした。上手く選手の特徴を引き出し、魅力溢れるサッカーを展開。ここからの過密日程に対して選手層の掘り下げにも成功。終盤の一点は無駄だったがここからの改善に期待。
アメフト、野球、サッカーの落書きです。