島食の留学弁当(2023.8.18)
生徒たちだけでお品書きを考え、仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、島食の留学弁当の第2弾!
前回のお弁当のことも踏まえて、今回のお弁当についてお品書き担当の生徒ふたりにインタビューしました。
簡単に自己紹介をお願いします。
森川:
森川莉帆です。大阪府出身です。
ここに来る前は老人ホームで管理栄養士をしていました。
島食の寺子屋に入塾した理由は、調理の勉強を一から学んでみたいと思ったことと、生産者さんに近いところで学べることと、島暮らしを体験してみたいなと思ったのが理由です。
野本:
野本茉那です。神奈川県出身です。ここに来る前は、東京で青果物の流通にたずさわる仕事をしていました。島食の寺子屋に入塾した理由は、四季折々の季節仕事ができたりとか、第一次産業の現場に近いところで学べたり。あと、料理も基礎から学びたいと思ったので来ました。
今回のお弁当のテーマは?そのテーマにした理由は?
森川:
テーマは「涼夏御膳」です。
このテーマにした理由は、前回の留学弁当のアンケートで、「さっぱりしていて食べやすかった」とか「夏バテしてて食が進みにくい時期」って書いている方がいらっしゃったので、そういう声を拾ってみて、涼しげでさっぱりしたメニューになるような献立にしてみました。
野本:
夏を感じやすいように、酸味を感じやすいものとか、ひんやり冷たく感じやすいものとかを入れました。
お勧めの一品と、お弁当としての全体のバランスをどのように整えたか教えてください。
野本:
お勧めの一品は、ご飯ですね。
最初の計画では炊き込みご飯にしようかなと思っていたんですけど、お盆休みと重なって漁がなくて、炊き込みご飯に使える魚もないという事情もあったりして。炊き込みご飯が、お弁当にはいいかなと思ったけど、さっぱりめに仕上げることを優先しました。
最初は、梅酢との和えご飯でさっぱりにしようかなと思っていて、昨日までそれでやろうと思っていたんですけど、それだと前回の留学弁当(8月9日実施分)と雰囲気が似ていて面白くないから変化をつけようって先生に言われて、急遽内容を変えました。
森川:
試作をしている段階で、ご飯に食感がないっていうのも先生から言われて。それで、人参と茗荷を混ぜ込んで、その上に紫蘇と小豆を煎ったものを散らして、真ん中に青トマトの浅漬けを載せることになりました。
あと、もともとは松風焼きを入れようと思っていたんですけど、夏の感じが薄くなっちゃうなと感じたので、ゼリー寄せとかいいかなと思って入れてみました。
お弁当全体のバランスはどのように?
野本:
色はけっこう気にしました。試作で作った時は、茶色いゾーンと彩りゾーンが分かれていたんだけど、最終的には彩りをミックスしてカラフルに仕上げました。
あと味については、酸っぱいとか辛いとか甘いとかの五味を、考えて詰め込みました。
時期的に難しさを感じたことはありますか?
野本:
漁師さんがお盆休みだったこともあって、焼物につかう魚が入手できなくて。校舎にストックしていた魚がブリ・マルゴ系統しかなかったんです。
この時期のブリ系は脂が乗っていないから、普通に焼くだけだと美味しくないかなと思って、最初は竜田揚げにしようかなと思ったり、幽庵焼き、塩麴焼き、とか麹の力を借りて柔らかくしようかなと色々と試作をしてみて、最終的に幽庵焼きに落ち着きました。
最後に食べ手の皆さんにひと言。
野本:
残暑厳しいですけど、お弁当で暑さを吹っ飛ばしてください!
森川:
色々と試行錯誤して作ったので、味わっていただけると嬉しいです。
【余談】島食の寺子屋で最近印象に残っていることは?
野本:
スイカ割りです。15時に授業が早めに終わると思っていて、そこから外に出かけることになって、うわぁどうなるんだろうと思ったけど。めちゃめちゃ夏を感じられて楽しかったです。
あとは竹の箸を作ったこと。たまたま会った方から、すごい喜んでいて。まだ使って下さっている方もいるみたいで。
森川:
校舎前の畑でとうもろこしを育ててみたんですけど、房ができて実っているなと勝手に思っていたんですけど、中をめくってみたら全然できていなくて、簡単にはいかないんだなって感じたことと。受粉をちゃんとさせていなかったからなのか、なんなのか。
牧草ロールは、単純にロールを運んでトラックに入れるというのが思い出に残ったのと、テープを巻く作業が他に何もできないのに、作業そのものにすごく時間がかかる大変さを感じました。
(収録@島食の寺子屋校舎 2023年8月17日 登校してすぐ)