![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/136936314/rectangle_large_type_2_dadfe0fc73da3a9dc51f4d190d0b2f04.jpeg?width=1200)
卒業生インタビュー(鈴木さん)
1年間お疲れ様でした。1年間を終えてみた感想を、ひと言お願いします。
鈴木さん:
大変な一年でした(笑) よくやりきったなと思います。
島食の寺子屋に入塾した理由を改めて教えてください。
鈴木さん:
妻が海外に住みたくて、料理も好きだったので、海外で料理屋さんに就職したいということを言っていて。海外の料理店での就職先を探していると意外にぽんぽんと見つかっていったんですね。じゃあ、料理ができれば妻についていける可能性が高まるなと思って。
で、料理は苦手だったんですけど、できるようになってみようと思って入塾しました。もともと離島(東京の三宅島)で暮らしたこともあって、島の暮らしも好きだったので、「離島×料理学校」ということで、ちょうど自分の希望通りの学校が見つかった感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1712826774296-Aunyurnt3S.jpg?width=1200)
この一年を通して、自分自身で変わったことは?
まとめるのはすごく難しいんですけど。
料理をするときに、今までレシピ通りに作ってみて、「できた、わぁ」で終わっていたんですけど。寺子屋で色んな技術・知識を学ぶ中で、「もっとこうしたら良くなるんじゃないか」って試行錯誤をする為の基礎が身に付いてきて。
例えば、ひとつのレシピを使ってみた結果に満足することなく、もっと良くする為にはどうしたらいいのかって考えるようになりました。先生もよく「ゴールはない」って仰っていたんですけど。
あと、1年を通してみて、自分の得意なことと苦手なことっていうのがはっきりしてきたというか。
もともと料理が好きだと思ってやってきたことがなくて。
「辛いな、苦手だな、なんでできないんだろうな」って気持ちの方が先行してたんですけど、鳥米さんでの研修が楽しかったりして。
![](https://assets.st-note.com/img/1712826873681-6jlvh5xL6K.jpg?width=1200)
家で料理するのも好きじゃないけど、魚を捌いてお寿司にするとか、特定の分野で楽しいと思うことがあって。それは繰り返し同じことをやっていくことが自分は好きみたいで。
![](https://assets.st-note.com/img/1712827309190-OPmnSQOUDG.jpg?width=1200)
寺子屋での生活って次から次へと新しいことを学び続ける日々で、あっち行ったりこっち行ったりするじゃないですか。それは本当にわたしの不得意なことが続くんだなってわかって。
でも料理全般が不得意だって認識だったんですけど、自分が得意なジャンルとかやり方があるなっていうのが分かってきたんです。
離島キッチン海士で会席料理を提供するときって、毎回メニューが変わるじゃないですか。毎回新しいことなので大変なことなんですけど、これから私が行く就職先では1ヵ月ごとにメニューを変えるらしいんですね。基本、コース料理がメインなので、やることが月単位で定まってきて、やることはある程度定まっているけど、そのなかでどんどんアップデートさせていく流れで。それ位が自分に向いているんじゃないかなと思って。
![](https://assets.st-note.com/img/1712826908179-fiyXGqNUiv.jpg?width=1200)
卒業制作弁当も同じ内容を3日に渡って仕上げていくスケジュールだったので、同じものでもアップデートさせていくことが自分にとってすごく楽しかったです。
苦手な料理に向き合った1年の中で一番の危機は?
基本が辛かったんで(笑)
でも、逆にみんながもともと料理が好きとか、目的がちゃんとあったりして、モチベーションもあるし、技術的にももともと素養がある人が多かったので、周りに助けられることも多々ありましたね。優しく扱ってもらえたというか。
みんなの中で、自分が一番料理が下手だって自覚がはっきりしていたので、そこはしょうがないって割り切れたところもありました。そこの関係性が良かったから、余計に人と比べてしまうことなく、「これ自分にはできないからやってほしい」とかも言いやすかったですし。
あと、こだわりが強いタイプではなかったので、「これやりたい」っていう人のサポートをするのが好きだったかもしれないです。0から1を作るのは苦手だけど、1を10にしていく方はどちらかというと得意なので、そこの役割が良かったのかなと思ったのと。
あと自分は大根と闘う1年間でした。
大根の桂剥きは、求められていたレベルに最後まで到達することができなくて。和え物用とかのサイズであればできるんですけど、他のみんなのと比べたら2倍くらい厚いし。だから、逆に思い入れがあって。これから大根と付き合い続けないといけないなって(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1712826959503-wnbFJVvU3F.jpg?width=1200)
大根から始まり大根で終わりということで、卒業制作弁当では大根担当になりましたね。それだけはやりたかったので、それだけは他のみんなに伝えて卒業制作に臨みました。
島食の寺子屋を就職先のドイツ人に説明するとしたら、どう説明しますか?
鈴木さん:
一番のポイントは生産現場に行って、こういうものをこうやって採るんだよとか、採るところから関わっている特殊な学校と説明するかな。
普通の料理学校みたいに、用意されたものを料理するっていうのがスタートラインになる人が多いと思うんですけど、そこが一番の違いなのでそこは説明すると思いますね。
卒業後はどこで働く予定ですか?
ドイツのフランクフルトにある「KAGURA」ってお店です。
前までは別の店名で本格的な会席料理を8,9品くらいで出していたんですけど、どうしても価格帯が高くなってしまうので、もう少し値段を下げてカジュアルにお客様に来てもらいたいということで、2月から再スタートするみたいな感じのとろです。
コース5,6品で途中でお寿司も出てきて、ちょっと洋風なお皿とかソースを使ったりで、和洋フュージョンみたいなお店です。
料理人が2人いてアドバイザーみたいな人が1人いて、あとは私と妻がそこに入るような感じです。夫婦で料理人としてそこに就職します。料理ができればやっぱりどこでも生きていけると思いますね。
最終的には自給自足的な暮らしを目指していて、わたしはどっちかというと生産の方に興味があるので、農業の方に関わりたいと思いますね。一つじゃない方がいいなと思って、暮らしがそのまま仕事に繋がっているようなスタイルを目指していきたいなと思います。
最後に。これから島食の寺子屋に入塾してくる方々にひと言。
島食の寺子屋のスケジュールは、基本的に未定なので頑張ってください(笑)
ありがとうございました!
![](https://assets.st-note.com/img/1712827398548-rfrgN81sFC.jpg?width=1200)
(収録:2024年3月14日 島食の寺子屋校舎前)