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4月の振り返りと今の思い
私は前職に就く前からいずれは料理の勉強がしたい、食に関わる仕事がしたいという思いがあり、飲食店に勤めるか、料理教室の先生をするか...とも考えていたけれど、料理の知識も技術も何もない状態で今までとは全く違う世界に踏み出す勇気が持てなかった。
私が寺子屋を選んだのは、豊かな自然の中で和食が学べる、少人数制で基礎から教えてもらえるというところに魅力を感じたから。私自身和食が好きなのと、料理をする上での基本は和食にあるのではないかという思いがあり、料理を学ぶなら和食がいいと思っていた。それに、本土には誘惑だらけでなかなか打ち込めない。ここに来れば、じっくり自分のやりたいことだけに向き合えるんじゃないかと思った。
島に来て一か月、授業では桂剥きや刻みの練習、魚のさばき方、様々な調理法、味付けなど、すでにたくさんの経験をさせてもらった。印象に残っているのは、島でいただいた育ちすぎた野菜や形の悪い野菜たち。それを食べられるかどうか自分たちで触って食べて選別し、調理して食べたことで、食材の見方や考え方が変わったような気がする。今までスーパーにある形のそろったきれいな野菜を当たり前のように食べてきたけれど、そこに出されなかった野菜はどこに行っているのだろうか。私は売り物に選ばれなかった野菜を大事にしていきたいと思うようになった。
(育ちすぎたほうれん草のカレー , 育ちすぎたキャベツ入りおからと千切りキャベツ)
それから魚の食べ方。身を食べるのはもちろん、アラでは出汁がとれ、またそのアラを食べる。ゴマアジなどの小さな魚だと骨まで食べられる。食べるとこだらけの魚に驚いた。
初めて桂剥きの練習をした日の、先生の手元を見て同じようにしようとしてもなかなか包丁が動かず包丁の使い方がさっぱりわからなかった時の気持ちと、初めて離島キッチンを経験した日のお客様に提供する料理を作る責任感や緊張感、自分が何を学びに来たのか再確認した時の気持ちも忘れないようにしたい。
(文:島食の寺子屋生徒 武田)