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見えない繋がり


物事は単体で存在しているわけではなく必ず繋がっている。だからこそ大切なのは、物事が起こったときに“なぜ?どうして?”と疑問に思うこと。一つを深堀していくとそこにたくさんの見えない繋がりがあることに気づく。

これは、先日授業終わりに学習支援センターに大人のジオパーク講座を聞きに行ったときに心に残った言葉。

隠岐の島全体が世界ジオパークに認定されている。ジオパーク(大地の公園)、地質地形を保存し、教育に活用したり地域の復興を促進され、「価値のある場所」とされている。

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しかし隠岐の島は、地質が特化しているわけではなかった。けれども世界ジオパークに認定された理由として、
地形や地質と人の営みがとても密接に関わり合っていてそれがわかりやすいこと、また今でも受け継がれ残ってることを評価されたと教えてもらった。

そこで冒頭に出てきた言葉が紹介された。
いま当たり前のようにある隠岐の島の日常や常識を「何で〜なんだろう?」と、そのものが生まれた背景や理由をたどっていくと、いま目には見えない過去との繋がり、地域とのつながり、自然との繋がり、、、があるということ。そして、それらの蓄積がいまの隠岐の島の生活、営みをつくりあげているということ。

例えば、同じ海士町の中にもアメフラシという大きいナメクジのような軟体動物を食べてきた人と食べてきていない人がいる。魚があれば魚を食べるはずなのに、アメフラシを食べてきた人がいるという背景には、魚をとれない地域の人たちがいたから、アメフラシを食べる文化ができた。

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祭事において言えば、神楽で巫女舞がある。(とても珍しいとされている)同様に出雲も巫女舞があり、隠岐との繋がりがあることがわかる。実際に発掘された銅剣から出雲王朝との繋がりがあり出雲の文化が隠岐にも伝わってきている。等など‥

この考え方ジオパークだけにとどまらず色んなことに当てはまるのだと思う。そして、最近アルケッチャーノの奥田シェフの本を読んでいたときにその土地の自然を見ることで何をどのように料理したらいいのか、見えてくるという自然(地域)と食文化のつながりを知ったときと同じ感動を覚えた。

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食という一つのものばかり見ていけばいくほどいいと思いがちだが、実はもっと広い視野で(地域から、自然から、文化から)食というものを掘り下げていくとそこには見えない繋がりがたくさんあり、より深く理解でき、よりそのものの価値を引き上げることができるのではないかと思った。


(文:岡村)