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島食の留学弁当(2024.8.23)

生徒たちだけでお品書きを考え、
仕込みの段取りも自分たちで考え組み立てていく「島食の留学弁当」企画。今回は、2024年度夏 島食の留学弁当の第3弾!今回のお弁当のお勧めや、自分たちなりにチャレンジしたことなどを話してもらいました。


左から 前田、坂元、橋本

簡単に自己紹介をお願いします。

橋本:
鳥取県出身の橋本です。
以前は旅行業界に勤めていました。寺子屋に入塾した理由は、まず食材に一番近くて生産者に触れあいながら、料理を学べるというところと。崎の漁港とシェアハウスが近いという環境にも惹かれて来ました。

前田:
大阪府から来ました、前田です。
以前は大学で人間福祉の勉強をしていました。寺子屋に入塾した理由は、大学時代に在来野菜を育てている農家さんに話を聞くうちに、農家さんの抱えている問題とか、在来野菜の魅力を伝えていくことを、これから料理を通してしていきたいと思って、料理の道に進むことにしました。

坂元:
熊本県出身の坂元です。寺子屋に来る前は大学生をしていました。
日本料理店で修行をしようと思っていましたが、寺子屋で料理人として大事な部分を身に着けることができると思ったので、1年間ここでみっちり身に着けたうえで、料理店への修行に入ろうと思いました。


今回のお弁当のテーマはありますか?お勧めがあれば教えてください。

橋本:
今回はお弁当に自分たちの出身地やゆかりのある場所の郷土料理をアイデアベースにしてみたのと、あとは夏野菜をふんだんに使っているので、目でも楽しんでもらえるような弁当を今回は目指して作りました。

鳥取ですと、釜焼きっていうお餅の中に餡子を包んで茗荷の葉をまいて焼いて食べるお菓子があるんですけど、それからヒントをもらって今回水まんじゅうの器を茗荷の葉で包んでみました。

あと、キンニャモニャ祭りが近いので、さつま揚げをしゃもじ型に挑戦してみようとしてみました。箸も今回手作りで作りました。

恒光:郷土料理をテーマにしようと思ったのはなぜですか?

坂元:
美味しいものをみんなにも食べてもらいたいと思って。給食とかにも出ていた地元の味とか。

熊本の郷土料理になる、茄子とピーマンの「ひこずり」っていうのを作ったんですけど、簡単にいうと味噌炒めで。「ひこずる」というのは熊本弁で「ひきずる」という意味で、味噌をこすりつけて茄子とピーマンに味をつけるという郷土料理なので、ぜひ食べて欲しいです。

前田:
私は出身の大阪ではないんですけど、高校時代に過ごした山形からヒントを得て、紫蘇巻きというのを作りました。紫蘇巻きというのは、甘じょっぱい味噌を紫蘇で巻いて、揚げたり焼いたりするもので、お茶請けとかご飯のお供にするものなんですけど、今回は海士町の伝統調味料のこじょうゆ味噌を巻いてみました。

先生に、こじょうゆ味噌が最近変わったって聞いて。
昔は黒っぽい結構醤油が強い感じだったのが、最近になって味噌を作る方が変わって、こじょうゆ糀が変わって、今はつぶつぶした感じのこじょうゆになっていて。それを知らない最近来た人に、新旧のこじょうゆ味噌を食べてもらいたくて、二種類に分けて巻いているので、食べ比べて楽しんでもらえたらと思います。


試作を重ねるうちにお弁当の内容が変わっていったことはありますか?

前田:
ふたつ話すと。
まず豆腐を使おうと思っていて、白和えとかがんもどきとかいっぱいあったんですけど、亀田商店さんがお盆休みに入るってことで、豆腐が使えなくなって。

でも和え物は入れたいなってなって、色々調べたり考えたりして初めて酒粕和えというのに挑戦してみましたというのがひとつと。

あと、かぼちゃきんつばを作りたくて、けっこう試作を重ねてみたかったんですけど、急遽すいかを沢山頂いたので、すいかゼリーだったり、スイカの実と皮の部分を使った甘酢漬けを作ったりして。結構、そういう予想外のことがありながらも、新しいことにチャレンジ出来たのがよかったです。

坂元:
炊き合わせで、かぼちゃの葉っぱに挑戦しようと思って、出来るだけクオリティの高い葉っぱを5時間かけて作ったので、ぜひ見て楽しんで食べてもらえたらなと思います。包丁で線を入れて葉っぱの形にする作業だけで5時間です。


最後に食べ手の皆さんにひと言。

橋本:
今回は夏野菜の彩りが開けた瞬間とかに感じられるように、色合いとかを大切に作ったので、その辺りの感想とか頂けたら嬉しいです。

前田:
まだまだ暑さが残りますが、しっかり食べて午後の仕事も頑張ってください。

坂元:
お弁当の購入ありがとうございます。
試作をたくさん重ねて自分たちなりに美味しいものを作ることができたと思うので、美味しく食べてもらえたら嬉しいです。


番外編 8月も残りわずか。どのように過ごしていきますか?

橋本:
この一年で最後の夏なので、もうちょっと海に入りたいというのと。もう少しスイカを食べたいというのと(笑)

あとは、入塾して半年ほどの節目の時期でもあるので、まとめていることを見返したり、4連休もあるので図書館に行って本とかを読んで、自分の中で食にどっぷりはまるような日にしたいと思います。

坂元:
8月いっぱい海に入れるので、あと三回くらいは海に入りたいのと。
自分は来年は島外に出ると思うので、夏の島らしいことを思い存分楽しみたいと思います。

前田:
最近はまっていることが、海の前でギターを持って歌うということなので、かきならしたいと思います。

もうひとつは、入塾して半年ほど学んで一通りお弁当を作れるようになるまで成長したなと思うので、なにが分かっていなくて、なにが出来ているのか、自分の今の位置を分かりたいと思います。


(収録:2024年8月21日@島食の寺子屋校舎 放課後)