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第14話 専修大学のフィールド演習@菌屋



フィールド演習

ネット検索では、フィールド演習の広義を次のように書かれています。

教室外のフィールド(地域の現場)を主な学習の場として、課題発見能力、課題探求能力、コミュニケーション能力、行動力、社会性などの力を総合的に学ぶ教育方法のこと。

ネット検索

〇〇力という言葉が羅列していますが、実際には、得手不得手や本人の性格が関わりますし、仮にすべての能力に長けたとしたら、その先には何があるのでしょうか。

一方、専修大学では次のようなテーマを設けているようです。

この世界に存在している「人間ではない者たち」と、自分(学習者)が協働することによって、自然と人間の関係を修復し、育てていくことを試みる。また、それによって何が起きたかを深く観察する。

打ち合わせ時のお話から

「人間ではない者たち」とは何かを考えるには、人間とは何かを考える必要があるようですね。


課題:専修エールをつくる!

さて、令和6年5月末、専修大学 情報ネットワーク学部の上平先生からの依頼で行いました「専修大学フィールド演習@菌屋」は、日本の発酵食を3つを試食しながら、菌屋発酵牛乳での乾杯でスタートしました!

日本の麹の力

生姜は上平先生が買い集めてきてくださいました。(生徒想いな先生です。)
そして、生徒一人一人が思い思いのフルーツやハーブなどを持ち寄って、切ったり、剥いたりして、投げ入れます。そして、水と砂糖を入れます。砂糖は、糖分の高いフルーツなどが沢山入っていれば少なく、もしくは入れなくても良いかもしれません。

バラバラ感が楽しい
みんな包丁使いが上手


容器に材料と生姜を詰め込む


② 自分が投げ入れた食材の名前と絵を書いて、記録する。

鉛筆で描く


ランダムおもしろい


整列も気持ちがいい


③ 3日くらいでシュワシュワ発酵して、10日もすれば出来上がり。身沢山で美味しいこ事でしょう。出来上がったエールを誰と何処でどのように飲むか、またどのように継ぎ足し繋いでいくかも、生徒さんにお任せです。発酵に一番必要なのは「いちいち面倒をみる」という事。面倒くさいは禁物です。

発酵してなくても美味しそうだ


きっかけは学生あてのビデオレター依頼

ネットワーク情報学部学生のために5分ほどのビデオレターをつくって欲しい、という上平先生の依頼がありました。有難くお応えし動画を作りまして授業で使って頂きました。動画は未熟で恥ずかしいので控えますが、有り難いことに生徒さんたちからの応答を大学側がまとめてくださったので添付して置きます。


また、これをきっかけに、大学生の頃って自分は何に感動したのだろうか、衝撃を受けたのだろうかと思い出すことにもなりました。
私は音大ピアノ科で、学校で初めて聴いたストラビンスキーの管弦楽曲、プロコフィエフのピアノ曲に衝撃を受けました。同時に、「これ、中学生くらいの時に聴きたかったな、私は何て遅いんだ、鈍いんだ、幼いんだ…」と情けなく思ったのも覚えてます。また、入学後しばらくして大学全体の授業構成などに幻滅したり、意外と一般教養が楽しかったり、いろいろな事を感じてとても燻っていた大学生時代でした。

菌屋を使ってくれてありがとう


人は能力があればいいのか

フィールド演習で総合力を身につける試みはきっかけ作りとなり良いかと思います。しかし、総合よりも専門を身につけることが、いずれ総合的な力を身に付けざるを得ない環境を得るという近道になるのではないかと思いました。宇宙を見たければ我が足元を見よ、っていいますもんね。
生徒一人一人のための、人生の遠近両用めがねの見立てのお手伝いが、教育の仕事ではないかと私は思っています。

能力があっても何もしなければ宝の持ち腐れです。お金がいっぱいあっても使い方を知らないのも人を腐らせます。人が人らしくあるために必要なのは使命感だと思います。理想、苦悩、狂気、孤独…なども付随してきます。周りに合わせて困ることなく安定した楽な毎日は家畜やペットと一緒です。人間らしくいるということは、能力を気にしている場合ではないくらい、必然で、切実で、とても哀しいものだと私は思ってます。
おそらく人生で一番多感な10代、辛く汚れるのも悪くはありません。必ず美しい花が咲きます。

…と、お婆さんは思うのであります。
最近、私の後輩に赤ちゃんが次々と産まれました。おめでとう。一気に孫ができた気分でご機嫌な今日この頃です。

最後に、貴重な機会をくださった専修大学の上平崇仁先生に感謝申し上げます。