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“タフでパワフル”福島県で見つけた温かなつながりをつくる4団体(前編)

2024年11月、テラエナジーが福島を訪問しました。
目的は福島にある素敵な団体に、ほっと資産団体になっていただくこと!

メンバーは私、山中と、テラエナジーのイラストレーターのカズマキカクさんの二人です。
作中のイラストは全てカズマさんのイラストです。

これが今回の行程です。福島を縦横無尽?に駆け回りました!

今回のnoteでは、福島でお会いしたステキな団体さんの紹介をしていきたいと思います!


認定NPO法人ふくしまNPOネットワークセンター

NPOや市民活動の中間支援をされている団体です。
福島県・福島市のNPOセンターの運営をされています。

理事・事務局長の内山愛美さん、常務理事の深澤秀樹さんにお話を伺いました。

左が内山さん、右が深澤さん

こちらの団体は、県と市のNPOセンターを運営されています。
福島県内の団体ネットワークを活かして、高校生や大学生がNPO団体の活動に参加し、福島県の復興や法人の活動、地域の課題解決などについて学び、活動に参加する「チャレンジインターンシップ」を長く運営されています。

学生にとっても、自分の住んでいる地域のNPOにインターンシップに行くことで、地域の現状や課題、そこに取り組む人たちと出会うことができます。
今まで見えてなかった課題に気づいたり、職員や利用者、インターン同士のコミュニケーションを体験から学ぶことができると、毎年たくさんの申し込みがあるそう。

募集チラシには先輩の体験談もぎっしり

事務局長の内山さんの福島県内のNPOネットワークがすごくて、それがあるからこそ、このインターンの仕組みが成り立っているんだなと思いました。

一緒にお話をお聞きした、常務理事の深澤さんも笑顔がキュートな素敵な方でした。
福島キャノン株式会社の代表をされたのち、NPOセクターにこられたそうです。
営利・非営利セクター両方を経験され、しかも経営をされていた視点を活かした、NPOの経営や組織運営を学べるゼミ・講演が人気だそうです。
私も受けてみたい!

このあと、飲みに連れて行っていただき仲良くなりました。大好き。

というわけで、福島1日目の夜は、こちらの深澤さんにお連れいただいた飲み屋さんと、二次会のカラオケスナック「ヤッピー」で濃密に更けていくのでした。

スナックに集う面々が、歌唱力の上達を真剣に目指す珍しいスナックでした。忘れられない夜。

スナックでいただいた歌唱指導

「もっと歌詞を読むといい。メロディーはあとからついてくる」

いまも胸に生きています。

認定NPO法人ウィメンズベースふくしま

福島県郡山市で女性の人権を守り、ジェンダーにとらわれない多様な生き方を認めあう社会づくりに取り組んでおられる団体です。
2007年に前身の「女性の自立を応援する会」として活動をスタートされ、現在は主に以下の活動を実施されています。

  • 電話・面接相談、役所や警察・裁判所への同行支援

  • シェルターの運営

  • デートDV防止プログラムや、子どもの人権、DVについての講演会等の啓発活動

代表理事の後藤美津子さんにお話をお伺いしました

同団体は映画の上映会をきっかけに活動をスタートされ、その後は女性の人権に関するセミナーや支援者を養成する講座の開講、DV被害者の裁判支援などを行っておられました。

そんな折、東日本大震災が起こりますが、福島では原発事故があったため、国外・県外からのボランティアが退避し、ほぼ皆無の状態で避難生活がスタートしたそうです。

震災後1ヶ月ののち、郡山にあった「ビックパレットふくしま」という数千人の被災者の方が避難生活を送っておられたコンベンションセンターに、メンバーが訪問しました。

そこでは、トイレの前にもお年寄りや女性が寝起きし、ノロウイルス被害が起こっていたり、わずか50センチの高さしかない仕切りで隣り合わせて男女が寝起きしていたそうです。

当時の状態としては仕方ないこととはいえ、プライバシーが守られず、怖かったり、嫌がらせを受けて精神をすり減らす女性がいたそうです。

行政に要望書を提出するなどの働きかけをする中、5月に女性のためのスペースをつくるという動きがでてきたので、更衣室や授乳室、相談スペースなどの運営を他団体と連携してスタートされました。

8月には仮設住宅が設置されたので、今度はそちらに出向き、仮設住宅にできたオープンスペースで定期的な茶話会を開催しました。

また、原発の被災地で子育てをする母親の心理的支援をしたいということで「まま友さろん」をスタート。
こちらのさろんでは、託児サービスがあり、お母さんは身体を動かしたり手仕事をしながら、自分の気持ちに向き合い、気持ちを話す場になっているそうです。

一方、活動を続ける中で、プライバシーが守られた中で相談できる電話相談のニーズを感じ、2012年3月にはNPO法人化し、行政からの委託を受けて電話相談をスタートされます。
こちらも現在まで継続されており、年に1000本以上の相談電話がかかってくるそうです。

オフィスにて記念撮影。左から事務スタッフの鈴木さん、代表理事の後藤さん、山中

大きな災害や、コロナ禍などの社会情勢の変化のもとでは、女性や子どもなど、社会的・身体的弱者に暴力の矛先が向かうという事は、ようやく社会の周知の事実になってきましたが、それでも一人ひとりが大変な中、困っている人の支援をするのは難しいもの。

こちらの団体さんは、発災後、福島県内だけではなく、日本中の女性支援ネットワークやつながりを活かし、原発事故や暴力被害に苦しむ女性をきめ細かくサポートしてこられました。
そんなお話を直接お聞きすることができて、胸が熱くなりました。

ウィメンズベースふくしまさん、ありがとうございました!


以上、福島の2団体をご紹介しました。
実際に伺って思ったことは、震災を経ておられるからか、みなさんネットワークをしっかり持っておられるし、すごくタフでパワフルだなぁ!という印象でした。

前述しましたが、震災後すぐに原発の事故があったので、国内外のボランティアが福島中から引き上げて、避難所にボランティアがいない状態だったそうです。
そんな中、活動を行ってこられたのもすごいと思いますし、そんな逆風だらけの中だからこそ育まれた、人のつながりや温かさ、ネットワークなのかな、と感じました。

お忙しい中お時間を割いて貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

福島でみつけた干し柿


後編に続きます

イラスト:カズマキカク


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