自分は正義の側にいたいという欲望

常に自分は加害の側にいないという信念は多くの人がもっている。つまり被害者に寄り添う側にいて、加害者を罰する権利をもっているという思い込みである。しかし、加害と被害は表裏一体で、簡単にひっくり返るのだ。今年なくなったチェコの作家がある作品の中でこんなことを書いている、人間は誰かを裁きたいという欲望を隠し持っている、と。
最近の世の中で散見される、一斉にミスを犯したり、加害に加担した人間や組織を、自らを正義の側にいると信じて攻撃する人間をみると、自らに内在すること不正義や不誠実をかえりみることはないのだろうか、と疑問におもう。当事者性の欠如しているその態度をみるにつけ、私にも反省を強いる。

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