笑期講習10日間を終えて
いやー疲れました。
正直言って、軽はずみにやるようなことではなかったです。
コロナで劇場休館が発表されるその前に、
土日の営業がバラシになって、
「休みだけど何かやりたい」そう思ってTwitterにこう呟きました。
これが2月26日水曜日の深夜で、
そこからいろいろ考えます。
24時間生配信もいいな。
配信中に募金を募って、どこかに寄付とかできないかな。
その時の企画は何がいいかな。
そんなことを考えていると、作家の原田さんから連絡がありました。
原田さんは1年先輩の作家さんで、デビュー当時からお世話になっています。
特にネットの知識が豊富で、この後知ることになるのですが、めちゃくちゃ高価な配信の機材とか持ってる配信マスターです。
そこで僕がやりたいことのイメージを伝え、とりあえず土日に配信してみましょうという方向に。
それと時を同じくして、劇場休館が発表されます。
おいおい、土日どころじゃねえじゃねえか。
向こう1週間休みになるんじゃね!?
平日のお仕事は劇場メイン、土日の営業がちょこちょこ。
そんな現状の僕らには大ダメージの現実が突きつけられました。
そこで僕は
てことは来週もずっと休みだから、配信とかできるしなんか継続的な企画考えられそうじゃないか?
と思ってどんな方法があるか考えました。
この時期はごちゃごちゃしてます。
ことの発端は土日の生配信やろうですから、まずそちらを固めないといけない。
募金はどうしようか。
何時間やろうか。
企画はどうしようか。
まあいろいろ調べた結果、日本では個人が募金を募るのは法律違反だそうで、それを知らなかった僕は、PayPayの送金システムを使って、画面にQRコードを写しておけば、みんなが送金してくれるのではないか?とか募金をできるサイトはないか?とかいろいろ探してました。
原田さんの助言で、集めた募金の寄付先はコロナの影響で街頭募金ができなくなってしまったあしなが育英会にしようとまで決まっていたのですが、法律に触れるわけにはいかないので、他の方法を探すことに。
そこで見つけたのが
コロナで活動自粛したアーティストなどが低い手数料でクラウドファンディングができるというやつ。
即応募。
その時に申請したプロジェクト実施目的がこれです。
目的は募金です。
リターンはまだ考えていませんが、芸人としてネット上で生配信をして支援を集めたいです。
集めた金額は手数料以外、全額あしなが育英会に募金します。
募金をネット上で集めたいのですが、日本にはそういうシステムがなく、配信などであしなが育英会に募金をしてくださいと促すより、一度僕が集約してイベントとして、エンタメ要素を少し含められたらなと思い、考えました。
その時に、適しているのがこのサービスだと思い選びました。
まあ、4日後くらいんに審査結果が来たのですが、
結果は、適用対象外で実施ならず。
なかなかうまくいきません。
もちろん、運営さんの想定している趣旨とちょっと違うかもしれないし、どこの馬の骨か知らない奴が募金したいんでリターンなしでクラウドファンディングさせてください。って言っておくようするかもしれないし、当然っちゃ当然。
この時はそんなこともつゆ知らず、
どっちにしろ審査が間に合わないから、日曜日の生配信は休日になってしまった芸人さんを集めて、傷を舐め合おうみたいな感じで行きましょうということに。まあ、この時点であまりにふわふわしてるので土曜日からぶっ通しの生配信は諦めてます。
これが金曜日の深夜くらい。
そして、この時に原田さんと電話しながらどうしていきましょうかって打ち合わせを。
(もちろん逐一相方の小林さんにもこんな感じのことやろうと思うんだけど?みたいな相談はしてます。)
そこでなんとなく来週からの通しの企画で僕の授業配信とかやれないかなって、学校の休校とかが話題になってたんで提案してみると、それいいですね。ってことで、その方向で考えてみようということに。
当初は僕が化学基礎の科目を1週間で総おさらいするという考えだったのですが、
せっかくだったら授業ができる芸人さんに協力してもらって、いろんな科目をやる学校みたいにできるんじゃないか?と膨らんで行ったわけです。
そして、ブロードキャストの房野さん、西村ヒロチョさん、理系ナイトのメンバーに直接打診してみることに。
皆さん、気持ちの良いくらいの快諾。
房野さんなんて3秒くらいで返信きました。
ヒロチョさんに至っては「ちゃんと読んでないけど、いいよ!」って。もうわけわかりません。
すごく感動したのを覚えています。
嬉しかった。
劇場休館で芸人がライブ以外にやることと言ったら、仕事がある人は別として、ネタを書くかバイトするか。
しかし、芸人なんて基本は目立ちたがり屋で騒ぎたい連中ですから、じっとはしてられません。生配信をいう発想は結構序盤で出てきます。
ただ、自分の不安を発散するだけの生配信をやっても仕方がないですから、自分たちならではの何かという考えのもとこの授業生配信を考えたのです。が、
この時はまだこんな大配信時代が訪れるとは思ってもみませんでした。
まあ芸人というのはそういう生き物です。
もともと毎日どこかで無数のライブが行われていたのです。
それがなくなったんだから、毎日どこかで無数の生配信が行われても不思議ではありません。
特に吉本は劇場が豊富にあるので、毎日楽屋で誰かと喋ったり、絶え間なくお笑いに触れている時間が流れています。
その空間が失われたんだから、お笑いリビングデッドと化した劇場芸人がネットの海を徘徊するのも無理ありません。
もしろ僕はそれがとても健全な姿にも見えます。
自分を肯定したいだけかもしてませんが。
まあ、そんなことはこの時考えもせず、
二つ返事で快諾してくださった先輩芸人の方々に感動していたのです。
そしてそんな僕が書いたnoteがこちら
このnoteを書く手前ではこんなことが起こっていました。
そしてこれをリンクしたツイートがこちら
1400リツイート、2500いいね。
僕にしては大したもんです。
まあバズったとは到底言えないですが、思いつきでの初期微動としてはなかなか。
てかバズるってどうやんの?
このツイートに反応してくださった芸人さんもたくさんいました。
そしてあれよあれよと1週間の授業枠がパンパンになってしましました。
大阪からネイビーズアフロの皆川くん。
1年目のもののあはれ北川くん、パークレーン島田くんとかも直接声をかけてくれました。
皆さん本当にありがとうございます。
これで始められる。ってことでなんとか来週の見通しが立ったのが土曜日の夕方。
水曜日の深夜から2日半ですね。
ただ、ここからが大変だった!!
まずは人手が足りない。
スケジュール管理、場所の管理、配信設備の確認などなど、全部やらなくちゃいけないですから。
制作のスタッフさんのありがたさを感じました。
そして日曜日に生配信しまして、
そこで参加してくれた
いまさらジャンプ山田くん
ドラゴンニンジャ
ダイヤモンドさん
バンビーノ藤田さん
レインボージャンボ
ビスケッティ岩橋さん
バビロンノリ
キャプテンザコさんとザコJr.
そしてカラタチ大山
には感謝感謝です。
みんなコロナでお仕事が休みになったり、もともと休みだったり、
そこで授業配信について形式や時間割を発表したりしました。
その日の夜にゆにばーすのはらから連絡があって、川越ももちゃんという後輩の作家さんが連絡を取りたいと。
ももちゃんは僕のツイートを見てくれて何か手伝えることはないかと、連絡をくれました。マジいい人。もともとそんな仕事を一緒にしたことはなかったけども、こういう時に優しくしてもらえるとほんと嬉しいよね。
私も仕事なくなっちゃったんで。そんなこと言ってましたが、そんな中で手伝うということを選んだことがとても素晴らしいと思います。ももちゃんは2週間ほぼ毎日参加してくれました。途中抜けしたり、来れない日ももちろんありましたが、本当に積極的に手伝ってくれました。youtubeのアーカイブとか作ってくれたのは全部ももちゃんです。ありがとう。
そしてもう一人、作家佐藤くん「車買うラジオ」「くつばこ」についてくださっている後輩作家さんです。僕のサロンにも作家として参加してもらってるし、僕は結構お世話になってます。今回はタイミング的に忙しかったようで、なかなか参加できなかったのですが、音が小さいってコメントをよくもらっていたマイクを提供してくれたのは佐藤くんです。ありがとう。
そんなメンツで1週目の授業が始まります。
1週間の授業内容については過去のまとめをご覧ください。
当初予定していた、僕の授業するスペースは最初の1コマしかなく、
僕と小林さんで生徒として授業を聞くスタイルで進めていくことになりました。
全部の授業ほんと面白いんです。
芸人さんってすごいと思いました。
面白いところの伝え方が上手なので、前振りを作って、本題があって、落ちまで作ってくれる。聞いてる方は至れり尽くせりです。
能動的に授業を受けるという環境が今までなかったのかもしれません。
カメラはありますが、先生の前には基本僕ら2人しかいませんから、適当に聞き流すわけにわ行きませんし、相槌や質問、時には突っ込んだりもします。
芸人さんによってはそれがあったからやりやすかったと言ってくれる人もいました。
1週目の視聴者さんは初日は2,300人いらっしゃいましたが、だんだん減り、まあ50人から100人くらいで落ち着きました。
まあyoutubeの配信として決して多くはないですが、100人くらいが一斉に授業を受けてると思うとワクワクしました。
そして、芸人さんからの授業やらしてくれない?の連絡も増え、2週目をやろうか考える状況に。
正直、1日目なんてあっという間でした。
そして全部の授業は楽しいです。
しかし、蓄積するんですよね、疲労ってやつは。
「ちょ、2週目どうする?」
「授業どんな感じなの?」
「多分枠は埋まりそう」
「まあ、やってもいいんじゃないですか?」
「え、きつくない?」
「いやきついけど。」
「うわーそうかー。やるかー。」
「まあ、せっかくだし。」
「うん、そうだね。」
相方との会話です。
マジでこんな感じだったと思います。
そして、正式に2週目をやると決めて、時間割を作り始めました。
日にちごとに違った時間を固定化して、1日5コマ。
3コマ目は休み時間枠。
5コマ目を中高生の対象からちょっと枠を上げて大人っぽい授業に。
1、2、4コマ目を45分の授業枠。
全員の名前を書かさせてください。
やさしいズタイ
キンボシ西田
アイパー滝沢さん
廣瀬優さん
バンビーノ藤田さん
グッドウォーキン上田さん
コロウカン川端さん
すゑひろがりずさん
ゴールデンアナコンダ大友
イチキップリンさん
キャプテンザコさん
バビロン千葉
ピスタチオ伊地知さん
ひろたあきらくん
江戸川キャデラック水牛さん
ボンざわーるどさん
ウーマンラッシュアワー中川パラダイスさん
佐藤ピリオド.さん
ありがとうぁみさん
官兵衛石橋
ダイノジ大谷さん
カゲヤマタバやん。さん
グリフォン國松
ラフ次元梅村さん
カラタチ大山
みなさん本当にありがとうございました。
全授業アーカイブありますので、気になる方がいたらぜひご覧になってください。
全51コマの授業、ゲスト講師計56人、ゲスト生徒3人。
そしてランパンプス。
できれば全部見て欲しいです。本当。
とくに大谷さんは緊張しました。
絡みという絡みは1回くらいしかなかったので、無償でしかも劇場の楽屋で約20年も後輩の企画に乗っかってくださるなんて本当に嬉しいです。
この企画を通して、本当に嬉しい思いをたくさんしました。
もちろん学びの楽しさや、ノーギャラであっても芸人同士で絡むことによって芸人としての精神衛生を保てるということもありましたが、講師をしてくださった芸人さんは決まって「呼んでくれてありがとう。」「楽しかったわ。」と言ってくれたのを強く覚えています。
こちらの方が「ありがとう。」だし、授業を用意してくださってるんだから謝礼の一つでも渡さないといけないのに。
礼儀が大切な世界ではありますが、こういう言葉の大切さを今一度実感できたのは貴重な経験でしょう。
一旦ここで臨時笑期講習は終わります。
ただ、この笑期講習という仕組みはいいものだと思っているので、形を改めて考えて続けて行けたらと思っています。
あ、忘れてた。
今吉本で劇場生配信やってますが、あれが始まる前に社員さんに呼びだされて打ち合わせしたんです。
僕らがやっているコンテンツをやりたいって。
笑期講習そのまま吉本化計画があったのですが、まあいろんな話の流れがあってその話はなかったことに。しかもその後に時間帯が被って、授業配信をやるのも決まったらしいです。吉本らしいですね!
それでもいいんです。
そもそもは休校の学生たちに楽しい学びの場を提供したいという目的ですから、僕らのチャンネルとかこだわりはありません。
ただ、僕らがやっている「生徒ランパンプス」という形は何か続けても良さそうな気がしているのですがどうでしょうか?
先生を固定して、授業カリキュラムを組んでみては?とか
チャンネルを独立して新しく始めてみては?とか
実際に営業とかワークショップのパッケージでも回れるんじゃ?とか
作家さんからもいろんな意見をいただいたりしてます。
みなさんならこの笑期講習どのようにいかしていきますか?
僕は芸人として、ネタやライブを早くもっとやりたいです。かつ売れたいです。
今回の取り組みをどう活かせるのか、ちょっと考えものですね。
ひとまずお疲れ様でした。
事態の一刻も早くの収束を願います。
記事を読んでサポートをいただけたら幸いです。
今回の活動経費に当てさせていただきます。
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