何もなかったように、とはいかない。
トーストマスターズという団体に属していて週一回木曜日の夜に集まって、1時間スピーチの練習をしている。そのミーティングはきちんとしたフォーマットがあり、進行役、スピーチをする人、評価をする人などにわかれて時間もだらだらせずにきっかり1時間で終わる。
コロナウイルス禍に関して非常事態宣言、が出てから、集会所で集まることができなくなり、ズームでのオンラインミーティングに移行して3週目の昨日、先週に引き続きスピーチを用意してきたクラブメンバーがひとりも居なかったため、ミーティングは通常よりも早く終わり、プレジデント役の人が来週は誰かスピーチをするように頑張ってください、的なことを繰り返した。私は思うところがあり、挙手して自分の考えを述べさせてもらった。
自分の勤務先の上の人もそうなのだが、日々刻々と変わる状況の中、緊急避難の形で自宅勤務に切り替わり、家族以外の人に会うな、外に出るな、という指示のもとで家で仕事をしている状態なのだが、外の世界がどういう状況になっているか、個々の生活形態、心理状況に関してはあまり話し合う機会もなく、オンラインでつながっているからいいだろう的に、いままでと同じ生産性を求められることに私は納得がいかない。少なくとも自分の人生でこんな状態におかれることは初めてであり、国が非常事態というくらいだから明らかに異常な状況。食料と生活必需品以外の店舗は閉まっているし、学校も公共機関も閉まっている。失職した人も多く、家族全員自宅にいる中で子供の面倒をみながら仕事を続けている人もいる。今、この状況で、フォーマルなミーティングの形式にこだわりスピーチを用意してくる人が足りないといったことで自分自身に鞭をうつべき時ではないと私は考える。非常時には非常時なりの対応をして、ミーティングのフォーマットを替えるなり模索する余地があるはずだ、と。
集会の後で、プレジデントの人からメールが来た。私の言葉にはっとさせられた、気づかせてくれてありがとう、と書いてあった。来週は30分早く集まって本ミーティングのまえに役員会議をするので、良いアイデアあればまとめておこうと思う。