課題解決も大切なんですけども

今日の夕方、町の三役や町役場の課長さんたちが政策や施策を説明してくれるという「町政懇談会」に行ってきました。

僕が住んでいるのは5600人程度の人口規模は小さいけれど面積は広く山奥にある豪雪の温泉地なんだけど交通の便はそんなに悪くない岩手県和賀郡西和賀町というところでして、まあいろんな意味でド田舎なまちです。

(もうホームページからしてどうよっていう……)

でまあ、町政懇談会ですよ。町の主要施策というか方針と大ざっぱな予算のお話を聞いてきたんですけど、もうね、

マジで滅びたいんですかあ???

っていう。

いや、人口推計とか財政状況の厳しさはそりゃ分かりますけど、そういうことから来る厳しさじゃないのよねこれは。っていう。ツッコミどころがあり過ぎてもうなんか困っちゃいますよね説明受けてても。っていう。

まず重点プロジェクトが「人づくり」「健康づくり推進」「6次産業推進」「地域の支え合い」「女性が住みよいまちづくり」

って、そもそも行政側も含めてその場に女性が3人くらいしかいなかったんですけど。呼びなよ、女性を。特にご高齢の女性の方々とか。子育て世代とか。ちゃんと声かけるとかしてさ。重点じゃないの?全然軽んじてない?

それから「保健福祉医療」「教育文化」「産業」「生活」っていう4区分で全体像を説明してくれるんですけど、それぞれのスローガンみたいなのが、ほんとモヤモヤするわけでして。

【保健福祉医療】「いきいきと健幸に暮らす」運動・栄養・社会参加を合言葉に健康寿命を延ばす。

【教育文化】「地域に誇りを持ち、豊かな心を育てる」郷土愛にあふれた児童生徒。学びやスポーツに親しむ環境。

【産業】「地域資源を活かし、魅力ある産業」6次産業の強化。西和賀ブランドの発信。雇用環境の整備。

【生活】「住みよい環境と安心な暮らし」冬期間でも快適。住み続けたいまち。

・・・・・・。

あの、だからもうちょっと本気で考えてみません?????

どのフレーズにしても西和賀ブランド感じなくない?どのへんが西和賀町の話なの?行政が町民に直接「こういう方向でやっていきます」って説明する言葉がこれなの?「このままだと岩手で一番最初に消えるぞ」って言われているのにこれなの?こんなどこの町に持って行っても言えちゃうようなスローガンしか考えられなかったの?

いや、課題解決も大切なんですけども、もうちょっと未来を示しましょうよ。目指すビジョンとか起こしたいムーブメントとか、「こういうことを仕掛ければこういう結果がついてくるはずだから、こういう考え方でこういう予算の使い方をしていきます」みたいな未来への意志とそれを反映させた予算を示しましょうよ。

例えば【産業】分野では「錦秋湖大滝ライトアップ」の予算が519万円で、かたや「おもてなし受入環境整備」が110万円だったり「ふるさと就職支援」が100万円だったりとか、理解に苦しむというか、本気度も危機感も伝わってこないというか。単純にそんな余裕ないでしょ、と。

別に何でもかんでも「行政がー」「行政がー」っていうのも違うとは思いますが、それにしたって考えがなさすぎるし、考えていたとしても楽観的すぎるでしょ……。

ただまあ、実際説明に来ていた役場職員の課長代理以上のみなさんの様子を見ていると、個々人にはそういう危機感や思いがないわけじゃなさそうだし、だからこそ、たぶん本気で純粋にそういう発想がないんだと思ってしまうんですよね。いやもちろん「発案して提案し続けているけど聞き入れてもらえていない」っていうケースも少なからずあるんでしょうけど。

こんな言い方は身も蓋もないので失礼極まりないですが、とにかくもうセンスと決断力がない。何をしたらよりよい選択で、何をしても仕方がないのか、そこを見分けて選択して話を前に進めていくというセンスと決断力がどこにも感じられない。邪推かもしれないけど、「それがよりよい選択かどうかの決断に責任持てなくなると、やっても仕方のないほうを選ぶ」っていう回路がビンビンに働いている気がしてなりません。(そこまで詳しくないけど行動経済学とかみんなで読んで自己分析したら即座に超納得するんじゃないかと思う)

……と、行政側の説明は大変残念な気持ちになるプレゼンだったのですが、とても良かったのは、20代30代の参加者(まあ仲間みたいなメンツでしたが)がかなり積極的に喋ったこと。

行政のプレゼンやその内容の質がどうだったかはともかく、こういう場がちゃんと設けられていて、町の施策に対して公然と物申せるのはとても民主的で自治的なことだし、そこで高齢者世代だけじゃなく若い世代が真剣に元気よく喋ってきた/喋れることはすごく明るいことだと思いました。

それに若い世代が高齢者世代に理解を得るためのパフォーマンスの場としても有効な気がしました。集まっているのはわざわざ行政の説明聞きに来るような意識の高い人たちなわけだし。

というわけで、ほとんど文句を書き連ねた感じになりましたが、最終的には行ってよかったなと思いました。ていうかまた行ってこようかな。今度はあんまり猫被らない感じで。

いいなと思ったら応援しよう!

てくてくの森
一般社団法人bridge理事,NPO芸術工房レギュラー会員 演劇作家|文化事業デザイナー|演劇によるひとづくりコーディネーター|岩手県文化芸術コーディネーター 岩手県西和賀町という山奥に在住